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探偵兼推理作家の考察
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門谷「……つまり、この中で起こる殺人を食い止めなければ、私たちは外に出られない。そして、人が一人殺されるたびに新しい探偵が追加される。あたしが四人目の探偵ってことは、もう三人も殺されてるってことか」
西野園「はい、そういうことになります」
廊下を早足で歩きながら、私は門谷先生に現状を説明した。私と同じくヒールの高い靴を履いている門谷先生は走ることが難しく、またそのつもりもさらさらないようだ。自分のことを棚に上げて敢えて言わせてもらえば、彼女もあまり戦力としては計算できないだろう。
門谷「んで、あなたも殺される人間を追いかけて走り回ってたってわけ? そういう足を使う仕事は警察の役目じゃないの。なんでわざわざ探偵を集めてそんなことさせるのよ。頭を使う余地がどこにもないじゃない」
西野園「確かに、その点は私も疑問に思ってはいますけれど……」
門谷「で、他の二人は? どういうメンバーがいるの?」
西野園「ええと、男性二人です」
門谷「へぇ。いいオトコいる?」
西野園「いい男?」
門谷「今日の一本」
門谷先生はそう言うと、口元で手を卑猥に動かした。
西野園「なっ……」
エントランスで最初に姿を見たときから門谷先生にはあまりいい印象は持っていなかったが、この瞬間、私は初めて目の前にいる女性を心の底から軽蔑した。もう三人もの人間が命を落としている場所で、あまりにも不謹慎ではないか。
凍り付く私の表情に気付いたのか、門谷先生は苦笑を浮かべ、慌てて胸の前で両手を振る。
門谷「冗談よ、冗談。そこまでドン引きしなくてもいいじゃない」
西野園「……あの、冗談でも言っていいことと悪いことがあると思いますけど。しかもこんな状況で」
門谷「はいはい、すみません。わかったってば。だって、いい男でもいなきゃやってらんないじゃないの。いきなりこんなわけわかんないゲームに放り込まれてさぁ。あんただって男の一人や二人、いやその顔だから相当遊んでるんでしょ?」
西野園「一人です! 二人はいません!」
門谷「一人ってことは、彼氏はいるんだ?」
西野園「ええ、まあ……」
門谷「そりゃそうか。でもね、どんなに美人な彼女がいても、男なんてみんな遊びたい生き物なんだから、一途になってもバカを見るだけよ。あたしがあんたぐらいの年の頃は、そりゃあもう……」
西野園「放っといてください! そんなこと、貴女に関係ないでしょう!?」
こんなどうでもいいことを話してる場合じゃないのに。いや、素直に答える私も私だ。門谷先生と話しているとどうも調子が狂ってしまう。
門谷「そこまで怒ることないじゃないの。……で、あんたは今の状況を、どう考えてるわけ? そこまで偉そうな態度とるってことは、まさか何も考えずただただ走り回ってただけじゃないんでしょう?」
西野園「え、え~と……どう考えてるって、それはもちろん、許せないなと……」
門谷先生に急に意見を求められ、私は返答に窮してしまった。探偵と思われてここに連れてこられたけれど、推理を行うのは常にもう一人の私の方で、私は瞬や小雨と一緒に状況を整理していただけに過ぎない。
しかし、門谷先生の態度は容赦がなかった。私の返答に失望したのか、大きくため息をつくと、呆れたような表情で肩を竦める。
門谷「……はぁ。ま、そんなことだろうと思ったわ。探偵を称するのなら、いついかなる状況でも頭を使わなきゃダメよ。それが探偵に課せられた義務なんだから」
