おやじが女子高生に恋をした

masaaky

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過去の思い出2/3

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アルバムを見ていると当時の事を思い出す。
といっても、特に楽しい思い出などではない。
いじめられていたわけではないが、クラスの主要なメンバーに当然属したわけではない。
目立たなかったのでいじめの対象にもならなかっただけだろう。

スポーツができたわけではなかった。
勉強も特別優秀だったわけではない。
自宅では予習、復習をきっちりしていたつもりだが自分より勉強ができる人たちは何人かいた。
当時クラスの全員と言っていいほど塾に通っていたので、福士も週2回学習塾に通っていた。
自分より成績のいいクラスメイトが通っていた進学塾が駅前にあったのでそこに通いたいと母親に頼んだことはあったが、いつもの塾に通い続けた。
大人になって気づいた事だが、その進学塾の学費は福士が通っていた塾の3倍ほどしていた。
塾代は母親がパートしていた給料の中から捻出していたので、息子の塾代をこれ以上捻出することは厳しかったのかもしれない。
父親は自分にあまり関心がなかった。
勉強しろとも言われたことがなかったし、休日に一緒に遊んでくれた記憶などほとんどなかった。
仕事人間だった父は、子育てに関して母に一任していた。
授業参観にも来てくれたことがない。
一度だけ参観に顔を出してくれたことはあったようだが、私が気づく前に帰ってしまったようだ。
それが本当にそうだったのか、一度も参観に顔を出さない父親を持っている息子を不憫に思ってついた嘘だったのかは今となっては分からない。
そんな父親も定年退職を迎え今や隠居生活だ。
母親から電話がかかってくるたびに、
『お父さんが毎日することがなくて、家にいてる。うっとおしいよ。何か趣味があればいいんだけど、何の趣味もない人で、仕事しかしてこなかったからね。あんたも今のうちに趣味を作っておきなさいよ。』
こんなことを言われている。
電話の向こうで父親も聞いているはずなのに、定年したら立場が逆転するらしい。
一生懸命42年間働いてきて、老後の楽しみもなく家で毎日過ごしている。
自分もいずれはそうなるのかなと思ったりしたこともあったが、今の自分にはそういってくれる相手もいない。
結婚もしていなければ彼女もいない。
母親にバカにされている父親以下だ。
考えれば自分は大学を卒業して働き出した。
そこから21年の月日が経った。

(ちょうど父親の半分か。)

先週母親からかかってきた電話を切った後に思った言葉だ。
人生80年の時代になっている。
自分は人生の半分以上経過してしまっているのかもしれない。
今後の自分の人生はどうなるのだ。
父親も母親もあと何年かしたら死んでしまうかもしれない。
そうなれば身寄りは全くなくなってしまう。
同じアパートの老人たちと同じように、誰も訪ねてくることもなく何をするわけでもない退屈な人生が残されているだけかもしれない。
そう考えるとため息が出た。

(何か変えていかなくちゃ)

その時はそう思ったものの、何をしていいか全くわからなかった。
自分に何が足りないのか?
考え出すとキリがない。
何もかも自分には足りていない。

(趣味?一人でできる趣味ってなんだ?)
(読書?それならもうやっている。でもだから今の生活なんだ。ここから抜け出したいと思えば、今と違うことをしていかなくちゃ・・・)

そんなことを考えているといくらでも時間は経っていく。
今日高校の卒業アルバムを見たのも一つのきっかけかもしれない。

(明日から変わろう。)

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