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彼の怠惰な夏休み
彼の怠惰な夏休み⑤
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「全く……朝なのに暑すぎる、早く春にならないかなぁ」
昨日、栞の家に本を借りに行ったはずなのに結局借りることなく帰ってしまったことを今朝思い出し、俺は今日も栞の家に向かって歩いていた。
……どうでもいいことだが、俺は夏と同じくらい冬が苦手なので暑くても早く冬になれ~なんてアホっぽいことは言わないように心掛けている。だから基本今みたいに早く春になれ~と言うようにしている。本当どうでもいいよね、ちなみに秋はいつの間にか始まって気が付けば冬になっているという可哀想な季節だと思うよ。……
そんなことを考えて歩いているとやっと栞の家に着いた。早く冷房の効いた部屋に入りたいので早速インターホンを押す……
「は~い!どちら様ですか~?」
すると、中から短パンにノースリーブという際どい格好をした栞が出てきた。
「よう!昨日本当借り忘れたから取り来た……あと、せめてシャツくらい着てくれ」
俺がそう言うと、ようやく自分の格好に気付いたのか栞は少し顔を赤くしている。
「……ちょっと、リビング上がって待っててください!すぐ着替えますから!」
栞は慌てたように二階に走って上がっていった。
「お、おう……」
……てっきり、ノーブラですよ~これで飛翔さんを悩殺です!なんて言ってくると思ったが栞の予想外の反応で、何だか俺まで恥ずかしいじゃねえか。てか、栞のやつもなに恥ずかしがってんだよ、普段はそんなんじゃないくせに……
俺はそんなことを考えていると、昨日の楓さんの言葉が脳裏に浮かんできた。
『 栞って普段は恥ずかしがり屋でおとなしい子なのよ? 』
いや、今日はたまたま恥ずかしくなっただけだろ……
俺は、何故か楓さんの言葉を認められなかった。
「しかし、広い家だよなぁ」
俺は、リビングに上がってすることもないので部屋を見回していた。
……あれ?そう言えば、ともちゃんがいない?……
俺が絶望に打ちひしがれていると、着替え終わった栞が入ってきた。
「お待たせしました~って、あれ?どうしてそんな余命1ヶ月って宣告された人みたいな顔してるんです?」
「ともちゃんはどうしたの……?」
「え?ともちゃんはお母さんと買い物行ってますよ~」
「そっかぁ、それは残念だ……」
「飛翔さんの落ち込みっぷりが尋常じゃない……もしかしてロリに目覚めた!?」
何だか栞がドン引きしてるがまあ、俺も普段コイツのことドン引きしてるし、おあいこだな……
「それじゃあ、本貸してくれよ」
「いいですけど、急に帰る気満々ですね?」
「ん?いや、今日は昼から昴と約束してるからともちゃんがいてもすぐ帰る予定だったよ……」
「嘘っぽい……そう言えば、昴さんとは何するんです?」
「なんか絵のモデルしてくれって頼まれてさ」
「じゃあ!家に呼びましょう!」
栞が少し考えたあとそんなことを言い出した。
「は?」
「わたしも絵のモデルしたいんで昴さんを呼びましょう~!」
……なんか面倒なことになりそうだなぁ……
俺は、栞が乗り気なので仕方なく昴を栞の家に呼ぶことにした。
昨日、栞の家に本を借りに行ったはずなのに結局借りることなく帰ってしまったことを今朝思い出し、俺は今日も栞の家に向かって歩いていた。
……どうでもいいことだが、俺は夏と同じくらい冬が苦手なので暑くても早く冬になれ~なんてアホっぽいことは言わないように心掛けている。だから基本今みたいに早く春になれ~と言うようにしている。本当どうでもいいよね、ちなみに秋はいつの間にか始まって気が付けば冬になっているという可哀想な季節だと思うよ。……
そんなことを考えて歩いているとやっと栞の家に着いた。早く冷房の効いた部屋に入りたいので早速インターホンを押す……
「は~い!どちら様ですか~?」
すると、中から短パンにノースリーブという際どい格好をした栞が出てきた。
「よう!昨日本当借り忘れたから取り来た……あと、せめてシャツくらい着てくれ」
俺がそう言うと、ようやく自分の格好に気付いたのか栞は少し顔を赤くしている。
「……ちょっと、リビング上がって待っててください!すぐ着替えますから!」
栞は慌てたように二階に走って上がっていった。
「お、おう……」
……てっきり、ノーブラですよ~これで飛翔さんを悩殺です!なんて言ってくると思ったが栞の予想外の反応で、何だか俺まで恥ずかしいじゃねえか。てか、栞のやつもなに恥ずかしがってんだよ、普段はそんなんじゃないくせに……
俺はそんなことを考えていると、昨日の楓さんの言葉が脳裏に浮かんできた。
『 栞って普段は恥ずかしがり屋でおとなしい子なのよ? 』
いや、今日はたまたま恥ずかしくなっただけだろ……
俺は、何故か楓さんの言葉を認められなかった。
「しかし、広い家だよなぁ」
俺は、リビングに上がってすることもないので部屋を見回していた。
……あれ?そう言えば、ともちゃんがいない?……
俺が絶望に打ちひしがれていると、着替え終わった栞が入ってきた。
「お待たせしました~って、あれ?どうしてそんな余命1ヶ月って宣告された人みたいな顔してるんです?」
「ともちゃんはどうしたの……?」
「え?ともちゃんはお母さんと買い物行ってますよ~」
「そっかぁ、それは残念だ……」
「飛翔さんの落ち込みっぷりが尋常じゃない……もしかしてロリに目覚めた!?」
何だか栞がドン引きしてるがまあ、俺も普段コイツのことドン引きしてるし、おあいこだな……
「それじゃあ、本貸してくれよ」
「いいですけど、急に帰る気満々ですね?」
「ん?いや、今日は昼から昴と約束してるからともちゃんがいてもすぐ帰る予定だったよ……」
「嘘っぽい……そう言えば、昴さんとは何するんです?」
「なんか絵のモデルしてくれって頼まれてさ」
「じゃあ!家に呼びましょう!」
栞が少し考えたあとそんなことを言い出した。
「は?」
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俺は、栞が乗り気なので仕方なく昴を栞の家に呼ぶことにした。
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