門谷先生の表情は、先程までとは一変していた。下ネタ混じりの冗談をこぼす男好きな女性の雰囲気はすっかり消え失せ、鋭い眼差しには、桃貫元警部とはまた別種の洞察力の高さが感じられる。私とそれほど変わらないぐらい華奢な体から発せられる気迫に、私は一瞬にして圧倒された。
門谷「あんたの話を聞いて、あたしが一番疑問に思ったのは、その『生贄』がどこからどうやってこの廃墟の中に放たれているのか、ということね。西野園さん、といったかしら、貴女、その点について考えてみたことは?」
西野園「どこから、どうやって……?」
門谷先生によって齎された新たな観点に、私はただただ鸚鵡返しすることしかできなかった。もっと落ち着いて考える時間があったら私も同じ疑問に辿り着いたかもしれないけれど、たった数分間でその疑問に気付いたことに、私は彼女の探偵としての実力を見せつけられたような気がした。
門谷「漫画みたいに瞬間移動できるわけじゃないんだから、殺される人間はその都度連れてこられているか、あるいはこの廃墟のどこかにまとめて監禁してあって、新しい探偵が到着するたびに小出しに解放されているか、可能性はこの二つしかない。ただ、後者の場合は、私たちがその生贄の監禁場所を見つけてしまえばゲームが成立しなくなるおそれがあるから考えにくい。ゲームマスターがこのゲームをどれぐらい続けるつもりなのかにもよるけどね。となると、生贄とされる人間も私たちと同様にその都度ここに連れてこられている、と考えるのが自然なんだけど……」
門谷先生は一度言葉を切り、辺りを見回す。
門谷「エントランスから出入りすれば、私たちに目撃される可能性が高くなるわけだから、どこか別の出入り口を使っているはず。一階はもう隈なく探索したの?」
西野園「はい、別棟まで全て。窓には全て鉄格子が嵌められていましたし、エントランス以外の出入り口は全てセメントで固められていました」
門谷「そっか……じゃあ、他の階の非常口を使っているのかしら。地下は考えにくいし……とりあえず、エントランス以外の出入り口を早く見つけ出して、生贄が放たれる瞬間にそこで待ち構えて確保できれば、あとは十五分守り切るだけになるから楽そうなんだけど……」
西野園「なるほど……たしかに、言われてみればその通りですね」
私は自分が逃げ出すことばかり考えて他の出入り口がないかと探していたけれど、門谷先生の思考はその一歩先を行っていた。生贄を守り抜き、このゲームに正々堂々と勝利してここを出ようとしている。エントランス以外にどこか生贄が補充される出入口があるはず、とは目から鱗が落ちるような鋭い考察だったし、彼女の作戦通りに事が運べば、勝利は目前のように思われた。
門谷「とりあえず一階から上まで壁に沿って歩き回ってみれば、どこかに出入り口が見つかるんじゃないかしら。こんなことなら、建物に入る前に外観をもっとよく観察しておくんだったわね」
西野園「そうですね。こうしちゃいられない。急いで非常口を探しましょう、門谷先生!」
門谷先生と話している間少し休憩も取れたし、殺人ゲームを終わらせる具体的な方策が見えてきたことで、何だか疲れが一気に吹き飛んだような気がした――が、
門谷「ええ? やだよ、そんな疲れそうなこと。あんた若いんだから、頑張って」
門谷先生は面倒くさそうに顔を顰め、しっしっと手を振る。それはまるで体にまとわりつく蠅を払うような、気怠い仕草だった。
西野園「やだよ、って、そんな……門谷先生!」
門谷「だ~か~ら、最初に言ったじゃないの、そういうのは探偵の仕事じゃないんだって。足を使うことはあんたらに任せる。あたしはこの辺で待ってるから、なんか見つけたらまた報告に来てよ」
そう言いながら門谷先生は、コートのポケットから煙草とライターを取り出し、煙草に火をつけて口に運んだ。
門谷「ふぅ~、今日の一本」
煙を吐きながら恍惚の表情を浮かべる門矢先生。いや、二本目ですよね?
