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第一章:第二王子の婚約者
04
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長くても一週間程度かと思っていたが、ステラ嬢が住み始めて早一ヶ月。時間が過ぎるのは早いもので、ステラ嬢がこの時間に居ることも日常になりつつある。会話はほぼ無いが毎朝、朝食の時間に居る。
「無理して一緒に食を共にする必要はない」
「何故、でしょうか?」
「なぜって――…醜いだろう」
「リュカ殿下はかっこいいです!」
「そんなはずはない!」
「リュカ殿下は御自分の魅力が分かっておりません! 食べている姿は優雅で美しく、ナイフとフォークを持つ指さきの美しさに惚れ惚れとするし、プラチナブロンドの髪は太陽の光に当たるとキラキラ輝くストレートな髪! 吸い込まれそうな碧瞳にセクシーな甘い声と逞しい肉体美は抱かれたいくらい魅力的で匂いを嗅ぎまくりたい、腕の血管――……」
「――ストップ! 待て、待て、落ち着け」
「リュカ殿下も落ち着いてください」
息継ぎ無し語る数々の言葉に圧倒されて止めるタイミングを逃したが、とんでもない単語が飛び出したのは気のせいか。聞き間違いに違いない。そうであってくれ。
これ以上語られると、俺の方が恥ずかしい。真顔で、恥ずかしげも無く、令嬢から聞く事が無い単語まで聞こえた気がした。俺の思い過ごしなら良いが。
「まだ、褒め足りていないのに」
そんな潤んだ瞳で残念そうな顔をしても、信じられない。
いや、たぶん、本気なんだろうが。それはそれとして怖い。何を語られるのか、彼女が何を考えているのか解らない。
「あと1時間は語られます!」
……どんな拷問だ。
何を根拠に、自信満々に満ちた顔で、告げることができるのか知らないが。そんなに語られましたら、自尊心が保たれない。羞恥心でどうにかなりそうになる。やめてくれ。
平常心を保つために無言で食べ進める。
リュカもステラも知らない。執事や侍従が微笑ましく見守っている姿に――。
あの火災以降、殿下は女性を避ける節があった。
殿下には幸せになって欲しいと家臣達は常々に思っていた。令嬢とこんな風に話す日が来ることを夢見ていた家臣達は一同、心に誓っていたとは露ほども知らないふたりだった。
いつもの朝の食事が終わり、ステラはリュカを見送る。
リュカ殿下の家臣達の他に、この邸にはリュカ殿下のお母様も住んでいる。幽霊だから、取り憑いている? と、いうべきか。
――今、リュカ殿下のお母様は私のお部屋にいる。
『どうして素直になれないのかしら。……困った子だわ』
「ふふ」
『怒っていいのよ』
「お義母様が怒ってくれるので、怒りが湧いてこないです」
『昔はもっと、素直で可愛かったのよ』
どうして、ああなったのかしら……と、小さな声で囁き、ため息を零したのが聞こえた。
「リュカ殿下の子供頃の話を聞かせてくれませんか?」
『もちろんよ』
リュカの母アシュリとステラが楽しくお話をしていると、ドアの向こうから執事長ゼンの声。
「ステラお嬢様」
「――はい」
「入ってもよろしいでしょうか?」
「どうぞ」
部屋の中へ招き入れると、大きめバスケットを持った、執事長ゼン。
「ステラお嬢様、殿下にこちらを持っていてくれませんか?」
「こちらは?」
「サンドイッチです。殿下と御一緒に、お昼をどうかと思いましてシェフに作って頂きました」
「ありがとう。いただくわ」
リュカ殿下のお母様との話を中断して、ステラは出掛ける準備をする。
今はまだ、この邸には侍女や女性の使用人にはいない。なので、支度の準備は自分でするしかない。
実家にいたときから、自分でやっていたから問題はないし、前世では自分のことは自分でするのが当たり前だった。出来ない事は無い。
『本当は、専属の侍女くらい付けられたら良いだけど……』
「私は気にしていないです」
リュカ殿下の火傷の痕を見て失神したり、不快そうな表情を隠す事なく、顔を歪めるような女性をそばに置く方が不愉快だし、私は嫌だ。
