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ミミちゃん
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ミケちゃんには、やすらぎさんの自宅のチャコマロンちゃんの他にも、ミミちゃんという親戚の猫がいます。
チャコマロンちゃんが、ミケちゃんのおねえさんなら、ミミちゃんはミケちゃんのおじいさんに当たります。
ミミちゃんは、やすらぎさんのおかあさんの飼い猫なのです。
「ミミちゃん」っていう名前なのに、おじいさんなの?
「ミミちゃん」なら、おばあさんじゃないの?
疑問は、もっともです。
これには、訳があります。
実は、ミミちゃん、貰ってきた時、女の子だと勘違いされていたのです。
後から男の子だとわかっても、ミミちゃんはミミちゃんのまま。せっかく付けた名前ですものね。
ミミちゃんは、今年で17歳。ご長寿猫です。
可愛い名前になのに、やすらぎさんがミミちゃんを撫でられるまでに14年もかかってしまいました。
それだけ、おかあさん一筋なんでしょう。ミミちゃんは、おかあさんの騎士を自任しているのかもしれません。
やすらぎさんのおかあさんは、やすらぎさんが15歳の時に離婚して、働き詰めで苦労なさったそうです。
やすらぎさんは、そんなおかあさんを見て、おとうさんを恨んでいたこともありました。
でも、その5年後、やすらぎさんが二十歳の時に、おとうさんは亡くなってしまいます。
当時を振り返ったやすらぎさんの2020年6月のツイートです。
「残された我々家族はそれから大変なことの連続でしたので、働き詰めの母の華奢な姿を見ては父の事を随分と恨んだものでした。
出て行ってから5年、音信不通だった父の訃報をテレビのニュースで知りました。
船橋のデパートで火災があり、警備員をしていた父が消火活動中に焼死したというニュースでした」
「新聞記事の住所を頼りに翌日一人で父の家に行くと、奥の部屋で黒くなって眠る変わり果てた父の姿がありました。
茫然とする僕にご同僚の方が『お父さんは現場の同僚を救おうと『俺が行く』と消化器を持ってボイラー室に駆け下りて行ったんです。消化器を抱えた姿で倒れていました。本当に申し訳ない。でも、お父さんは勇敢でした』」
「その言葉を聞いて、それまで胸の中にあった父を許せないという感情がスッと消えていきました。身を挺して人の命を救おうとしたのですから……。
気がつけば、その時の父と自分がほぼ同じ歳になっていました。
今では、心の中で父を誇りに思っています」
人というのは生きていれば、自分ではどうしようもないことが起こります。もしかしたら、そんなことばかりかもしれません、人生というのは。
次の一歩が、安全だという保証なんて、どこにもないのです。次の一歩は、ぬかるみかもしれない。それどころか、次の一歩で、足元が崩れ落ちることだってあるんです。
おとうさんに以前何があったにせよ、最後はいかにも、やすらぎさんのおとうさんらしい勇敢なエピソードです。
やすらぎさんは「父がいないことで多少苦労はしましたが、その分かけがえのない経験が出来たのではないかと思っています」とも、ツイートしています。
6月のおとうさんの命日に、やすらぎさんは、おかあさんにおとうさんのことを話してみました。
やすらぎさんのツイート。
「14日の父の命日。さりげなく母に話すと不思議そうな顔でこちらを見ていました。
『おとうさんて、亡くなってたの? なんでいないのかなと思ってたの』
認知症の母の記憶から、いつの間にか父は抜けてしまっているようでした」
おかあさんの記憶から大変だった頃の記憶は抜け落ちて、今のやすらぎさんのように、おとうさんに対して穏やかな気持ちだけが残ることを願ってやみません。
やすらぎさんのツイート。
「母と暮らす17歳のミミちゃん。一日中ずっと一緒です。母の認知症の進行が比較的緩やかで穏やかな性格が保たれているのは、ミミちゃんの存在のお陰とつくづく感じています」
ミミちゃん、どうか、やすらぎさんの大切なおかあさんをお願いしますね。
チャコマロンちゃんが、ミケちゃんのおねえさんなら、ミミちゃんはミケちゃんのおじいさんに当たります。
ミミちゃんは、やすらぎさんのおかあさんの飼い猫なのです。
「ミミちゃん」っていう名前なのに、おじいさんなの?
