溺恋マリアージュ。

碧まりる

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番外編+SS(本編のネタバレ含みます)

     Christmas Day−7

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 重ねてたわわな乳房を揉みしだく。中指と薬指で突起を扱きながら。

「──ひ、あ。んン! 激しっ……」
「好きだろこういうの」
「ん。欲しいって身体全体に伝わってきて、好き」

 へそ側の浅いところ──啼きどころを執拗に擦っては、恋が果てる直前を見計らって最奥まで瞬時に貫く。これを何度繰り返したろう。ひどく痙攣したなかを構わず突き上げ、どれだけ啼かせたろう。

 恋のなかは幾度掻き混ぜようが、俺のをもってすると相当きつい。挿れているだけでもっていかれそうになることもしばしば。
 そういう時は、外の膨らみや浅いところで快感を女に与えることで己に休息をとり、絶頂点を調節する──男あるあるだ。
 俺の場合、恋の快感が途切れぬよう与えつつ調節をする。そして数回果てたあとのなかが最高にイイ。押し出されそうな締め付けの中、無理矢理こじ開けて突っ込むのだ。

 こうして玄関先で散々嵌め込んだあと、ここでドレスをひん剥き、繋がったまま主寝室へと抱き運ぶ。

「廉……ね。ちょっと休みた……」
「嘘つけ。おまえが俺を離さない。思いきりえろいことして欲しかったんだろ──俺の体力が尽きるまでつきあえよ」
「ぜつっりん!」
「今さらだ」

 可愛く膨らんだ頬に、わざと紳士然として微笑んで応える。
 キングサイズのベッドに押し倒した俺の女は、思わず息を呑むほど扇情的だった。

「廉も、きもち?」

 とろんとした瞳で不安げに問い掛けられて、飛んでいた意識が引き戻される。

「ああ最高」

 と即座に返したものの、今はどちらかというと視覚的興奮のほうがでかい。
 横たわっていても見るからに溢れんばかりのバスト、勃ちまくりの乳首、汗ばんだ肌にしどけない姿……

「あっん……」

 挙句に、俺を咥え込んでいるせいで時折零れる色っぽい吐息──なにもかもが胸に刺さって仕方ない。

 ──ほんとう、とんでもねー嫁。

 滴る汗ごと前髪を掻き上げる。
 その後、何度となく貪り合ったろうか。ヤッてもヤッてもまだ足りない、達してもすぐ欲しくなる──まさに喰われ喰い尽くすに相応しい聖夜を刻んだ。
 どちらが何度達したか数え切れないほどに絡み合い、そして、出逢った瞬間の己の野生本能は間違っていなかったのだと改めて自覚した。

「──恋?」

 少し眠っていたらしい。朝陽が昇る前、ふと瞼を開くと隣におまえの姿はなかった。
 シャワーか、とベッドからおり冷蔵庫へ向かおうとすると、ほのかに優しい香りが鼻を掠める。恋はキッチンスペースに立っていた。

「ごめん。起こしちゃった?」
「いや? 夜食?」
「うん。すごく美味しかったけどフレンチってすぐお腹空いちゃうよね。廉は足りないと思って」

 コンロにはIH対応であろう土鍋が乗っており、鍋から立ち上る湯気がやけに食欲を誘う。

「卵雑炊? 美味そ」
「内緒で和食処の料理長にご飯といいお出汁届けてもらったの。絶対美味しいよこれ!」
「料理長まで手懐けてたのか。悪い嫁」

 手を動かしつつもクスクスと笑う嫁を背後からかっさり抱き締める。華奢な肩に顎を乗せると、自ずと目に飛び込んでくるものがあった。
 サイズの合っていないシャツはボタンもきちんと掛けられていない。大きく開いた襟元は、真上から覗くとなんとも悩ましい眺めである。

「あ、ごめんねこれ。着替えるの面倒で廉のシャツ借りちゃった」
「旨そ」
「え。あ、どこ見てるのっ」
「さっきがっつり見たろがっつり揉んだし」
「~~~言い方っ」

 セクレタリースタイルのパリッとした秘書も悪くない。ドレスアップした俺の女は当然綺麗だ。けれど素肌にシャツ一枚しか纏わない恋こそ目が眩むほどに美しく、簡単に言えばそそられる。

 ──俺シャツの威力。

「もう一人作るか、恋に似た女の子。いい女になるぞ」
「……知らなかった。廉て子供好きなの?」

 正直子供自体は好きではない。だが愛する女との間にできた子なら話は全く異なる……ことを最近知った。

「もう1回ヤッとくって口説いてんの」

 途端に料理をしていた手が止まる。首を捻った恋は静かに唇を寄せる。おまけに重ねるだけのキスをしたあと例の上目遣いだ、やってられない。結局口説かれるのは俺のほう。

「やっと……く」

 ──ああほらどうしようもなく可愛い。

 俺にはきっとどうしたって恋は女にしか見えない。おまえもそうあって欲しいと願う。ならば、その度に俺が恋を女にしてやればいいだけのこと。嫌というほど意識させてやればいい話。
 例えば毎年こんな聖夜に──恋人の君と何度でも、めぐり逢うために。

「「Merry X'mas。廉恋れん──」」



【SS④Christmas Day ~End~】
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