88 / 126
京谷小雨の日常&Fall in the moonlight ジャンル:コメディ&ホラー
9月9日(1) 小雨
しおりを挟む
「お~い姉貴! そろそろ起きないと遅刻するぞ!」
階下からドタドタと登ってくる足音と、推定震度2ぐらいの揺れ。マグニチュードにしたら……わかんね。いつか階段の板をぶち抜いてしまうんじゃないかと、毎朝ハラハラしてしまう。もっと静かにできないものか、まったく、朝っぱらから……。
その足音は私の部屋の前までやってきて、ノックもなしに扉を開けた。
「おい、姉貴ってば! っわわわわっ!」
と思いきや、すぐに慌てて扉を閉めた。
「姉貴、ちゃんと服着て寝ろっていつも言ってんだろ! 起こすほうの身にもなってみろよ!」
扉の向こうでなにか喚いている。ああ~うるさい……そもそも、姉弟だからといってノックもなしに人の部屋に入ってくる方が非常識だし、ここは私の部屋なんだからどんな格好で過ごそうが私の自由である。毎朝毎朝、学習能力のない奴だ。
「俺はちゃんと起こしたからな! 後で文句言うなよ!」
弟は情けない捨て台詞を残して、再びドタドタと階段を降りて行った。起きてるっつの。
そんなわけで、今日も目覚めは最悪だった。
布団の周りに散らばっている目覚まし時計は三つ。どれもしっかり止められている。無意識なのに器用すぎない? 私。
今年の夏はジュニーニョだかアヒージョだか(どっちも違う気がするけどまあいいか)いう現象のために、記録的な猛暑となった。九月も半ばに入ったとはいえ、今年の残暑はまだまだ厳しく、全裸にタオル一枚で寝ているはずなのに、起きるとしっとりと汗を掻いている。人間は通常コップ一杯分の寝汗をかいているというが、多分私は三杯分ぐらいはかいてると思う。やっぱりエアコンつけないとだめかな……。ちなみに私は、よっぽど涼しくならない限り、自分の部屋では基本的に全裸である。
ああ、まだ自己紹介をしてなかった。
私の名前は京谷小雨。ビッチじゃないけど清純でもない、バイトと時々勉学に励む、ごく普通の女子大生。寝起きの悪さと酒癖の悪さを除けば、これといった特徴もない、平凡な女だ。
夏季休暇が終わったばかりでまだ休みボケが抜けておらず、特に朝が辛い。暑さがピークを越えて、ようやく夜ぐっすり眠れるようになったというのに、すぐに学校が始まってしまうなんて、世の中は無情すぎる。しかし、これ以上ぼやぼやしてるとほんとに遅刻してしまうな……。
私は大急ぎで下着をつけ、適当なショーパンとTシャツを着て一階に降りた。
食卓には既に朝食が用意してあった。ごはん、納豆、味噌汁、酢の物……うちの献立はいつも何かワンパンチ足りない。肉はないのか肉は。
「あら小雨おはよう。今日はちゃんと起きてきたわね」
「だから言ったろ? ちゃんと起こしてきたって」
母と弟が言い合っている。
母の名前は康子。若い頃にはそれなりにスレンダーで美人だったのに、ここ数年で一気にトドみたいに中年太りしてしまった。私達にはこんなにヘルシーな食事ばかり食べさせているのに何故、とよく思うのだが、きっと日中一人でこそこそジャンクフードを食べているに違いないと私は睨んでいる。まあ、私も昔から小遣いのほとんどを食べ物に消費してきたクチだから、人の事を言えた義理ではないのだが。
さっき私を起こしに来た弟の名前は鮫太郎。現在高二の16歳だ。身長は180センチ以上あり、顔もまあまあイケメンでスポーツ万能、本来なら自慢の弟になるはずなのだが、残念なことに、こいつは致命的に頭が悪い。天は二物を与えずとはよく言ったものだが、こいつに関しては神様が匙加減を間違えたらしい。
で、食卓の片隅で黙々と新聞を呼んでいるのが、私の父、一郎だ。母が年々ぶくぶくと肥えていく一方で、父の方は年々痩せ細り、近頃は白髪も増えてきた。家でもほとんど言葉を発することがなく、サラリーマンのくせにあまり飲みに誘われることがない。それは、母から支給される小遣いの少なさにも関係があるかもしれないから、一概に父を責めるわけにもいかないのだが。それでも、私たちをここまで養ってくれた一家の大黒柱だから、家族からは一目置かれている……はずなんだけど、普段から存在感があまりにも希薄で、忘れられがちな人である。
「ほら、あんたも早く食べなさい」
