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三本足同盟
アマビエ先輩 再び
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「ミケちゃん、こんにちは」
「あっ、アマビエ先輩! こんにちは」
「ミケちゃんは、いつも元気でニコニコですね」
「はい! 手洗い、うがい、睡眠、栄養でっす! ところで、先輩、今日は、なんのご用ですか? 今は不急不要の外出は、控えた方がいいんじゃないんですか」
「火急必要だから、ミケちゃんのところまで、出掛けて来たんですよ」
「それは、また」
「世の疫病は、まだまだ治りません。それで、ミケちゃんの名誉あるお名前をお借りしに来たわけです」
「先日のサインのことですか? はい、ちゃんとサインの練習しておきました! なんに書けばいいんですか? だけど、やっぱり、照れちゃうなぁ~。アマビエ先輩にサイン書くなんて」
「違いますよ」
「それじゃ、八咫烏名誉会長にですか? よけい、緊張しちゃう。為書き入れますか」
「私や名誉会長へのサインじゃないです。ミケちゃんが書くのは、絵日記です。また、絵日記を書いて、みなさんに見せてほしいのです」
「(せっかく、練習したのに…… がっかり)なんでまた?」
「ミケちゃん、自分の名前をローマ字で書いてごらんなさい」
「カタカナのサインじゃダメですか」
「そんなに書きたいんなら、書いてもいいですけど」
「はい! 『ミケ』っと。どうです、先輩、かわいいサインでしょ?」
「そ、そうですね。ローマ字でも、書いてくださいね」
「うーんと、M・i・k・e」
「そうですね。Mikeの綴りは、英語だと『マイク』と読みます」
「ふーん」
「Mikeは、Michael。マイケルですね。マイクは、マイケルの愛称です」
「ふーん」
「Michaelは、大天使ミカエルMichaelと同じ綴り。マイケルの名は大天使ミカエルに由来します」
「ふーん」
「もしもし? ミケちゃん、目を開いて寝ていませんか?」
「すやぁ~」
「ミケちゃん!!!」
「わぁ、びっくりした! いきなり、大きな声、出さないでください、先輩! せっかく、気持ちよく寝ていたのに」
「…… やっぱり、寝ていたんですね」
「アマビエ先輩の声って、眠くなるんです。さすが、先輩!」
「それは、褒めているんですか? けなしているんですか?」
「褒めているに決まっているじゃないですか。心の健康にも体の健康にも、睡眠は最重要です。で、先輩、あたしの名前と大天使様のお名前が、どうしたというんですか」
「あっ、ちゃんと、聞いていたんですね」
「当たり前です」
「それはですね。6世紀後半、ローマに流行していた疫病が、大天使ミカエルの出現で終焉したというのです」
「まあ」
「だから、我が三本足同盟のマスコットMikeちゃんにも、不安の中にいるみなさんの前に絵日記で現れて、伝えしてほしいのです」
「なにを、お伝えすればいいんですか」
「自分が罹らないようにするのはもとより、自分がウィルスを運ぶ生物兵器にならないようにしてくださいと。だから、どこかに遊びに行きたかったり、不安で違う場所に逃げたくても、今はじっとして、不要不急な外出はしないでくださいと」
「あたしも、お散歩行ってませんよ。みんなのところに行って、いっしょに遊びたいけれど、それで、だれかが病気になるなんていやだもの。そんなの楽しくありません」
「そうです。表面的には元気に見えても、症状が出ないだけで陽性の場合もありますからね。みんなで集まって楽しく遊ぶと免疫力がアップしてウィルスもどこかに吹っ飛ぶという人もいますが、その吹っ飛んだウィルスがあたりに蔓延して他の人たちが病気になったり、生物兵器になってしまいますからね」
「今日の行動が、未来に繋がっていくということですね、先輩」
「はい。そうです。ミケちゃんの合言葉『雲の向こうは、いつも青空』です。今は空一面に黒い雲が広がって先が見えなくても、その上には青い空が広がっているのです。みんなでその青空を見上げることができるよう、今は行動を慎んでほしいと伝えてください」
「はい! アマビエ先輩!」
あたしは、また絵日記を引っ張り出して、こうして書いています。
自分のことばかり考えて、みんなのことを考えずにいると、結局は回り回って自分に返ってくることになると、アマビエ先輩は言っていました。
