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文化祭(雅臣視点)
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初回の売り子は僕と拓也、カニなんとかと女生徒二人だった。昨年、拓也と共に入った心理テストの舘と同じで、入ってすぐに心理テストを販売する机があり、僕と拓也は其処の担当を命じられた。
部屋の中央には回答を書く机があり、出口付近にカニなんとかが担当する答えを渡す机が置かれている。女生徒二人は、来客の誘導役を務めるようだ。
「なんか、やっつけ仕事って感じだな」
机の上を見た拓也が、呆れたように言う。
机には販売する心理テストの種類が書かれた紙が貼られていて、求められた番号の用紙を机の中にあるファイルから取り出し、代金と引き換えに渡すシステムになっている。その心理テストの種類を書いた紙が、『恋愛1』『性格3』など、大まかなジャンルしか書かれていないのだ。
「分かりやすいといえば分かりやすいですがね。さぁ、開店するようですよ」
文化祭の開始を告げるチャイムが鳴り始めると同時に、此処の生徒だと分かる制服姿の女生徒達が雪崩れ込んできた。開店直後に廊下まで出来た行列を見て、拓也は目を丸くしている。
「女子って、心理テスト好きなんだな」
「そのようですね。間違えないように仕事をこなしましょう」
「そうだな」
シンプルなジャンル表のため悩む者はおらず、滞ることなく客を捌いていく。一見手抜きに見えるが計算して作ったのならば、担当者は商売の才能があるな。
感心しながら、拓也と協力して接客をしていると、誘導役の女生徒一人が声を張り上げ始めた。写真は撮らないでください、と叫びながら、教室内を巡回している。カメラやスマホを手にしている者に注意を促す姿を目にし、全てのことに合点がいった。
心理テストの購入者は、示し合わせたかのように三種類を買っている。浴衣に着替え終わった後、僕と拓也の写真を撮った女生徒は、三種類購入した者への特典に使うと言っていた。
特典の付加価値をつける為に、僕と拓也の写真を撮らせないようにしているのだろう。彼女達が行列を作ってまで欲しているのは心理テストではなく、僕と拓也との触れ合いなのだ。
次第に一般客も増えてきて、教室内は様々な年齢層の女性客で溢れかえっている。彼女達の本当の目的が分かっていない拓也は、黙々と作業をこなしている。その無垢で擦れていない姿に愛しさが募り、頬が弛んでしまう。
「あー、疲れた」
「お疲れ様でした」
交代の時刻になり、拓也と共に衝立の裏に引き下がる。両腕を突き上げ、絶え間なく訪れた客の対応に追われて疲労した体を解す拓也に、労りの眼差しを向ける。
「二人共お疲れ様。ボクは先に行くね」
一足先に引き上げていたカニなんとかが、着替えを終えて衝立の裏から出ていこうとする。
「海老原は一緒に回らないのか?」
「桃ちゃん先輩が来てるから、二人で回るんだ」
「そっか。桃井先輩によろしくな」
「うん。二人は今日もイチャラブだよって伝えとくね」
「なっ……イチャイチャもラブラブもしてないだろっ!」
「フフッ、じぁね」
羞恥と怒りで顔を赤く染める拓也をいなし、軽やかに掌を振りながら去っていくカニなんとかが、意味ありげに口の端を上げて僕を見た。
「海老原の奴、絶対目が悪いよな」
ぶつくさと文句を言いながら着替え始めた拓也。肩から滑り落ちる浴衣、そして現れた僕の咲かせた花を散らした柔肌の妖艶さに、下腹部がズクンと疼く。
自らの手でしっかり着付けた着物を、少しずつ脱がせながら愛するのも一興だな。今纏っているのはお父様のもののため汚すのは憚れるので、拓也用に仕立てようか。
「アンタ、まだ着替えてないのか?」
浴衣もいいが肌襦袢も捨てがたいな、と目眩く妄想に浸っていると、制服に着替え終えた拓也が不思議そうに見てきた。
「すいません、拓也の裸体に見とれていたんです。すぐに着替えますね」
「なっ、この変態野郎!」
面白いほどに顔を赤く染めた拓也がギロッと睨み付けてきて、明後日な方向を向いてしまう。
蕩けさせると、僕が吃驚するくらいに大胆に誘ってくるようになった拓也だが、普段はウブで恥ずかしがり屋なのは変わることはない。そんな絶妙なバランスが、僕を惹き付け続けるのだ。まぁ、拓也が拓也であれば、どんな拓也でも愛しいのだが。
そんなに想える相手に出逢えたことに感謝しながら着替えをしていると、スラックスの間に何かが挟まっているのを見つけた。何なのか確認すると、カニなんとかが向けてきた顔の意味が分かった。後程楽しませてもらおうと考えながら其れをスラックスのポケットに入れ、拗ねている拓也に声を掛ける。