リュカ殿下には快適に過ごして欲しい。
『今日はコレとコレがいいじゃないかしら』
それに、リュカ殿下のお母様とのこのやりとりも好きだから今はそのままでいい。
思い残したことが無くなれば、リュカ殿下のお母様は天へ召し上がる。その時が来るまでは少しでも一緒に永く居たいのが本音。
外に出る時は、リュカ殿下の瞳の色か髪の色を一つ取り入れる様にしている。婚約者の色を付けるのは、彼は彼女は、私のものってアピールにもなるとリュカ殿下のお母様から聞いた。
今日はブルーのピアスを付けて出かける事にした。
✳︎ ✳︎
リュカ殿下が居る練武場に顔を出して、近くの騎士に訪ねてみる。
「リュカ殿下は居るかしら?」
「殿下の婚約者様でいらしゃいますか?」
「はい」
「案内します」
案内された場所は、2階で此処からよく見える。
「今の姿の殿下の姿を見れば惚れますよ。とってもかっこいいですから」
「リュカ殿下は元からかっこいいです」
案内してくれた男性は、目を大きく開き微笑んだ。
「ぼくは、これで失礼します」
「ありがとう」
お辞儀をして去っていた。
2階からリュカ殿下の姿を見かけて、初めて目にする騎士の姿にステラは頬を緩めた。
剣を振るう姿は逞しくて、顔がにやける。
目で追うのがやっとなくらいに早い。
〈ああ、やっぱりリュカ殿下が一番かっこいい。抱きついて匂いを嗅ぎたい。ダメかしら。一応、婚約者だしいいよね?!〉
ハハ、と笑い声が聞こえて、その声の主を確かめるために振り向くと、燃える様な赤髪の体格のいい男性が立っていた。
なぜ? 笑っているのか分からずにステラは首を傾げた。
「長く続いている様だから何か企んでいるのかと思ったが、その様子じゃ……ククっ、嗅ぎたいだもんな。汗の匂いしかしないと思うぞ」
「そんな事はないです。きっとすごくいい……え、私、声に出していましたか?」
「思い切り」
「やだぁ。頭の中で思っていただけなのに。お兄ちゃんにも云われていたのに恥ずかしい」
ステラは恥ずかしそうに両手で顔を隠す。流石に恥ずかしい。
〈変態だと思われていない?〉
「変態で間違いない。リュカ殿下の前でもこうなのか?」
「違います! え、え、また、私、もしかして――」
穴があったら埋まりたい。埋まりたいくらいに恥ずかしい。
赤髪の男性は、また、喉鳴らして笑う。
「こっち向いたぞ」
「あ!」
小さく手を振ったら、リュカ殿下が驚いたような気がした。はっきりと顔は見えないので分からないけど、私の存在を確認したリュカ殿下は、何かを指示して、姿を消したかと思ったらリュカ殿下が私の名前を呼ぶ声が聞こえた。
「ステラ嬢、こんなところで何をしている」
「執事長のゼンがリュカ殿下と一緒に食べるように言われたので、昼食を持ってきたです」
リュカ殿下は小さくため息を吐く。
いきなり訪ねるのはやっぱり迷惑だったかなと思っていると、私の持っているバスケットを取りスタスタと歩き出した。
「照れているだけだから、後を追え」
――赤髪さんが仰るには照れているらしい。
リュカ殿下の跡をつけて、そこで持っているようにと言われて素直に従う。
待っている間にバスケットから重箱を取り出す。
ふたり分の水の入ったコップを持ってきてくれて、其れを受け取った。
「ありがとうございます」
この至近距離でリュカ殿下と向き合うの初めてな気がする。
あ、お水を飲んだ。
上下に動く喉仏――……。
〈なんて、素敵な喉仏〉
うっとりと眺めていたら、ゴホッ、ゴホッと咳き込む音で我に返った。
「だ、だだだ大丈夫ですか」
「だ、……大丈夫だ」
「だけど、顔も赤いです。――! もしや、熱」
ステラは慌てて立ち上がり、「失礼します」と、ひとこと告げておでこに触れる。
「ん? やっぱり少し熱いような……? 気かまします」
「動いたからだ。――……気のせいだ」
「なるほどですね!」
動いたら身体が熱くなるもんね。
そこまで距離が離れていないので全ての会話が丸聞こえ。騎士団の皆は、ふたりの微笑ましい会話を見守っていた。
リュカ殿下の婚約者として立前を使い、騎士団の鍛錬所に令嬢がまたに来ることはあった。そう言う令嬢は直ぐに他の男に色目を使い近づこうとすることもしばしば。