前言撤回。こんな人が探偵だなんて。たしかに頭は切れる。でも、殺人を防ぎたいとか、犯人を捕まえたいという正義感は微塵も感じられない。殺人と聞いて目の色を変えた桃貫元警部や、そこまではいかずとも真面目に犯人を捕まえようという態度を見せていた樺川先生とは対照的だ。これから先やってくるであろう探偵たちも、皆こんな風なのだろうか? だとしたら――。
と、その時。再びどこからともなく大音量の音楽が流れる。門谷先生がこの廃墟に足を踏み入れてから、十五分どころか、まだ十分も経っていない。
『残念ながら四人目の犠牲者が出た。現在、五人目の探偵がこちらへ向かっている。諸君は建物内の探索を続けるもよし、エントランスで新たな探偵を出迎えるもよし、五人目の探偵がここに到着するまで、ひとまず自由に過ごしていてくれたまえ』
西野園「はい、そういうことになります」
廊下を早足で歩きながら、私は門谷先生に現状を説明した。私と同じくヒールの高い靴を履いている門谷先生は走ることが難しく、またそのつもりもさらさらないようだ。自分のことを棚に上げて敢えて言わせてもらえば、彼女もあまり戦力としては計算できないだろう。
門谷「んで、あなたも殺される人間を追いかけて走り回ってたってわけ? そういう足を使う仕事は警察の役目じゃないの。なんでわざわざ探偵を集めてそんなことさせるのよ。頭を使う余地がどこにもないじゃない」
西野園「確かに、その点は私も疑問に思ってはいますけれど……」
門谷「で、他の二人は? どういうメンバーがいるの?」
西野園「ええと、男性二人です」
門谷「へぇ。いいオトコいる?」
西野園「いい男?」
門谷「今日の一本」
門谷先生はそう言うと、口元で手を卑猥に動かした。
西野園「なっ……」
エントランスで最初に姿を見たときから門谷先生にはあまりいい印象は持っていなかったが、この瞬間、私は初めて目の前にいる女性を心の底から軽蔑した。もう三人もの人間が命を落としている場所で、あまりにも不謹慎ではないか。
凍り付く私の表情に気付いたのか、門谷先生は苦笑を浮かべ、慌てて胸の前で両手を振る。
門谷「冗談よ、冗談。そこまでドン引きしなくてもいいじゃない」
西野園「……あの、冗談でも言っていいことと悪いことがあると思いますけど。しかもこんな状況で」
門谷「はいはい、すみません。わかったってば。だって、いい男でもいなきゃやってらんないじゃないの。いきなりこんなわけわかんないゲームに放り込まれてさぁ。あんただって男の一人や二人、いやその顔だから相当遊んでるんでしょ?」
西野園「一人です! 二人はいません!」
門谷「一人ってことは、彼氏はいるんだ?」
西野園「ええ、まあ……」
門谷「そりゃそうか。でもね、どんなに美人な彼女がいても、男なんてみんな遊びたい生き物なんだから、一途になってもバカを見るだけよ。あたしがあんたぐらいの年の頃は、そりゃあもう……」
西野園「放っといてください! そんなこと、貴女に関係ないでしょう!?」
こんなどうでもいいことを話してる場合じゃないのに。いや、素直に答える私も私だ。門谷先生と話しているとどうも調子が狂ってしまう。
門谷「そこまで怒ることないじゃないの。……で、あんたは今の状況を、どう考えてるわけ? そこまで偉そうな態度とるってことは、まさか何も考えずただただ走り回ってただけじゃないんでしょう?」
西野園「え、え~と……どう考えてるって、それはもちろん、許せないなと……」
門谷先生に急に意見を求められ、私は返答に窮してしまった。探偵と思われてここに連れてこられたけれど、推理を行うのは常にもう一人の私の方で、私は瞬や小雨と一緒に状況を整理していただけに過ぎない。
しかし、門谷先生の態度は容赦がなかった。私の返答に失望したのか、大きくため息をつくと、呆れたような表情で肩を竦める。
門谷「……はぁ。ま、そんなことだろうと思ったわ。探偵を称するのなら、いついかなる状況でも頭を使わなきゃダメよ。それが探偵に課せられた義務なんだから」
門谷先生の表情は、先程までとは一変していた。下ネタ混じりの冗談をこぼす男好きな女性の雰囲気はすっかり消え失せ、鋭い眼差しには、桃貫元警部とはまた別種の洞察力の高さが感じられる。私とそれほど変わらないぐらい華奢な体から発せられる気迫に、私は一瞬にして圧倒された。