そう言って母が持ってきたのは、塩鮭の切り身だった。
私達一家が父親の左遷によって東北の青葉市に引っ越してきたのは、私がまだ八歳の時だった。引っ越して間もない頃、こちらの食べ物の味の濃さに、ちょっとしたカルチャーショックを受けたのを思い出す。
「あれ、母さん、父さんの塩鮭がないよ」
鮫太郎が指摘すると母は、
「あらっ、忘れてたわ……ごめんごめん、今焼くからね」
と、慌てて魚焼きグリルに新しい塩鮭の切り身を載せた。いつもこんな調子である。今は鮫太郎が気付いたからよかったようなものの、父の場合は、もしかしたら誰にも気付かれないまま一食抜かされているようなこともあるかもしれない。この人ならきっと、それでも文句を言わないだろう。そのうち栄養失調で倒れてしまわないか心配である。
朝食を大急ぎでかきこみ、最低限の身だしなみを整えた私は、使い古したバッグをひっかけて家を飛び出した。なお、私の定義する『最低限の身だしなみ』に、メイクは含まれない。
「おっ、小雨。おはよう」
私が玄関を出ると、向かいの家からちょうど瞬が出てくるところだった。彼は向かいの瀬名さんちの同い年の男の子で、私達家族が都内からこちらに引っ越してきて以来、十年以上の付き合いになる。私にとって彼は……なんだろう、一言ではとても言い表せない事情があるのだが、そこのところはおいおいわかってもらえるだろう。
「おはよう、瞬。今日も暑いねぇ」
いかに東北といえども暑いものは暑い。九月に入るとさすがに猛暑日を記録することはなくなったが、それでも日によっては真夏日ぐらいにはなってしまう。瞬も、なんだかよくわからない柄のTシャツにハーフパンツというラフな出で立ちだった。
私達が通う大学のキャンパスは家から徒歩で通える距離にあり、それがこの大学を選んだ最大の理由であるとも言える。大学生といえば親許を離れて遊びたいという子も多いのだが、私も瞬もあまりそういうことには興味がなく、今でも実家から大学に徒歩で通っている。一人暮らしにも興味がないではないのだが、他県からこちらにやってきて一人暮らししている他の子たちを見ていると、バイトをしている子でも大体みんな金欠に喘いでおり、私には大変そうに思えてならない。きっと瞬もそう考えたのだろう。
昨日見たテレビの話をしながら、二人で大学まで歩いた。といっても、瞬はあまり普段テレビを見ないので、ほとんど私が一方的に喋っていた。私も女子の中ではかなり無口な方だと思うのだが、瞬は普段それ以上に無口なので、彼と一緒にいると必然的に多弁になってしまう。彼は常に聞き役だ。おそらく、話している内容のほとんどは聞き流されているだろうけど。
大学の門の前に着くと、反対側からとんでもない美人が歩いてくるのが見えた。なんとかベージュという色のウェーブがかかった髪を靡かせ、シャンプーハットみたいにつばの広い白い帽子、涼しげな薄い水色のワンピースが風に揺れている。道行く男共をメンコのようにくるりと振り返らせながら、その美人は真っ直ぐこちらへ歩いてきた。
「あら、おはよう、瞬、小雨」
彼女の名前は西野園真紀。容姿端麗才色兼備、その上、大金持ちのご令嬢。
彼女は私がまだ幼い頃、都内に住んでいた頃のご近所さんだったのだが、大学に入ってから偶然再会し、今では一応親友ということになっている。
真紀は私達の姿を見るなりこちらに駆け寄って来て、私と瞬の間に割り込み、彼と腕を組んだ。慧眼なる読者の皆様なら既にお気づきのことと思うが、瞬と真紀は恋人同士。今年のバレンタインデー以来だから、二人が付き合い始めてかれこれ半年余りになる。
真紀が来るともうすっかり二人の世界になってしまって、私には入り込む余地がなくなってしまう。真紀は私よりかわいいし、明るいし、私より話が面白いから。客観的に見ても、三人揃うと私と瞬は真紀の添え物みたいに映るだろう。しかし、真紀が所属しているのは経済学科、私達とは学部が違うため、構内に入るとすぐに別れて自分の講義室へ向かっていった。ちなみに私と瞬は同じ人間科学科である。
講義室に着くと、私達は前から三番目あたりの列の右端の席に並んで座った。端の多い人生を送ってきました。前後の位置は多少ずれることがあるが、座るのは大体右端か左端である。理由は単純に端のほうが落ち着くからで、それ以上に深い意味はない。
