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ハッと目を開けると、光沢のある生地が見えた。
自分が今どこに居るのか分からずに混乱するが、頭上からスースーと規則的に聞こえてくる寝息で、直人の腕の中に居るのだと分かった。
さっきまでの光景は、夢だったのか……。
あの男の唇の感触も、抱き締められた温もりもリアルすぎて、なんだか夢だとは思えない。
どこかで感じたものに似ていたな、と考えてハッとする。
全ての感触が、直人とそっくりだったのだ。
限りなく直人に似ているが、直人とは違う大人な男――。
無垢な魂を汚してはならないと思った脳が、直人と似た男を作り出したのだろうか?
直人の温もりに包まれていると、夢の中の男が鮮明に甦ってきて、下腹部が熱を持ってきた。
駄目だと思えば思うほどソコに血が集まっていき、夢の中の男との約束を思い出した後ろまで、ウズウズ疼いてきた。
約束を守った俺をあの男は抱いてくれるのだろうか、と考えてしまったら、あの男が欲しくて堪らなくなってきてしまった。
直人を起こさないように腕の中からそっと抜け出し、枕元に置いてある時計で時刻を確認すると、午前二時を少し過ぎたところだった。
直人が熟睡しているのを確認し、鞄の奥に隠すようにしまってあった巾着袋を持ち、足音を立てずに浴室に向かう。
急いで寝間着を脱ぎ、巾着袋にしまってあった男のブツを象った玩具とローションを持って浴室に入る。
ローションを後ろに垂らし、玩具を受け入れられるように準備を始める。
数時間前に指を咥えていたソコはまだ柔らかくうねっていて、すぐにもっと太いものが欲しいと啼き始めた。
快感を楽しむのではなく早く熱を散らすのが目的なので、ソコの願いを叶えるために解すのもそこそこに玩具を挿しこんでいく。
ソコが歓ぶポイントを最初から狙い、角度が定まると電源を入れる。
一番欲しい場所に刺激が与えられて、後ろの準備で構っていなかった前も、既に弾けそうになっていた。
「っ……」
甘い痺れが全身を駆け抜けて漏れそうになった声を、唇を噛んで飲み込む。
脳内では夢の中の男が俺の腰を掴み、最後の追い上げとばかりに腰を打ち付けてきている。
その動きに合わせて俺も腰を振り、同じリズムで前を扱いていく。
寝室は防音加工がしてあるのでここの音は届かないだろうが、施設の自室での処理と同じように、なるべく音を立てずに事を進めていった。
体を清め、浴室に篭った淫猥な空気を洗い流して、直人の眠るベッドに戻る。
直人に似ているが直人ではない男を相手にしたので、直人で達した時ほどの罪悪感は感じなかった。
もしかしたら、あれは夢ではなく記憶なのかもしれない。
直人に触れた時に不意に脳裏に過った懐かしさは、あの夢が現実のことだと考えれば辻褄があう。
状況から考えて、四人組の男に薬を射たれ、いたぶられて意識を失ってから、梅田先生の医院で目覚めるまでの間の出来事だったのだろうと思う。
まだ薬が残っていたのか男の顔が分からないなど記憶は曖昧だが、あの男は現実にいたのだという確信が何故だか俺の中にある。
直人に必要以上に反応してしまうのは、直人があの男に似ているからなんだ。
おかずにしていた男優もあの男に似ていたし、記憶を失していても心があの男を覚えていて、あの男に似ている奴に欲情していたのだ。
直人自身ではなく、あの男に似ている直人に欲情していたのだと分かり、ほっとする先生の俺と、あの男に似ている直人を欲しいと思ってしまう雄の俺が現れて、喧嘩を始める。
俺が欲しいのは、あの男だろ? 俺のヒーローは、あの男だけだろ?