これを読んでくださったみなさん、読まなかったみなさん、どうか身を慎みご自愛なさって、恙無く。
「あっ、アマビエ先輩! こんにちは」
「ミケちゃんは、いつも元気でニコニコですね」
「はい! 手洗い、うがい、睡眠、栄養でっす! ところで、先輩、今日は、なんのご用ですか? 今は不急不要の外出は、控えた方がいいんじゃないんですか」
「火急必要だから、ミケちゃんのところまで、出掛けて来たんですよ」
「それは、また」
「世の疫病は、まだまだ治りません。それで、ミケちゃんの名誉あるお名前をお借りしに来たわけです」
「先日のサインのことですか? はい、ちゃんとサインの練習しておきました! なんに書けばいいんですか? だけど、やっぱり、照れちゃうなぁ~。アマビエ先輩にサイン書くなんて」
「違いますよ」
「それじゃ、八咫烏名誉会長にですか? よけい、緊張しちゃう。為書き入れますか」
「私や名誉会長へのサインじゃないです。ミケちゃんが書くのは、絵日記です。また、絵日記を書いて、みなさんに見せてほしいのです」
「(せっかく、練習したのに…… がっかり)なんでまた?」
「ミケちゃん、自分の名前をローマ字で書いてごらんなさい」
「カタカナのサインじゃダメですか」
「そんなに書きたいんなら、書いてもいいですけど」
「はい! 『ミケ』っと。どうです、先輩、かわいいサインでしょ?」
「そ、そうですね。ローマ字でも、書いてくださいね」
「うーんと、M・i・k・e」
「そうですね。Mikeの綴りは、英語だと『マイク』と読みます」
「ふーん」
「Mikeは、Michael。マイケルですね。マイクは、マイケルの愛称です」
「ふーん」
「Michaelは、大天使ミカエルMichaelと同じ綴り。マイケルの名は大天使ミカエルに由来します」
「ふーん」
「もしもし? ミケちゃん、目を開いて寝ていませんか?」
「すやぁ~」
「ミケちゃん!!!」
「わぁ、びっくりした! いきなり、大きな声、出さないでください、先輩! せっかく、気持ちよく寝ていたのに」
「…… やっぱり、寝ていたんですね」
「アマビエ先輩の声って、眠くなるんです。さすが、先輩!」
「それは、褒めているんですか? けなしているんですか?」
「褒めているに決まっているじゃないですか。心の健康にも体の健康にも、睡眠は最重要です。で、先輩、あたしの名前と大天使様のお名前が、どうしたというんですか」
「あっ、ちゃんと、聞いていたんですね」
「当たり前です」
「それはですね。6世紀後半、ローマに流行していた疫病が、大天使ミカエルの出現で終焉したというのです」
「まあ」
「だから、我が三本足同盟のマスコットMikeちゃんにも、不安の中にいるみなさんの前に絵日記で現れて、伝えしてほしいのです」
「なにを、お伝えすればいいんですか」
「自分が罹らないようにするのはもとより、自分がウィルスを運ぶ生物兵器にならないようにしてくださいと。だから、どこかに遊びに行きたかったり、不安で違う場所に逃げたくても、今はじっとして、不要不急な外出はしないでくださいと」
「あたしも、お散歩行ってませんよ。みんなのところに行って、いっしょに遊びたいけれど、それで、だれかが病気になるなんていやだもの。そんなの楽しくありません」
「そうです。表面的には元気に見えても、症状が出ないだけで陽性の場合もありますからね。みんなで集まって楽しく遊ぶと免疫力がアップしてウィルスもどこかに吹っ飛ぶという人もいますが、その吹っ飛んだウィルスがあたりに蔓延して他の人たちが病気になったり、生物兵器になってしまいますからね」
「今日の行動が、未来に繋がっていくということですね、先輩」
「はい。そうです。ミケちゃんの合言葉『雲の向こうは、いつも青空』です。今は空一面に黒い雲が広がって先が見えなくても、その上には青い空が広がっているのです。みんなでその青空を見上げることができるよう、今は行動を慎んでほしいと伝えてください」
「はい! アマビエ先輩!」
あたしは、また絵日記を引っ張り出して、こうして書いています。
自分のことばかり考えて、みんなのことを考えずにいると、結局は回り回って自分に返ってくることになると、アマビエ先輩は言っていました。
これを読んでくださったみなさん、読まなかったみなさん、どうか身を慎みご自愛なさって、恙無く。
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