「ミミちゃん」なら、おばあさんじゃないの?
疑問は、もっともです。
これには、訳があります。
実は、ミミちゃん、貰ってきた時、女の子だと勘違いされていたのです。
後から男の子だとわかっても、ミミちゃんはミミちゃんのまま。せっかく付けた名前ですものね。
ミミちゃんは、今年で17歳。ご長寿猫です。
可愛い名前になのに、やすらぎさんがミミちゃんを撫でられるまでに14年もかかってしまいました。
それだけ、おかあさん一筋なんでしょう。ミミちゃんは、おかあさんの騎士を自任しているのかもしれません。
やすらぎさんのおかあさんは、やすらぎさんが15歳の時に離婚して、働き詰めで苦労なさったそうです。
やすらぎさんは、そんなおかあさんを見て、おとうさんを恨んでいたこともありました。
でも、その5年後、やすらぎさんが二十歳の時に、おとうさんは亡くなってしまいます。
当時を振り返ったやすらぎさんの2020年6月のツイートです。
「残された我々家族はそれから大変なことの連続でしたので、働き詰めの母の華奢な姿を見ては父の事を随分と恨んだものでした。
出て行ってから5年、音信不通だった父の訃報をテレビのニュースで知りました。
船橋のデパートで火災があり、警備員をしていた父が消火活動中に焼死したというニュースでした」
「新聞記事の住所を頼りに翌日一人で父の家に行くと、奥の部屋で黒くなって眠る変わり果てた父の姿がありました。
茫然とする僕にご同僚の方が『お父さんは現場の同僚を救おうと『俺が行く』と消化器を持ってボイラー室に駆け下りて行ったんです。消化器を抱えた姿で倒れていました。本当に申し訳ない。でも、お父さんは勇敢でした』」
「その言葉を聞いて、それまで胸の中にあった父を許せないという感情がスッと消えていきました。身を挺して人の命を救おうとしたのですから……。
気がつけば、その時の父と自分がほぼ同じ歳になっていました。
今では、心の中で父を誇りに思っています」
人というのは生きていれば、自分ではどうしようもないことが起こります。もしかしたら、そんなことばかりかもしれません、人生というのは。
次の一歩が、安全だという保証なんて、どこにもないのです。次の一歩は、ぬかるみかもしれない。それどころか、次の一歩で、足元が崩れ落ちることだってあるんです。
おとうさんに以前何があったにせよ、最後はいかにも、やすらぎさんのおとうさんらしい勇敢なエピソードです。
やすらぎさんは「父がいないことで多少苦労はしましたが、その分かけがえのない経験が出来たのではないかと思っています」とも、ツイートしています。
6月のおとうさんの命日に、やすらぎさんは、おかあさんにおとうさんのことを話してみました。
やすらぎさんのツイート。
「14日の父の命日。さりげなく母に話すと不思議そうな顔でこちらを見ていました。
『おとうさんて、亡くなってたの? なんでいないのかなと思ってたの』
認知症の母の記憶から、いつの間にか父は抜けてしまっているようでした」
おかあさんの記憶から大変だった頃の記憶は抜け落ちて、今のやすらぎさんのように、おとうさんに対して穏やかな気持ちだけが残ることを願ってやみません。
やすらぎさんのツイート。
「母と暮らす17歳のミミちゃん。一日中ずっと一緒です。母の認知症の進行が比較的緩やかで穏やかな性格が保たれているのは、ミミちゃんの存在のお陰とつくづく感じています」
ミミちゃん、どうか、やすらぎさんの大切なおかあさんをお願いしますね。
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