戯れ

江呂川蘭子

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2話 蛇神

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 私は、また蛇神様の供物に身を捧げる。
 蛇神が、何なのかは知らないし、ハッキリいって蛇神の正体などどうでもいいのだ。私が欲するのは蛇神様が私に与えてくれる性的倒錯だけだった。
 つまらない日常から抜け出せる事ができれば、どうでもいいのだった。
 それこそが、私が舞の家に頻繁に訪れる理由なのである。
 舞の、見かけは小学校の低学年ぐらいにしか見えないのだが自称十六歳だという。
 家の中には、教科書はおろか勉強道具と思われるものが何一つないのだが、自称天才少女で何処の大学にでも行けると言い張っているが、私の貸した文庫本を見て漢字が多くて読めないと、不機嫌になったこともある。
 業務スーパーで、買い物していてわかったことは、舞は漢字がほとんど読めないのだ。
 しかし、そんなことは大した事ではないし、舞は一般的なことがほとんどと言っていいぐらい何も分からないのだが、それを差し引いても余りある存在なのだ。
 彼女と友人になって数ヶ月経つ。私は、舞を見てきて思ったことは、おそらく舞は人間ではないのではなかろうかと言うことだ。
 まず、もともと静欲の少ない、ごく普通の女子高生であった私をドのつく淫乱に変えてしまった蛇神なのだが、あれは蛇でもなければ神でもない得体の知れないモノなのである。
 見た目といえば、シルエットだけを見れば蛇や鰻やミミズのように、ヌルヌルと細長いのだが、大きさもバラバラで二メートルを超えるものから十センチ程度のものまでとバラバラで、スライムのようにヌルヌルとしており透明ジェルが生き物のように動いているというのが私の印象である。
 私は、そんな得体の知れないものを己が身体の穴という穴から体内に侵入されて、悦楽に浸ってしまうのだ。
 もちろん、最初はそんな異物に身体を侵食されるようで、悲鳴をあげたのだが、そいつは私の身体に変態的な性癖を植え付けてしまったのだった。
 山中で蛇神に陵辱されたことで舞と出会ったのだった。

 それは、高校二年になった今年のゴールデンウィークだった。
 誰もすまなくなった、いまは亡き祖父の家にレコードプレイヤーを鳴らしに、ひとりで遊びにきていた。
 よくは知らないのだが、ジャズの名盤というものが多いと以前母が教えてくれた。
 私は、昨年祖父が亡くなってから、ちょくちょく誰も住まなくなった昭和の残像のような祖父の家を訪れる事が増えた。最初の頃は母と二人で片付けのため来ていたのだが、しばらくすると母は仕事が忙しいからと言って、私をひとりで行かせるようになった。おそらく男ができたのだろうと思われた。
 母は、実年齢よりも十歳程度は若く見られる美魔女と呼ばれる種類の女で、男たちが入れ替わり立ち替わり訪れるのであった。私は彼女の、そういう所が嫌というより理解ができなかった。
 私は、祖父のアナログレコードの中に、サイケデリックロックという種類のものが多いことを見つけ、意外にも自分が、こういう音楽が好きなのだと知る。
 その中でも、山羊のような声で狂ったように歌うサーティフロアエレベーターズというバンドが気に入り、その日もサーティフロアエレベーターズのファイヤーエンジンを聴いて、気分がよくなっていた。
 その日はお天気もよく暖かい清々しい陽気だった。普段は締め切っている庭に通うじるガラス戸を全開にしてレコードを聴く。
 少しおなかも減ってきたので、来る前にハンバーガーショップで買ったチーズバーガーとポテトを食べながら、烏龍茶を飲んでいた。私はレコードにあわせて鼻歌をうたっていた。
 何だか人の視線を感じるので周りを見回す。玄関いは椿が生垣に植えられており、その椿の隙間からこっちをジーッと見つめている視線を見つける。
「あ!すいません。レコードうるさかったですか?私、ここに住んでた爺ちゃんの孫なんです」私は、近所からの苦情かと思いヒヤリとする。
 生垣からの視線は、何も言わず私を見ていた。
「どうしたんですか?」私は、なにか気まずいので適当に言葉を発する。
 だが、この家の近所は一軒一軒が離れているので、そこまで苦情を入れられるような音量でもないしと、少し腹が立ってきたのだが、田舎ってこんなもんなのかな?とも思い、私は相手の出方を待つことにした。
 しばらくすると、生垣の向こうの相手は、生垣に頭を突っ込みニュッと顔を出した。
「キミ、いいもの持ってるね。そっちに行ってもいいい」と髪の長い女の子が喋った。
 私は、驚いて声が出なかった。でも、なぜかウンと頷いてしまった。
 その女の子はニョロニョロと生垣を潜って出てくると、私に駆け寄ってくるのだった。
 それは、身長百四十センチぐらいの、とても色白の綺麗な顔をした女の子だった。
「……いま、かけてる音楽のこと?」と私はドギマギしながら言った。
「違うよ、僕が言ってるのはキミの食べているモノのことだよ」と言いながら、いまにも涎を垂らしそうに私のチーズバーガーを見つめるのであった。
 私は、紙袋から残っていたチーズバーガーを彼女に差し出した。
「これあげるよ」と私はいう。
 その子は、よほどお腹が空いていたのか、チーズバーガーの紙包をはがすとあっという間に食べてしまった。
 私は、その食べ方よりも、少女の服装に驚いた。彼女は死装束をミニスカートのようにした着物を着て白い布を帯のように巻き、女ものの可愛らしい下駄を履いており、その黒髪は腰よりも長く、さながら可愛らしい妖怪のようであった。
「烏龍茶も飲む?」と私はきいた。彼女はチーズバーガーを咀嚼しながらうんうんと頷くので、ペットボトルの烏龍茶を渡す。
「あなたは、この近くに住んでるのかな」っと私は、彼女に聴いてみたら、うんと頷く。
「小学校何年生かな?」私は言った。
「僕は、そんなに小さくないよ。キミはいくつなんだい」と聞いてきた。
「私は山神姫、十六歳高校二年です」とお姉さんらしい笑顔をイメージして微笑みかけた。
「……僕は舞。十五歳で国立大学に通う天才さ」と大真面目に言ったので、私は信じたふりをした。
 私たちはしばらくのあいだ取り留めもない話をして笑い合った。私は、母を含めた今までの誰よりも舞と話すのが楽だと思った。ゴールデンウイークが終わったら、また学校かと思うと嫌になった。
「姫。どうしたんだい?悲しそうな顔をして」と舞が言った。何故だか私はオイオイと泣き出してしまった。
 舞は私をギュッと抱き締めてくれるのだった。
 私が落ち着くと、
「僕は姫にお礼をしなきゃ」と舞は言った。
「いいよ。ハンバーガーぐらい」と私は鼻水を啜りながら笑う。
「そういう訳にはいかないよ。なんてったってキミは山の神の姫なんだから、姫にだけ見せてあげるから家の中に入っていいかい」と舞が言うので、舞を家にあげて戸締りをした。
「じゃあ、とても珍しモノで姫を喜ばせてあげるからよく見ててね」と舞は畳の上に座ると大きく股を広げた。
 舞は下着を着けておらず股間のピンク色の綺麗なピンクのクレパスは、信じられないぐらい妖艶な色香を放っていた。心ならず私はゴクリと生唾を飲む。
 私は、もともと性的なことに関心などないし。ましてや同性である幼い女の子の性器に欲望を感じている自分が信じられなかった。
「姫!よく見ておいてよ」と言いながら舞は頬を真っ赤にして卑猥な喘ぎ声をあげる。
 舞の、晴目がパックリ開き、膣の中から蛇のように長い透明スライムが何匹も何匹も生み出されるようの這い出てくるのたった。
 そう、それこそが蛇神なのだ。
 そして、蛇神は私の身体の穴という穴に潜り込むと、それから数時間というあいだ連続絶頂を体験し、それからというもの私はマスターベーションを覚えた猿のようになり、学校にいても家にいてもオナニーがしたくてたまらなくなり、人の目を盗んでは自慰に没頭する日々が続き、学力もどんどん下がり、休みの日には蛇神様の悦楽地獄をお願いするために舞に性奴隷のように扱われる状況になってしまったのだ。

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