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第三話
僕の夢ってなんだろ
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「えーと、じゃあ、ヴェルダン条約締結は?」
「八百四十三年」
「正解。じゃあ、次ね。バヤジット? で合ってる?」
「うん」
「えーと、バヤジット一世が捕虜となり、オスマン帝国の勢力が大きく衰退した戦争は?」
「えーっと、アンカラの戦い、一四〇二年」
「せいかーい」
春日は白い歯を見せて笑い、年表の参考書に貼られていた付箋をそっと剥がして丸める。覚えられれていない年号があるページには付箋を貼り、覚えた箇所はそうやって付箋を取ってくれるのだ。その日は、早めに春日の授業が終わったので、僕の期末試験の年号チェックに付き合ってもらっていた。
「みっちゃん、すごいよ。もうほとんど覚えてんじゃん」
そう言う春日の顔を見ると、最近なんだか視線が定まらなくなって、顔が熱くなる。目を直接みると恥ずかしい。でも視線を外すのも不自然だ。
変だな、と思った。
(た、単純に、顔がいいからだよね……)
綺麗なものに心が躍ったり恥ずかしくなるのは誰でも同じだ。性別も関係なく、自然なことだろう。それは人間の本能なだけで、顔が良い芸能人を観てみたくなるのと同じ気持ちだ、と思うことにして頬の熱を冷ます。
「全然すごくないよ。医学部だと正答率九割くらい取れないと厳しい」
「えーやば!」
春日は鼻を伸ばして唇を突き出した。こんな変顔までイケメンとかちょっとずる過ぎる。せっかく褒めてくれるんだから、あまり斜に構え過ぎずもっと喜べばよかったな、と思う。
「医学部ってやっぱ難しいの?」
アイスコーヒーの氷をくるくる混ぜながら、春日が訊いてきた。
「うん」
「へ~。みっちゃんは、何科のお医者さんになりたいの? じびいんこーか?」
無邪気な質問に、答えが詰まった。思い切って口をあけた。
「……僕、医学部行きたくない」
気付いたら、口走っていた。
急に変なことを言ったからか、春日の顔は変顔のまま固まっている。
「あ、わ、忘れて。こんなつまんない話」
こんなこと、誰にも話したことなかった。たった今、勉強に付き合ってくれている春日に向かって言うのは失礼かもしれないし。
ずっと口にせずにいた心の底の底、奥の奥の本音を打ち明けることは、怖くてなんだかよるべない。一度言葉にして外に出してしまったら、どんな結果になっても言葉にする前には戻れないから。そのせいで相手を傷つけたり、馬鹿にされたりしたらと思うと苦しいし恥ずかしい。だから、言いたいことがいつも言えない。
「医者に興味ないの?」
優しい目で、春日が訊いてくる。
「興味ない。でも、医学部に入らないと母親に怒鳴られる」
「ふーん」
本当に興味なさげな声が、逆に心地が良くて嬉しかった。十八歳にもなって母親の言いなりになっている男なんてダサい、って思われそうで嫌だったから。
そして、中学受験のときの話をした。K中に落ちて、親戚のなかで僕だけ落ちこぼれになっていること。医学部に入って、母が望むように人生を巻きなおさないとならないこと。自分で言っていて、自分でも少し虚しくて恥ずかしくなった。
春日は驚きも誹りもせず、「そうなんだ」とだけ言って聞いてくれた。
「じゃあ、みっちゃんは何に興味あんの?」
「……」
いざ面と向かって訊かれると、言葉に詰まる。
悪気がない春日の無邪気な問いは、余計僕の気持ちをざわざわさせる。「好きなこと」とか「なりたい仕事」とか「わくわくする未来」が簡単に出てこない空虚な自分を認識させられるから。
医者ならいいだろう。今の成績を維持できればそこまで非現実的な進路ではないし、とりあえず医者になれれば、高収入になれて死ぬまで人生安泰そうだ。母親は喜び、親戚も鼻高々で安心するだろう。医者になりたくない、と言ったら母も父も怒るし悲しむ。
「……わかんない」
でも、思いつく理由は全部他人の思惑ばかりで、僕自身の気持ちは全く分からないのだ。
「んーまあよくわかんないけどさ」と前置きして、「だいじょーぶだよ」と春日が腕を伸ばして、テーブルの上を僕の上腕をぽんと優しく撫でた。