門谷「あんたの話を聞いて、あたしが一番疑問に思ったのは、その『生贄』がどこからどうやってこの廃墟の中に放たれているのか、ということね。西野園さん、といったかしら、貴女、その点について考えてみたことは?」
西野園「どこから、どうやって……?」
門谷先生によって齎された新たな観点に、私はただただ鸚鵡返しすることしかできなかった。もっと落ち着いて考える時間があったら私も同じ疑問に辿り着いたかもしれないけれど、たった数分間でその疑問に気付いたことに、私は彼女の探偵としての実力を見せつけられたような気がした。
門谷「漫画みたいに瞬間移動できるわけじゃないんだから、殺される人間はその都度連れてこられているか、あるいはこの廃墟のどこかにまとめて監禁してあって、新しい探偵が到着するたびに小出しに解放されているか、可能性はこの二つしかない。ただ、後者の場合は、私たちがその生贄の監禁場所を見つけてしまえばゲームが成立しなくなるおそれがあるから考えにくい。ゲームマスターがこのゲームをどれぐらい続けるつもりなのかにもよるけどね。となると、生贄とされる人間も私たちと同様にその都度ここに連れてこられている、と考えるのが自然なんだけど……」
門谷先生は一度言葉を切り、辺りを見回す。
門谷「エントランスから出入りすれば、私たちに目撃される可能性が高くなるわけだから、どこか別の出入り口を使っているはず。一階はもう隈なく探索したの?」
西野園「はい、別棟まで全て。窓には全て鉄格子が嵌められていましたし、エントランス以外の出入り口は全てセメントで固められていました」
門谷「そっか……じゃあ、他の階の非常口を使っているのかしら。地下は考えにくいし……とりあえず、エントランス以外の出入り口を早く見つけ出して、生贄が放たれる瞬間にそこで待ち構えて確保できれば、あとは十五分守り切るだけになるから楽そうなんだけど……」
西野園「なるほど……たしかに、言われてみればその通りですね」
私は自分が逃げ出すことばかり考えて他の出入り口がないかと探していたけれど、門谷先生の思考はその一歩先を行っていた。生贄を守り抜き、このゲームに正々堂々と勝利してここを出ようとしている。エントランス以外にどこか生贄が補充される出入口があるはず、とは目から鱗が落ちるような鋭い考察だったし、彼女の作戦通りに事が運べば、勝利は目前のように思われた。
門谷「とりあえず一階から上まで壁に沿って歩き回ってみれば、どこかに出入り口が見つかるんじゃないかしら。こんなことなら、建物に入る前に外観をもっとよく観察しておくんだったわね」
西野園「そうですね。こうしちゃいられない。急いで非常口を探しましょう、門谷先生!」
門谷先生と話している間少し休憩も取れたし、殺人ゲームを終わらせる具体的な方策が見えてきたことで、何だか疲れが一気に吹き飛んだような気がした――が、
門谷「ええ? やだよ、そんな疲れそうなこと。あんた若いんだから、頑張って」
門谷先生は面倒くさそうに顔を顰め、しっしっと手を振る。それはまるで体にまとわりつく蠅を払うような、気怠い仕草だった。
西野園「やだよ、って、そんな……門谷先生!」
門谷「だ~か~ら、最初に言ったじゃないの、そういうのは探偵の仕事じゃないんだって。足を使うことはあんたらに任せる。あたしはこの辺で待ってるから、なんか見つけたらまた報告に来てよ」
そう言いながら門谷先生は、コートのポケットから煙草とライターを取り出し、煙草に火をつけて口に運んだ。
門谷「ふぅ~、今日の一本」
煙を吐きながら恍惚の表情を浮かべる門矢先生。いや、二本目ですよね?
前言撤回。こんな人が探偵だなんて。たしかに頭は切れる。でも、殺人を防ぎたいとか、犯人を捕まえたいという正義感は微塵も感じられない。殺人と聞いて目の色を変えた桃貫元警部や、そこまではいかずとも真面目に犯人を捕まえようという態度を見せていた樺川先生とは対照的だ。これから先やってくるであろう探偵たちも、皆こんな風なのだろうか? だとしたら――。
と、その時。再びどこからともなく大音量の音楽が流れる。門谷先生がこの廃墟に足を踏み入れてから、十五分どころか、まだ十分も経っていない。
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