「お待たせしました。行きましょうか」
「あぁ」
振り返った拓也に不機嫌さは微塵もなく、祭りに瞳を輝かせていた。
「何処から回りますか?」
「腹減ったから、何か食べたい」
時刻はそろそろ十一時になろうというところだが、目の回るような忙しさだったため空腹になったのだろう。
「何にしますか?」
「そうだな……」
人気のない階段の踊り場でパンフレットを開き、其れを覗き込んでくる拓也と額を合わせ、印刷された文字を追っていく。
「なぁ、この白いカレーって、シチューとは違うのか?」
一年B組の出し物を指差した拓也が、怪訝そうに訊ねてくる。
「一般的なカレーの黄色い色の元はターメリックをはじめとした色のついたスパイスなんです。それらを極力減らしているため白っぽい色をしていてクリームシチューに似た外見ですが、スパイスの風味は一般に普及しているカレーと大きく違わないんですよ。クリームソースベースのため、まろやかな風味ではありますがね」
「へぇ、白いのにカレーの味がするのか。これにする」
以前、食べたことのあるホワイトカレーを思い返しながら答えると、どんな味なのかと想像したのか、拓也がキラキラと瞳を輝かせた。期待に胸を膨らませて鼻唄でも口ずさみそうな拓也と共に、ホワイトカレーを買いにいく。
「中庭で食べましょうか」
「あぁ」
昼前で空いていたため、すぐに購入できたカレーを持って、いつものベンチに向かう。
「本当にカレーだ。黄色いのより好きかも」
到着と同時にカレーを口に運んだ拓也が目を瞠る。
「また作ってあげますね」
僕もカレーを口にすると、まあまあの味ではあったが、店で出せるほどのレベルではなかった。本当のホワイトカレーを食べさせてやり、拓也をもっと蕩けさせてあげたい。レシピを調べ、必要な香辛料を集めなければな。
「あー、旨かった」
満足そうに腹部を摩った拓也が、此処に来る途中で買ったイチゴ牛乳を飲み始める。遅れて僕も食べ終わり、ポケットに入れておいた紙を取り出す。
「拓也、心理テストをやりませんか?」
「へ? それ、貰ってきたのか?」
「えぇ」
僕が手にした紙を指差して聞いてくる拓也に、笑顔で頷く。
これが、スラックスの間に挟まれていたものだ。恐らく、カニなんとかが置いたのだろう。
「去年と同じやり方でいいですか?」
コクンと頷いた拓也に、一番目の問いを読み上げる。
「今日はお祭り。太鼓の音、お神輿の掛け声、花火の音が聞こえてきます。さあ、今の気持ちは?」
部屋の中央には回答を書く机があり、出口付近にカニなんとかが担当する答えを渡す机が置かれている。女生徒二人は、来客の誘導役を務めるようだ。
「なんか、やっつけ仕事って感じだな」
机の上を見た拓也が、呆れたように言う。
机には販売する心理テストの種類が書かれた紙が貼られていて、求められた番号の用紙を机の中にあるファイルから取り出し、代金と引き換えに渡すシステムになっている。その心理テストの種類を書いた紙が、『恋愛1』『性格3』など、大まかなジャンルしか書かれていないのだ。
「分かりやすいといえば分かりやすいですがね。さぁ、開店するようですよ」
文化祭の開始を告げるチャイムが鳴り始めると同時に、此処の生徒だと分かる制服姿の女生徒達が雪崩れ込んできた。開店直後に廊下まで出来た行列を見て、拓也は目を丸くしている。
「女子って、心理テスト好きなんだな」
「そのようですね。間違えないように仕事をこなしましょう」
「そうだな」
シンプルなジャンル表のため悩む者はおらず、滞ることなく客を捌いていく。一見手抜きに見えるが計算して作ったのならば、担当者は商売の才能があるな。
感心しながら、拓也と協力して接客をしていると、誘導役の女生徒一人が声を張り上げ始めた。写真は撮らないでください、と叫びながら、教室内を巡回している。カメラやスマホを手にしている者に注意を促す姿を目にし、全てのことに合点がいった。
心理テストの購入者は、示し合わせたかのように三種類を買っている。浴衣に着替え終わった後、僕と拓也の写真を撮った女生徒は、三種類購入した者への特典に使うと言っていた。
特典の付加価値をつける為に、僕と拓也の写真を撮らせないようにしているのだろう。彼女達が行列を作ってまで欲しているのは心理テストではなく、僕と拓也との触れ合いなのだ。
次第に一般客も増えてきて、教室内は様々な年齢層の女性客で溢れかえっている。彼女達の本当の目的が分かっていない拓也は、黙々と作業をこなしている。その無垢で擦れていない姿に愛しさが募り、頬が弛んでしまう。