「何かを好きだって気持ちも、嫌だって気持ちも、ぜんぶすでにみっちゃんの心の中にあるものだからさ。まだ気づいてないだけ。気付くのも時間の問題だよ」
好きってわくわく胸が躍るだと思っていた。
いや違う。真逆だ。
好き、って、「怖い」なのかもしれない。好きが叶わないとき、好きを失うとき、自分の好きが誰かを傷つけるかもしれないとき、人間はきっとひどく怖くなるのかもしれない、と思った。逆に、自分が好きでなくても、皆が望むことをしていれば、傷つけるのは自分だけで済むから楽だ。ずっと僕はそうやって生きてきた気がする。
「それに、俺だってそんなもんだよ」
と言って、春日は椅子の背もたれに頭を預けた。
「俺だって、やりたいことも好きなこともなんもなくて、すぐ飽きて止めちゃうんだよね。なんでもちょっと齧るとすぐ飽きてどうでもよくなっちゃう。勉強も嫌いだし、恋愛も習い事も部活も全部三か月以上続いたことないの。中学生の頃から、ほぼ毎日学校も遅刻してるんだ。俺だって全然ダメなんだよ。それを変えたいって思ってきたけど、何年も失敗してきた。ださいよね、俺」
「そんなことないよ」
と、僕は咄嗟に言っていた。
「なんで?」
「ダメじゃないよ、全然。だって春日は変わりたいと思って頑張っている最中なんだから」
言い切ると、春日は結んでいた唇を少しだけほころばせた。
「そうかな」
「それに、最近はちゃんと一限から出てるんでしょ?」
「うん」
「だから、ださくないよ」
かっこいいよ、すごく、と言いたいけど言ったら調子にのりそうだから口の中で飲み込んだ。人には人のダメなところがあって、僕のそれと春日のそれは形が違う。僕は早起きは特段 苦ではなくて、学校に遅刻したこともほとんどないから春日の「ダメなところ」はよく理解できない。真面目だけが売りだから、春日が学校をサボるのもよく分からない。
でも、春日は春日なりに頑張っているなら、それでいい。それに、一緒に勉強するようになってから春日はみるみる成長している。実際に答案用紙をみたわけではないけれど、期末テストの成績もあがったらしい。それは僕にとってとても誇らしいことだった。
「……ありがとう」
やわらかく笑っているその姿がほほえましかった。春日が笑顔にできたことが、たまらなく嬉しかった。
「じゃあさ、みっちゃんだってださくないしかっこいいじゃん」
「え?」
「みっちゃんも、今変わろうと頑張っているところでしょ? じゃあ、ださくなくてかっこいいじゃん」
確かにそうかもしれない。言われてみれば確かにそうだ。頑張っている春日がかっこいいなら、頑張っている僕もかっこいい。目から鱗とはこのことなのか、と思うほど一瞬呆気に取られて、僕は言葉を失った。けれど、
(頑張ってる……? 僕が?)
確かにガリ勉だから、と答えると、春日は「そういうことじゃなくて」と後頭部をかいた。
「みっちゃんだって、すごい優しくて、頑張り屋さんじゃん。俺なんかにこうやって付き合ってくれてるのがこの証拠だよ。みっちゃんのおかげで俺は成績もあがって、毎日楽しく勉強できるように変わったよ。むしろこっちがびっくりするくらいだよ。俺はみっちゃんがいるから頑張れたの。俺の世界が毎日変わってるの。そんな素敵な子がださくてかっこ悪いなんてことありえなくない?」
後頭部を掻いた手をおろすと、春日の耳は薄いピンクに染まっている。触れたら熱が弾けそうなくらいくっきりと。それを目にした瞬間、触れてもないのに、僕の耳まで春日の熱が移ったみたいに熱くなってきた。
「……よくわかんない」
咄嗟に口をついた。でも、嘘ではなく、本当によく分からなかったのだ。僕なんて、平凡で、平均で、むしろ平均より下なこともたくさんあって、誰かに羨まれることも賞賛されることもなかったから、実感が湧かない。それでも。
(頑張ってる、なんて初めて言われた……)
春日の言葉を反芻すると、顔をつたってまた僕の耳が熱くなった。今度は頬まで熱い。すぐに言葉は頭の中で消えてしまうから、忘れたくなくて、すぐに頭の中でももう一度再生する。こんなこと初めて言われた。
(い、言われ慣れてないだけだから)
と自分に言い聞かせるけど、今度は頬だけじゃなくて心臓まで熱くなってくる。あきらかに「どきどき」してきて、口の中にまで響いてきて、何も言えなくなってしまった。
「わかんなくてもいいよ、今は」
無言の僕を見据えて、春日は言った。