今までの令嬢と違い、挨拶程度の会話以外殆ど会話という会話は無かった。常に殿下だけを見ている姿に好感度が上がるのに時間は掛からなかった。
「無理して一緒に食を共にする必要はない」
「何故、でしょうか?」
「なぜって――…醜いだろう」
「リュカ殿下はかっこいいです!」
「そんなはずはない!」
「リュカ殿下は御自分の魅力が分かっておりません! 食べている姿は優雅で美しく、ナイフとフォークを持つ指さきの美しさに惚れ惚れとするし、プラチナブロンドの髪は太陽の光に当たるとキラキラ輝くストレートな髪! 吸い込まれそうな碧瞳にセクシーな甘い声と逞しい肉体美は抱かれたいくらい魅力的で匂いを嗅ぎまくりたい、腕の血管――……」
「――ストップ! 待て、待て、落ち着け」
「リュカ殿下も落ち着いてください」
息継ぎ無し語る数々の言葉に圧倒されて止めるタイミングを逃したが、とんでもない単語が飛び出したのは気のせいか。聞き間違いに違いない。そうであってくれ。
これ以上語られると、俺の方が恥ずかしい。真顔で、恥ずかしげも無く、令嬢から聞く事が無い単語まで聞こえた気がした。俺の思い過ごしなら良いが。
「まだ、褒め足りていないのに」
そんな潤んだ瞳で残念そうな顔をしても、信じられない。
いや、たぶん、本気なんだろうが。それはそれとして怖い。何を語られるのか、彼女が何を考えているのか解らない。
「あと1時間は語られます!」
……どんな拷問だ。
何を根拠に、自信満々に満ちた顔で、告げることができるのか知らないが。そんなに語られましたら、自尊心が保たれない。羞恥心でどうにかなりそうになる。やめてくれ。
平常心を保つために無言で食べ進める。
リュカもステラも知らない。執事や侍従が微笑ましく見守っている姿に――。
あの火災以降、殿下は女性を避ける節があった。
殿下には幸せになって欲しいと家臣達は常々に思っていた。令嬢とこんな風に話す日が来ることを夢見ていた家臣達は一同、心に誓っていたとは露ほども知らないふたりだった。
いつもの朝の食事が終わり、ステラはリュカを見送る。
リュカ殿下の家臣達の他に、この邸にはリュカ殿下のお母様も住んでいる。幽霊だから、取り憑いている? と、いうべきか。
――今、リュカ殿下のお母様は私のお部屋にいる。
『どうして素直になれないのかしら。……困った子だわ』
「ふふ」
『怒っていいのよ』
「お義母様が怒ってくれるので、怒りが湧いてこないです」
『昔はもっと、素直で可愛かったのよ』
どうして、ああなったのかしら……と、小さな声で囁き、ため息を零したのが聞こえた。
「リュカ殿下の子供頃の話を聞かせてくれませんか?」
『もちろんよ』
リュカの母アシュリとステラが楽しくお話をしていると、ドアの向こうから執事長ゼンの声。
「ステラお嬢様」
「――はい」
「入ってもよろしいでしょうか?」
「どうぞ」
部屋の中へ招き入れると、大きめバスケットを持った、執事長ゼン。
「ステラお嬢様、殿下にこちらを持っていてくれませんか?」
「こちらは?」
「サンドイッチです。殿下と御一緒に、お昼をどうかと思いましてシェフに作って頂きました」
「ありがとう。いただくわ」
リュカ殿下のお母様との話を中断して、ステラは出掛ける準備をする。
今はまだ、この邸には侍女や女性の使用人にはいない。なので、支度の準備は自分でするしかない。
実家にいたときから、自分でやっていたから問題はないし、前世では自分のことは自分でするのが当たり前だった。出来ない事は無い。
『本当は、専属の侍女くらい付けられたら良いだけど……』
「私は気にしていないです」
リュカ殿下の火傷の痕を見て失神したり、不快そうな表情を隠す事なく、顔を歪めるような女性をそばに置く方が不愉快だし、私は嫌だ。
リュカ殿下には快適に過ごして欲しい。
『今日はコレとコレがいいじゃないかしら』
それに、リュカ殿下のお母様とのこのやりとりも好きだから今はそのままでいい。
思い残したことが無くなれば、リュカ殿下のお母様は天へ召し上がる。その時が来るまでは少しでも一緒に永く居たいのが本音。