「あー、疲れた」
「お疲れ様でした」
交代の時刻になり、拓也と共に衝立の裏に引き下がる。両腕を突き上げ、絶え間なく訪れた客の対応に追われて疲労した体を解す拓也に、労りの眼差しを向ける。
「二人共お疲れ様。ボクは先に行くね」
一足先に引き上げていたカニなんとかが、着替えを終えて衝立の裏から出ていこうとする。
「海老原は一緒に回らないのか?」
「桃ちゃん先輩が来てるから、二人で回るんだ」
「そっか。桃井先輩によろしくな」
「うん。二人は今日もイチャラブだよって伝えとくね」
「なっ……イチャイチャもラブラブもしてないだろっ!」
「フフッ、じぁね」
羞恥と怒りで顔を赤く染める拓也をいなし、軽やかに掌を振りながら去っていくカニなんとかが、意味ありげに口の端を上げて僕を見た。
「海老原の奴、絶対目が悪いよな」
ぶつくさと文句を言いながら着替え始めた拓也。肩から滑り落ちる浴衣、そして現れた僕の咲かせた花を散らした柔肌の妖艶さに、下腹部がズクンと疼く。
自らの手でしっかり着付けた着物を、少しずつ脱がせながら愛するのも一興だな。今纏っているのはお父様のもののため汚すのは憚れるので、拓也用に仕立てようか。
「アンタ、まだ着替えてないのか?」
浴衣もいいが肌襦袢も捨てがたいな、と目眩く妄想に浸っていると、制服に着替え終えた拓也が不思議そうに見てきた。
「すいません、拓也の裸体に見とれていたんです。すぐに着替えますね」
「なっ、この変態野郎!」
面白いほどに顔を赤く染めた拓也がギロッと睨み付けてきて、明後日な方向を向いてしまう。
蕩けさせると、僕が吃驚するくらいに大胆に誘ってくるようになった拓也だが、普段はウブで恥ずかしがり屋なのは変わることはない。そんな絶妙なバランスが、僕を惹き付け続けるのだ。まぁ、拓也が拓也であれば、どんな拓也でも愛しいのだが。
そんなに想える相手に出逢えたことに感謝しながら着替えをしていると、スラックスの間に何かが挟まっているのを見つけた。何なのか確認すると、カニなんとかが向けてきた顔の意味が分かった。後程楽しませてもらおうと考えながら其れをスラックスのポケットに入れ、拗ねている拓也に声を掛ける。
「お待たせしました。行きましょうか」
「あぁ」
振り返った拓也に不機嫌さは微塵もなく、祭りに瞳を輝かせていた。
「何処から回りますか?」
「腹減ったから、何か食べたい」
時刻はそろそろ十一時になろうというところだが、目の回るような忙しさだったため空腹になったのだろう。
「何にしますか?」
「そうだな……」
人気のない階段の踊り場でパンフレットを開き、其れを覗き込んでくる拓也と額を合わせ、印刷された文字を追っていく。
「なぁ、この白いカレーって、シチューとは違うのか?」
一年B組の出し物を指差した拓也が、怪訝そうに訊ねてくる。
「一般的なカレーの黄色い色の元はターメリックをはじめとした色のついたスパイスなんです。それらを極力減らしているため白っぽい色をしていてクリームシチューに似た外見ですが、スパイスの風味は一般に普及しているカレーと大きく違わないんですよ。クリームソースベースのため、まろやかな風味ではありますがね」
「へぇ、白いのにカレーの味がするのか。これにする」
以前、食べたことのあるホワイトカレーを思い返しながら答えると、どんな味なのかと想像したのか、拓也がキラキラと瞳を輝かせた。期待に胸を膨らませて鼻唄でも口ずさみそうな拓也と共に、ホワイトカレーを買いにいく。
「中庭で食べましょうか」
「あぁ」
昼前で空いていたため、すぐに購入できたカレーを持って、いつものベンチに向かう。
「本当にカレーだ。黄色いのより好きかも」
到着と同時にカレーを口に運んだ拓也が目を瞠る。
「また作ってあげますね」
僕もカレーを口にすると、まあまあの味ではあったが、店で出せるほどのレベルではなかった。本当のホワイトカレーを食べさせてやり、拓也をもっと蕩けさせてあげたい。レシピを調べ、必要な香辛料を集めなければな。
「あー、旨かった」
満足そうに腹部を摩った拓也が、此処に来る途中で買ったイチゴ牛乳を飲み始める。遅れて僕も食べ終わり、ポケットに入れておいた紙を取り出す。
「拓也、心理テストをやりませんか?」
「へ? それ、貰ってきたのか?」
「えぇ」
僕が手にした紙を指差して聞いてくる拓也に、笑顔で頷く。
これが、スラックスの間に挟まれていたものだ。恐らく、カニなんとかが置いたのだろう。
「去年と同じやり方でいいですか?」
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