「え?」
「俺は分かってるから、大丈夫」
心強い笑顔で言い切った刹那、「でさ~」と、真剣だった顔が一気にまた崩れていつものモードに戻った。
「八百四十三年」
「正解。じゃあ、次ね。バヤジット? で合ってる?」
「うん」
「えーと、バヤジット一世が捕虜となり、オスマン帝国の勢力が大きく衰退した戦争は?」
「えーっと、アンカラの戦い、一四〇二年」
「せいかーい」
春日は白い歯を見せて笑い、年表の参考書に貼られていた付箋をそっと剥がして丸める。覚えられれていない年号があるページには付箋を貼り、覚えた箇所はそうやって付箋を取ってくれるのだ。その日は、早めに春日の授業が終わったので、僕の期末試験の年号チェックに付き合ってもらっていた。
「みっちゃん、すごいよ。もうほとんど覚えてんじゃん」
そう言う春日の顔を見ると、最近なんだか視線が定まらなくなって、顔が熱くなる。目を直接みると恥ずかしい。でも視線を外すのも不自然だ。
変だな、と思った。
(た、単純に、顔がいいからだよね……)
綺麗なものに心が躍ったり恥ずかしくなるのは誰でも同じだ。性別も関係なく、自然なことだろう。それは人間の本能なだけで、顔が良い芸能人を観てみたくなるのと同じ気持ちだ、と思うことにして頬の熱を冷ます。
「全然すごくないよ。医学部だと正答率九割くらい取れないと厳しい」
「えーやば!」
春日は鼻を伸ばして唇を突き出した。こんな変顔までイケメンとかちょっとずる過ぎる。せっかく褒めてくれるんだから、あまり斜に構え過ぎずもっと喜べばよかったな、と思う。
「医学部ってやっぱ難しいの?」
アイスコーヒーの氷をくるくる混ぜながら、春日が訊いてきた。
「うん」
「へ~。みっちゃんは、何科のお医者さんになりたいの? じびいんこーか?」
無邪気な質問に、答えが詰まった。思い切って口をあけた。
「……僕、医学部行きたくない」
気付いたら、口走っていた。
急に変なことを言ったからか、春日の顔は変顔のまま固まっている。
「あ、わ、忘れて。こんなつまんない話」
こんなこと、誰にも話したことなかった。たった今、勉強に付き合ってくれている春日に向かって言うのは失礼かもしれないし。
ずっと口にせずにいた心の底の底、奥の奥の本音を打ち明けることは、怖くてなんだかよるべない。一度言葉にして外に出してしまったら、どんな結果になっても言葉にする前には戻れないから。そのせいで相手を傷つけたり、馬鹿にされたりしたらと思うと苦しいし恥ずかしい。だから、言いたいことがいつも言えない。
「医者に興味ないの?」
優しい目で、春日が訊いてくる。
「興味ない。でも、医学部に入らないと母親に怒鳴られる」
「ふーん」
本当に興味なさげな声が、逆に心地が良くて嬉しかった。十八歳にもなって母親の言いなりになっている男なんてダサい、って思われそうで嫌だったから。
そして、中学受験のときの話をした。K中に落ちて、親戚のなかで僕だけ落ちこぼれになっていること。医学部に入って、母が望むように人生を巻きなおさないとならないこと。自分で言っていて、自分でも少し虚しくて恥ずかしくなった。
春日は驚きも誹りもせず、「そうなんだ」とだけ言って聞いてくれた。
「じゃあ、みっちゃんは何に興味あんの?」
「……」
いざ面と向かって訊かれると、言葉に詰まる。
悪気がない春日の無邪気な問いは、余計僕の気持ちをざわざわさせる。「好きなこと」とか「なりたい仕事」とか「わくわくする未来」が簡単に出てこない空虚な自分を認識させられるから。
医者ならいいだろう。今の成績を維持できればそこまで非現実的な進路ではないし、とりあえず医者になれれば、高収入になれて死ぬまで人生安泰そうだ。母親は喜び、親戚も鼻高々で安心するだろう。医者になりたくない、と言ったら母も父も怒るし悲しむ。
「……わかんない」
でも、思いつく理由は全部他人の思惑ばかりで、僕自身の気持ちは全く分からないのだ。
「んーまあよくわかんないけどさ」と前置きして、「だいじょーぶだよ」と春日が腕を伸ばして、テーブルの上を僕の上腕をぽんと優しく撫でた。
「何かを好きだって気持ちも、嫌だって気持ちも、ぜんぶすでにみっちゃんの心の中にあるものだからさ。まだ気づいてないだけ。気付くのも時間の問題だよ」
好きってわくわく胸が躍るだと思っていた。
いや違う。真逆だ。
