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神父と天使?
神父と天使?⑥
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「色々教えてくれてありがとう。お陰で少しは、まともに能力を使えるようになったよ」
「そうか、私が教えたのはあくまでも基本だからな。これからは自分で工夫をしていってくれ。……それと、死霊術の方はあまり使いすぎるなよ」
「わかってる。本当にありがとうな」
「構わんさ。まあ、お前も頑張れよ」
レインは、そう言って教会を出ていった。
ましろは、二週間ほどレインに修行をしてもらい『時間操作』の能力を手に入れていた。死霊術の方についても色々教えてもらったのだが、かなりリスクが大きいことが判明し、極力使わない方がいいということになった。
(さてと、あんまり待たせると怒るだろうから急がないと!)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「おそい」
待ち合わせをしていた役所の前でせつなは、不機嫌そうに立っていた。
「まて!集合時間には、間に合ってるだろ?」
ましろは、レインに貰った懐中時計を確認するが、時間は集合5分前を指している。
「わたしを待たせてるから関係ない」
「滅茶苦茶だなぁ……」
「そんなことよりましろは、ちゃんと能力を使えるようになったの?」
「もちろん!早くせつなに見せてやりたいよ」
「それは楽しみね。わたしもスゴいこと出来るようになったから、ましろに見せてあげる」
「本当か!?かなり気になる」
ましろたちは、そんなことを楽しく話ながら依頼を受けるために役所に入っていった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
そこには、十字架や墓石が建てられている墓場が、地平線の彼方まで広がっていた。
どこまでも同じ景色が広がるこの場所に、一本だけ大きな木が生えていた。
その木の根本に三人の人間がいた。いや、一人は翼を生やしているので天使かもしれない。
「それで、ましろはどうだった?」
三人のうち金髪の少女が神父のような男にそう聞いていた。金髪の少女は、少しだけ嬉しそうにしている。
「悪くはないが……まだ、使えるレベルには無いな」
「あはは……伝説の死霊使いさんと比べられると、ましろも可哀想だよ」
「レインも昔は、そうだったくせに~!」
天使のような少女は、レインの髪を弄りながらからかってくる。
「へぇ~昔のレインかあ……気になるなぁ」
「ティナ、お前まで俺をからかうなよ。そんなことより……リリア、精霊姫の方は大丈夫なのか?」
「う~ん、器が不安定なせいで実力を出しきれてないって感じかな。一応、わたしが処置しておいたから大丈夫だと思うよ。スペックは、歴代最高っぽいしね」
「リリアが言うなら大丈夫そうね。レインたちは、これからどうするの?」
ティナが首を傾げながらレインに聞く。
「まだ、訪れていない国があるからな。そこで祈りを捧げてくる」
「それは、あなたたちにとっても……」
「ティナ、それ以上は言わないでいてあげて」
すると、リリアが珍しく真面目な顔をしている。
「助かるリリア……これは俺なりの……いや、私なりのケジメだからな。途中で止めるわけにはいかない」
「そっかぁ……あまり気負わないようにね。じゃあ、バイバイ」
ティナが、そう言った瞬間、巨大な〈頭蓋骨〉がティナを丸ごとパクりと食べてしまい、フワリと何処かへ消えてしまった。
「いつみてもティナの能力って面白いね!」
「俺は、恐ろしいと思うがな」
「ふ~ん……それで、これからどうするの?祈りを捧げに行くだけじゃないでしょ?」
「ああ、俺の知っている歴史とは少し異なるから色々調べないとな。まずは、カガキリに向かう」
「この世界では、カザキリでしょ?」
「そう言えば、そうだったな……」
「気を付けないとダメだよ~!それじゃあ、カザキリに向かってレッツゴー!」
リリアがレインに飛びつくと、二人とも何処かへ消えてしまった。
二人が消えたあとには、墓場と大きな木だけが取り残された。
「そうか、私が教えたのはあくまでも基本だからな。これからは自分で工夫をしていってくれ。……それと、死霊術の方はあまり使いすぎるなよ」
「わかってる。本当にありがとうな」
「構わんさ。まあ、お前も頑張れよ」
レインは、そう言って教会を出ていった。
ましろは、二週間ほどレインに修行をしてもらい『時間操作』の能力を手に入れていた。死霊術の方についても色々教えてもらったのだが、かなりリスクが大きいことが判明し、極力使わない方がいいということになった。
(さてと、あんまり待たせると怒るだろうから急がないと!)
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「おそい」
待ち合わせをしていた役所の前でせつなは、不機嫌そうに立っていた。
「まて!集合時間には、間に合ってるだろ?」
ましろは、レインに貰った懐中時計を確認するが、時間は集合5分前を指している。
「わたしを待たせてるから関係ない」
「滅茶苦茶だなぁ……」
「そんなことよりましろは、ちゃんと能力を使えるようになったの?」
「もちろん!早くせつなに見せてやりたいよ」
「それは楽しみね。わたしもスゴいこと出来るようになったから、ましろに見せてあげる」
「本当か!?かなり気になる」
ましろたちは、そんなことを楽しく話ながら依頼を受けるために役所に入っていった。
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そこには、十字架や墓石が建てられている墓場が、地平線の彼方まで広がっていた。
どこまでも同じ景色が広がるこの場所に、一本だけ大きな木が生えていた。
その木の根本に三人の人間がいた。いや、一人は翼を生やしているので天使かもしれない。
「それで、ましろはどうだった?」
三人のうち金髪の少女が神父のような男にそう聞いていた。金髪の少女は、少しだけ嬉しそうにしている。
「悪くはないが……まだ、使えるレベルには無いな」
「あはは……伝説の死霊使いさんと比べられると、ましろも可哀想だよ」
「レインも昔は、そうだったくせに~!」
天使のような少女は、レインの髪を弄りながらからかってくる。
「へぇ~昔のレインかあ……気になるなぁ」
「ティナ、お前まで俺をからかうなよ。そんなことより……リリア、精霊姫の方は大丈夫なのか?」
「う~ん、器が不安定なせいで実力を出しきれてないって感じかな。一応、わたしが処置しておいたから大丈夫だと思うよ。スペックは、歴代最高っぽいしね」
「リリアが言うなら大丈夫そうね。レインたちは、これからどうするの?」
ティナが首を傾げながらレインに聞く。
「まだ、訪れていない国があるからな。そこで祈りを捧げてくる」
「それは、あなたたちにとっても……」
「ティナ、それ以上は言わないでいてあげて」
すると、リリアが珍しく真面目な顔をしている。
「助かるリリア……これは俺なりの……いや、私なりのケジメだからな。途中で止めるわけにはいかない」
「そっかぁ……あまり気負わないようにね。じゃあ、バイバイ」
ティナが、そう言った瞬間、巨大な〈頭蓋骨〉がティナを丸ごとパクりと食べてしまい、フワリと何処かへ消えてしまった。
「いつみてもティナの能力って面白いね!」
「俺は、恐ろしいと思うがな」
「ふ~ん……それで、これからどうするの?祈りを捧げに行くだけじゃないでしょ?」
「ああ、俺の知っている歴史とは少し異なるから色々調べないとな。まずは、カガキリに向かう」
「この世界では、カザキリでしょ?」
「そう言えば、そうだったな……」
「気を付けないとダメだよ~!それじゃあ、カザキリに向かってレッツゴー!」
リリアがレインに飛びつくと、二人とも何処かへ消えてしまった。
二人が消えたあとには、墓場と大きな木だけが取り残された。
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