約束を守らないとヒーローは現れないんだぞ、と雄の俺を言いくるめて、眠気の覚めた頭でヒーローの姿を思い描き、朝が訪れるのをじっと待った。
自分が今どこに居るのか分からずに混乱するが、頭上からスースーと規則的に聞こえてくる寝息で、直人の腕の中に居るのだと分かった。
さっきまでの光景は、夢だったのか……。
あの男の唇の感触も、抱き締められた温もりもリアルすぎて、なんだか夢だとは思えない。
どこかで感じたものに似ていたな、と考えてハッとする。
全ての感触が、直人とそっくりだったのだ。
限りなく直人に似ているが、直人とは違う大人な男――。
無垢な魂を汚してはならないと思った脳が、直人と似た男を作り出したのだろうか?
直人の温もりに包まれていると、夢の中の男が鮮明に甦ってきて、下腹部が熱を持ってきた。
駄目だと思えば思うほどソコに血が集まっていき、夢の中の男との約束を思い出した後ろまで、ウズウズ疼いてきた。
約束を守った俺をあの男は抱いてくれるのだろうか、と考えてしまったら、あの男が欲しくて堪らなくなってきてしまった。
直人を起こさないように腕の中からそっと抜け出し、枕元に置いてある時計で時刻を確認すると、午前二時を少し過ぎたところだった。
直人が熟睡しているのを確認し、鞄の奥に隠すようにしまってあった巾着袋を持ち、足音を立てずに浴室に向かう。
急いで寝間着を脱ぎ、巾着袋にしまってあった男のブツを象った玩具とローションを持って浴室に入る。
ローションを後ろに垂らし、玩具を受け入れられるように準備を始める。
数時間前に指を咥えていたソコはまだ柔らかくうねっていて、すぐにもっと太いものが欲しいと啼き始めた。
快感を楽しむのではなく早く熱を散らすのが目的なので、ソコの願いを叶えるために解すのもそこそこに玩具を挿しこんでいく。
ソコが歓ぶポイントを最初から狙い、角度が定まると電源を入れる。
一番欲しい場所に刺激が与えられて、後ろの準備で構っていなかった前も、既に弾けそうになっていた。
「っ……」
甘い痺れが全身を駆け抜けて漏れそうになった声を、唇を噛んで飲み込む。
脳内では夢の中の男が俺の腰を掴み、最後の追い上げとばかりに腰を打ち付けてきている。
その動きに合わせて俺も腰を振り、同じリズムで前を扱いていく。
寝室は防音加工がしてあるのでここの音は届かないだろうが、施設の自室での処理と同じように、なるべく音を立てずに事を進めていった。
体を清め、浴室に篭った淫猥な空気を洗い流して、直人の眠るベッドに戻る。
直人に似ているが直人ではない男を相手にしたので、直人で達した時ほどの罪悪感は感じなかった。
もしかしたら、あれは夢ではなく記憶なのかもしれない。
直人に触れた時に不意に脳裏に過った懐かしさは、あの夢が現実のことだと考えれば辻褄があう。
状況から考えて、四人組の男に薬を射たれ、いたぶられて意識を失ってから、梅田先生の医院で目覚めるまでの間の出来事だったのだろうと思う。
まだ薬が残っていたのか男の顔が分からないなど記憶は曖昧だが、あの男は現実にいたのだという確信が何故だか俺の中にある。
直人に必要以上に反応してしまうのは、直人があの男に似ているからなんだ。
おかずにしていた男優もあの男に似ていたし、記憶を失していても心があの男を覚えていて、あの男に似ている奴に欲情していたのだ。
直人自身ではなく、あの男に似ている直人に欲情していたのだと分かり、ほっとする先生の俺と、あの男に似ている直人を欲しいと思ってしまう雄の俺が現れて、喧嘩を始める。
俺が欲しいのは、あの男だろ? 俺のヒーローは、あの男だけだろ?
約束を守らないとヒーローは現れないんだぞ、と雄の俺を言いくるめて、眠気の覚めた頭でヒーローの姿を思い描き、朝が訪れるのをじっと待った。
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