好き、って、「怖い」なのかもしれない。好きが叶わないとき、好きを失うとき、自分の好きが誰かを傷つけるかもしれないとき、人間はきっとひどく怖くなるのかもしれない、と思った。逆に、自分が好きでなくても、皆が望むことをしていれば、傷つけるのは自分だけで済むから楽だ。ずっと僕はそうやって生きてきた気がする。
「それに、俺だってそんなもんだよ」
と言って、春日は椅子の背もたれに頭を預けた。
「俺だって、やりたいことも好きなこともなんもなくて、すぐ飽きて止めちゃうんだよね。なんでもちょっと齧るとすぐ飽きてどうでもよくなっちゃう。勉強も嫌いだし、恋愛も習い事も部活も全部三か月以上続いたことないの。中学生の頃から、ほぼ毎日学校も遅刻してるんだ。俺だって全然ダメなんだよ。それを変えたいって思ってきたけど、何年も失敗してきた。ださいよね、俺」
「そんなことないよ」
と、僕は咄嗟に言っていた。
「なんで?」
「ダメじゃないよ、全然。だって春日は変わりたいと思って頑張っている最中なんだから」
言い切ると、春日は結んでいた唇を少しだけほころばせた。
「そうかな」
「それに、最近はちゃんと一限から出てるんでしょ?」
「うん」
「だから、ださくないよ」
かっこいいよ、すごく、と言いたいけど言ったら調子にのりそうだから口の中で飲み込んだ。人には人のダメなところがあって、僕のそれと春日のそれは形が違う。僕は早起きは特段 苦ではなくて、学校に遅刻したこともほとんどないから春日の「ダメなところ」はよく理解できない。真面目だけが売りだから、春日が学校をサボるのもよく分からない。
でも、春日は春日なりに頑張っているなら、それでいい。それに、一緒に勉強するようになってから春日はみるみる成長している。実際に答案用紙をみたわけではないけれど、期末テストの成績もあがったらしい。それは僕にとってとても誇らしいことだった。
「……ありがとう」
やわらかく笑っているその姿がほほえましかった。春日が笑顔にできたことが、たまらなく嬉しかった。
「じゃあさ、みっちゃんだってださくないしかっこいいじゃん」
「え?」
「みっちゃんも、今変わろうと頑張っているところでしょ? じゃあ、ださくなくてかっこいいじゃん」
確かにそうかもしれない。言われてみれば確かにそうだ。頑張っている春日がかっこいいなら、頑張っている僕もかっこいい。目から鱗とはこのことなのか、と思うほど一瞬呆気に取られて、僕は言葉を失った。けれど、
(頑張ってる……? 僕が?)
確かにガリ勉だから、と答えると、春日は「そういうことじゃなくて」と後頭部をかいた。
「みっちゃんだって、すごい優しくて、頑張り屋さんじゃん。俺なんかにこうやって付き合ってくれてるのがこの証拠だよ。みっちゃんのおかげで俺は成績もあがって、毎日楽しく勉強できるように変わったよ。むしろこっちがびっくりするくらいだよ。俺はみっちゃんがいるから頑張れたの。俺の世界が毎日変わってるの。そんな素敵な子がださくてかっこ悪いなんてことありえなくない?」
後頭部を掻いた手をおろすと、春日の耳は薄いピンクに染まっている。触れたら熱が弾けそうなくらいくっきりと。それを目にした瞬間、触れてもないのに、僕の耳まで春日の熱が移ったみたいに熱くなってきた。
「……よくわかんない」
咄嗟に口をついた。でも、嘘ではなく、本当によく分からなかったのだ。僕なんて、平凡で、平均で、むしろ平均より下なこともたくさんあって、誰かに羨まれることも賞賛されることもなかったから、実感が湧かない。それでも。
(頑張ってる、なんて初めて言われた……)
春日の言葉を反芻すると、顔をつたってまた僕の耳が熱くなった。今度は頬まで熱い。すぐに言葉は頭の中で消えてしまうから、忘れたくなくて、すぐに頭の中でももう一度再生する。こんなこと初めて言われた。
(い、言われ慣れてないだけだから)
と自分に言い聞かせるけど、今度は頬だけじゃなくて心臓まで熱くなってくる。あきらかに「どきどき」してきて、口の中にまで響いてきて、何も言えなくなってしまった。
「わかんなくてもいいよ、今は」
無言の僕を見据えて、春日は言った。
「え?」
「俺は分かってるから、大丈夫」
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