外に出る時は、リュカ殿下の瞳の色か髪の色を一つ取り入れる様にしている。婚約者の色を付けるのは、彼は彼女は、私のものってアピールにもなるとリュカ殿下のお母様から聞いた。
今日はブルーのピアスを付けて出かける事にした。
✳︎ ✳︎
リュカ殿下が居る練武場に顔を出して、近くの騎士に訪ねてみる。
「リュカ殿下は居るかしら?」
「殿下の婚約者様でいらしゃいますか?」
「はい」
「案内します」
案内された場所は、2階で此処からよく見える。
「今の姿の殿下の姿を見れば惚れますよ。とってもかっこいいですから」
「リュカ殿下は元からかっこいいです」
案内してくれた男性は、目を大きく開き微笑んだ。
「ぼくは、これで失礼します」
「ありがとう」
お辞儀をして去っていた。
2階からリュカ殿下の姿を見かけて、初めて目にする騎士の姿にステラは頬を緩めた。
剣を振るう姿は逞しくて、顔がにやける。
目で追うのがやっとなくらいに早い。
〈ああ、やっぱりリュカ殿下が一番かっこいい。抱きついて匂いを嗅ぎたい。ダメかしら。一応、婚約者だしいいよね?!〉
ハハ、と笑い声が聞こえて、その声の主を確かめるために振り向くと、燃える様な赤髪の体格のいい男性が立っていた。
なぜ? 笑っているのか分からずにステラは首を傾げた。
「長く続いている様だから何か企んでいるのかと思ったが、その様子じゃ……ククっ、嗅ぎたいだもんな。汗の匂いしかしないと思うぞ」
「そんな事はないです。きっとすごくいい……え、私、声に出していましたか?」
「思い切り」
「やだぁ。頭の中で思っていただけなのに。お兄ちゃんにも云われていたのに恥ずかしい」
ステラは恥ずかしそうに両手で顔を隠す。流石に恥ずかしい。
〈変態だと思われていない?〉
「変態で間違いない。リュカ殿下の前でもこうなのか?」
「違います! え、え、また、私、もしかして――」
穴があったら埋まりたい。埋まりたいくらいに恥ずかしい。
赤髪の男性は、また、喉鳴らして笑う。
「こっち向いたぞ」
「あ!」
小さく手を振ったら、リュカ殿下が驚いたような気がした。はっきりと顔は見えないので分からないけど、私の存在を確認したリュカ殿下は、何かを指示して、姿を消したかと思ったらリュカ殿下が私の名前を呼ぶ声が聞こえた。
「ステラ嬢、こんなところで何をしている」
「執事長のゼンがリュカ殿下と一緒に食べるように言われたので、昼食を持ってきたです」
リュカ殿下は小さくため息を吐く。
いきなり訪ねるのはやっぱり迷惑だったかなと思っていると、私の持っているバスケットを取りスタスタと歩き出した。
「照れているだけだから、後を追え」
――赤髪さんが仰るには照れているらしい。
リュカ殿下の跡をつけて、そこで持っているようにと言われて素直に従う。
待っている間にバスケットから重箱を取り出す。
ふたり分の水の入ったコップを持ってきてくれて、其れを受け取った。
「ありがとうございます」
この至近距離でリュカ殿下と向き合うの初めてな気がする。
あ、お水を飲んだ。
上下に動く喉仏――……。
〈なんて、素敵な喉仏〉
うっとりと眺めていたら、ゴホッ、ゴホッと咳き込む音で我に返った。
「だ、だだだ大丈夫ですか」
「だ、……大丈夫だ」
「だけど、顔も赤いです。――! もしや、熱」
ステラは慌てて立ち上がり、「失礼します」と、ひとこと告げておでこに触れる。
「ん? やっぱり少し熱いような……? 気かまします」
「動いたからだ。――……気のせいだ」
「なるほどですね!」
動いたら身体が熱くなるもんね。
そこまで距離が離れていないので全ての会話が丸聞こえ。騎士団の皆は、ふたりの微笑ましい会話を見守っていた。
リュカ殿下の婚約者として立前を使い、騎士団の鍛錬所に令嬢がまたに来ることはあった。そう言う令嬢は直ぐに他の男に色目を使い近づこうとすることもしばしば。
今までの令嬢と違い、挨拶程度の会話以外殆ど会話という会話は無かった。常に殿下だけを見ている姿に好感度が上がるのに時間は掛からなかった。
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