死霊使いと精霊姫

五月七日 外

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神父と天使?

神父と天使?⑤

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「できた!」

 ましろは、レインに修行をつけてもらってから三日目に、ようやく第一段階を終えることができていた。

「それで……次は、どうするんだ?」
「特になにかする訳ではないが、能力発動の条件を考えてみろ」
「発動条件?」
「因果系の能力は、基本的に残留思念 オーブさえあればどれだけでも使うことができる。お前の場合は、時間操作をしたい放題だ。……けど最悪の場合、世界の時間を間違って止めてしまう……なんてことになるかもしれない。まあ、発動条件はそうならないための保険みたいなものだ」

 もちろん、世界の時間を止めるなんてことできるほどの力は、人間には無いがな。と最後に一言付け加えたが、レインが言うには、発動条件をつけておいた方がいいらしい。

「レインの発動条件は、指を鳴らすことなのか?」
「ああ、そうだ。参考になるかは、分からんが俺の能力も教えておこう」

 レインは、そう言うとコートの中から十字架のような形をしたナイフを取り出した。

「ましろ。このナイフをあそこの壁に突き刺せ。と言われたらどうする?」
「えっと……ここから投げるか、壁の近くまで行って突き刺すかな」
「だが、俺の能力を使えばこうなる」

 レインは、そう言って指を鳴らす。すると、レインが持っていたナイフが手の上から消えて、壁に突き刺さった。

「な!?」
「俺の能力は、今みたいに何かしようと思ったら過程をすっ飛ばして現象を起こせるんだ」
「……ん?」

 レインがさらに説明してくれると、こういうことらしい……今のナイフを壁に突き刺すには、普通投げるなり壁に近づくなりしなければならないが、レインの能力を使うと、投げたり壁に近づいたりせずにナイフを壁に突き刺すことができるらしい。

「その能力、せこすぎないか?」
「そうでもないさ。過程をすっ飛ばした分の疲労はあるし、出来ないことには、能力も使えないしな……」
「へえ~、そんな能力だと頭こんがらがりそうだな」
「ああ、だから俺は、発動条件を作ったんだ。……そうすることで、能力のコントロールもしやすくなるしな」
「なるほど、それなら俺も考えないといけないな」

 こうして、レインとの修行は、第二段階に入った。

 

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