亜人族の超絶美形と傷心旅行中の僕の恋愛模様【R18BL/濃厚エッチ/一章完結】

藤屯

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「ぐあっ」

 全力で走っていたせいで転がるように地面に倒れる。とっさについたてのひらりむいたみたいでジクジクと痛んだ。だが、すぐに立ち上がり、再び走り出す。

 ……こけた身体を起こす時間がとれるくらいには距離はあいているんだ。

 と、走りながら胸を撫で下ろしかけた時、背中にずしんと重みを感じ上体から滑り込むかたちで道に転がった。……いや、正確には転がされたのだ。

「……っ!」

 恐怖で声が出なかった。僕の背中にまたいで乗っている巨漢。ゴツゴツした手によって僕の両腕は後ろまとめられている。自由のく頭を背に向け背後を確認すれば、三つ目爺がゆっくり白髭しらひげを撫でながら、

「ジャンプは得意なんじゃ」
 
 と、三つ目を細めて微笑む。

 ……そうだった。三つ目爺の脚力は半端ないんだった……。

 脱力感とともに僕の中に諦めの気持ちが湧いてきた。周りには助けを呼ぶような人はいない。こんなモンスターには僕一人では到底太刀打ちできない。彼女に振られ、腹いせにそのまま旅行に来て、モンスターに会い――。走馬灯のように今までの事が思い出される。

 ……ああ、せめてフィンランドの美しい景色に思いをせながら喰われたい。

 背後の三つ目爺が僕の両手を掴んだまま立ち上がる。連動して僕も立たされる。そして白髭を撫でていた手が僕の肩をつかむ。くるんと身体を反転させられた僕は三つ目爺と向かい合う。
 ゴツゴツした手が肩から離れ今度は僕の目の前にかざされた。「ふんっ」と三つ目爺が力んだ瞬間、かざされた手指の爪がいきなり伸び鋭く光った。
 ナイフのような五本の爪。その爪で僕の首筋、鎖骨のくぼみの線を添うように触れてきた。どこから傷付けてやろうかと迷っているみたいだった。

「――!」

 その爪が胸に突き刺さった! でもパーカーを貫通しただけでかろうじて生の胸には刺さっていない。

 ……こんな焦らしはいらない。やるならひと思いにやれ。

 そう思っていると、パーカーを刺した爪がそのまま下りて服をビリビリと裂いていった。そこからあらわになる僕の貧弱な胸。冷えた外気に乳首が立つ。その乳首に爪が添えられる。

 ……ちょん切られる!

 そう思ったが、意外にも三つ目爺は僕の乳首を上下にぷつんぷつんと爪で弾くだけだった。

「……うっ」

 恐ろしさに声が漏れる。

「お前を喰う」

 そう言って、僕の右胸にキスをした。『……へ?』ぞわっとしつつも驚いていると、三つ目爺がどす黒いナマコのような太い舌で胸をべろんべろん舐めだした。

『喰う』って……『喰う』って……そっちの『喰う』!?
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