今日もまた退屈な一日が始まるのだなと思うと、朝から早々に気が重くなった。
階下からドタドタと登ってくる足音と、推定震度2ぐらいの揺れ。マグニチュードにしたら……わかんね。いつか階段の板をぶち抜いてしまうんじゃないかと、毎朝ハラハラしてしまう。もっと静かにできないものか、まったく、朝っぱらから……。
その足音は私の部屋の前までやってきて、ノックもなしに扉を開けた。
「おい、姉貴ってば! っわわわわっ!」
と思いきや、すぐに慌てて扉を閉めた。
「姉貴、ちゃんと服着て寝ろっていつも言ってんだろ! 起こすほうの身にもなってみろよ!」
扉の向こうでなにか喚いている。ああ~うるさい……そもそも、姉弟だからといってノックもなしに人の部屋に入ってくる方が非常識だし、ここは私の部屋なんだからどんな格好で過ごそうが私の自由である。毎朝毎朝、学習能力のない奴だ。
「俺はちゃんと起こしたからな! 後で文句言うなよ!」
弟は情けない捨て台詞を残して、再びドタドタと階段を降りて行った。起きてるっつの。
そんなわけで、今日も目覚めは最悪だった。
布団の周りに散らばっている目覚まし時計は三つ。どれもしっかり止められている。無意識なのに器用すぎない? 私。
今年の夏はジュニーニョだかアヒージョだか(どっちも違う気がするけどまあいいか)いう現象のために、記録的な猛暑となった。九月も半ばに入ったとはいえ、今年の残暑はまだまだ厳しく、全裸にタオル一枚で寝ているはずなのに、起きるとしっとりと汗を掻いている。人間は通常コップ一杯分の寝汗をかいているというが、多分私は三杯分ぐらいはかいてると思う。やっぱりエアコンつけないとだめかな……。ちなみに私は、よっぽど涼しくならない限り、自分の部屋では基本的に全裸である。
ああ、まだ自己紹介をしてなかった。
私の名前は京谷小雨。ビッチじゃないけど清純でもない、バイトと時々勉学に励む、ごく普通の女子大生。寝起きの悪さと酒癖の悪さを除けば、これといった特徴もない、平凡な女だ。
夏季休暇が終わったばかりでまだ休みボケが抜けておらず、特に朝が辛い。暑さがピークを越えて、ようやく夜ぐっすり眠れるようになったというのに、すぐに学校が始まってしまうなんて、世の中は無情すぎる。しかし、これ以上ぼやぼやしてるとほんとに遅刻してしまうな……。
私は大急ぎで下着をつけ、適当なショーパンとTシャツを着て一階に降りた。
食卓には既に朝食が用意してあった。ごはん、納豆、味噌汁、酢の物……うちの献立はいつも何かワンパンチ足りない。肉はないのか肉は。
「あら小雨おはよう。今日はちゃんと起きてきたわね」
「だから言ったろ? ちゃんと起こしてきたって」
母と弟が言い合っている。
母の名前は康子。若い頃にはそれなりにスレンダーで美人だったのに、ここ数年で一気にトドみたいに中年太りしてしまった。私達にはこんなにヘルシーな食事ばかり食べさせているのに何故、とよく思うのだが、きっと日中一人でこそこそジャンクフードを食べているに違いないと私は睨んでいる。まあ、私も昔から小遣いのほとんどを食べ物に消費してきたクチだから、人の事を言えた義理ではないのだが。
さっき私を起こしに来た弟の名前は鮫太郎。現在高二の16歳だ。身長は180センチ以上あり、顔もまあまあイケメンでスポーツ万能、本来なら自慢の弟になるはずなのだが、残念なことに、こいつは致命的に頭が悪い。天は二物を与えずとはよく言ったものだが、こいつに関しては神様が匙加減を間違えたらしい。
で、食卓の片隅で黙々と新聞を呼んでいるのが、私の父、一郎だ。母が年々ぶくぶくと肥えていく一方で、父の方は年々痩せ細り、近頃は白髪も増えてきた。家でもほとんど言葉を発することがなく、サラリーマンのくせにあまり飲みに誘われることがない。それは、母から支給される小遣いの少なさにも関係があるかもしれないから、一概に父を責めるわけにもいかないのだが。それでも、私たちをここまで養ってくれた一家の大黒柱だから、家族からは一目置かれている……はずなんだけど、普段から存在感があまりにも希薄で、忘れられがちな人である。
「ほら、あんたも早く食べなさい」
そう言って母が持ってきたのは、塩鮭の切り身だった。
私達一家が父親の左遷によって東北の青葉市に引っ越してきたのは、私がまだ八歳の時だった。引っ越して間もない頃、こちらの食べ物の味の濃さに、ちょっとしたカルチャーショックを受けたのを思い出す。
「あれ、母さん、父さんの塩鮭がないよ」
鮫太郎が指摘すると母は、
「あらっ、忘れてたわ……ごめんごめん、今焼くからね」
と、慌てて魚焼きグリルに新しい塩鮭の切り身を載せた。いつもこんな調子である。今は鮫太郎が気付いたからよかったようなものの、父の場合は、もしかしたら誰にも気付かれないまま一食抜かされているようなこともあるかもしれない。この人ならきっと、それでも文句を言わないだろう。そのうち栄養失調で倒れてしまわないか心配である。
朝食を大急ぎでかきこみ、最低限の身だしなみを整えた私は、使い古したバッグをひっかけて家を飛び出した。なお、私の定義する『最低限の身だしなみ』に、メイクは含まれない。
「おっ、小雨。おはよう」
私が玄関を出ると、向かいの家からちょうど瞬が出てくるところだった。彼は向かいの瀬名さんちの同い年の男の子で、私達家族が都内からこちらに引っ越してきて以来、十年以上の付き合いになる。私にとって彼は……なんだろう、一言ではとても言い表せない事情があるのだが、そこのところはおいおいわかってもらえるだろう。
「おはよう、瞬。今日も暑いねぇ」
いかに東北といえども暑いものは暑い。九月に入るとさすがに猛暑日を記録することはなくなったが、それでも日によっては真夏日ぐらいにはなってしまう。瞬も、なんだかよくわからない柄のTシャツにハーフパンツというラフな出で立ちだった。
私達が通う大学のキャンパスは家から徒歩で通える距離にあり、それがこの大学を選んだ最大の理由であるとも言える。大学生といえば親許を離れて遊びたいという子も多いのだが、私も瞬もあまりそういうことには興味がなく、今でも実家から大学に徒歩で通っている。一人暮らしにも興味がないではないのだが、他県からこちらにやってきて一人暮らししている他の子たちを見ていると、バイトをしている子でも大体みんな金欠に喘いでおり、私には大変そうに思えてならない。きっと瞬もそう考えたのだろう。
昨日見たテレビの話をしながら、二人で大学まで歩いた。といっても、瞬はあまり普段テレビを見ないので、ほとんど私が一方的に喋っていた。私も女子の中ではかなり無口な方だと思うのだが、瞬は普段それ以上に無口なので、彼と一緒にいると必然的に多弁になってしまう。彼は常に聞き役だ。おそらく、話している内容のほとんどは聞き流されているだろうけど。
大学の門の前に着くと、反対側からとんでもない美人が歩いてくるのが見えた。なんとかベージュという色のウェーブがかかった髪を靡かせ、シャンプーハットみたいにつばの広い白い帽子、涼しげな薄い水色のワンピースが風に揺れている。道行く男共をメンコのようにくるりと振り返らせながら、その美人は真っ直ぐこちらへ歩いてきた。
「あら、おはよう、瞬、小雨」
彼女の名前は西野園真紀。容姿端麗才色兼備、その上、大金持ちのご令嬢。
彼女は私がまだ幼い頃、都内に住んでいた頃のご近所さんだったのだが、大学に入ってから偶然再会し、今では一応親友ということになっている。
真紀は私達の姿を見るなりこちらに駆け寄って来て、私と瞬の間に割り込み、彼と腕を組んだ。慧眼なる読者の皆様なら既にお気づきのことと思うが、瞬と真紀は恋人同士。今年のバレンタインデー以来だから、二人が付き合い始めてかれこれ半年余りになる。
真紀が来るともうすっかり二人の世界になってしまって、私には入り込む余地がなくなってしまう。真紀は私よりかわいいし、明るいし、私より話が面白いから。客観的に見ても、三人揃うと私と瞬は真紀の添え物みたいに映るだろう。しかし、真紀が所属しているのは経済学科、私達とは学部が違うため、構内に入るとすぐに別れて自分の講義室へ向かっていった。ちなみに私と瞬は同じ人間科学科である。
講義室に着くと、私達は前から三番目あたりの列の右端の席に並んで座った。端の多い人生を送ってきました。前後の位置は多少ずれることがあるが、座るのは大体右端か左端である。理由は単純に端のほうが落ち着くからで、それ以上に深い意味はない。
今日もまた退屈な一日が始まるのだなと思うと、朝から早々に気が重くなった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる