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第六章 悔恨 2
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美智は開き直ったように、きりっと尖った目をして両の眉を据え、名高の顔を睨んだ。だがそこで彼女の口から言葉が発せられることはなかった。
美智のその気迫ともいうべき佇まいが、亡き夫に対する彼女の無言の抗議とも取れる圧力となって名高に迫ってきた。
時おりわたってくる海風がマンションのリビングの窓を小刻みに震わせ、カタカタというかすかな音を立てている。その音に耳をそばだてるでもなく名高は一つ咳払いをすると、ゆっくりと言葉を継いだ。
「奥さん。僕はそんな風に考えたのです。いいえ、推理しただけではありません。木村瀬里奈と怜里の姉妹は、篠崎賢こと楢原さんから彼のそうした罪状に関する自白を引き出し、それをスマホの動画に撮って保存していたのです」
「楢原から自白を……?」
突然美智の表情が強張った。さっきとは違う、疑惑を含んだ眉間のしわが険しい。
「ええ。僕はその動画を木村瀬里奈から見せてもらいました。動画の中で楢原さんは確かに、『俺が木村沙彩をマンションの屋上から突き落とした』と自白していました」
その時篠崎こと楢原は酒に酔いSSRIを飲んでいた上に、瀬里奈から密かに自白薬のスコポラミンを飲まされていた。しかし名高はそのことをあえて伏せたまま事実だけを述べた。
二人はしばし無言で視線の火花を散らしていた。が、やがて
「ふふ……」
と、苦笑とも何とも分からない笑いを漏らすと、美智がつぶやいた。
「私にとってはもうどうでもいいことですわ。あの人は私を裏切って何人もの女と不倫をし、そして死んでいったのですから。その木村沙彩とかいう愛人の妹たちに殺されたとしても、あの人にとっては本望でしょうよ」
美智は妙に突き放したような言い方で言葉を吐き出すと、冷たい微笑みを口元に浮かべたまま名高から視線を逸らした。その様子をじっと冷ややかな目で見つめていた名高は、低いがよく通る声で美智の冷笑を断ち切った。
「ところが、楢原さんを殺したのは木村沙彩の妹たちではないのです」
美智は嘲笑を浮かべた表情のまま名高を見た。
「どういうことですの? では誰が楢原を殺したというのです」
その問いには直接答えることなく、名高は事件の真相に関するこれまでの自身の推理を淡々と述べ始めた。
「木村姉妹は姉の沙彩さんの仇を討つために結託し、それぞれ篠崎または楢原さんを酔わせた後、かつて自白薬としても使われていたスコポラミンを多量に摂取させました。姉の瀬里奈は篠崎賢のマンションで、また妹の怜里は楢原さんを誘って入ったラブホテルの部屋で、それぞれ自白を迫りました。その記録は、先ほども言いましたように彼女たちのスマホに収まっています。
彼女たちが警察に自首したのは、その動画を警察に提示して、改めて三年前の沙彩さんの転落事故を殺人として捜査し直させるのが目的でした。しかし僕は初め、彼女たちが楢原さんに自白させた後、思い余って楢原さんを殺害までしたと考えていたのです。
ですがそれは間違いでした」
名高がそこで間を置くと、聞こえるのは相変わらず海風がサッシの窓を小刻みに震わせる音だけになった。
美智の様子を窺うと、彼女はじっと黙ってうつむいていたが、小さなため息がその口から洩れて来るのに名高は気付いた。その心中は量りかねたが、名高はまた一つゴホンと咳払いをすると、意を決したように口調を厳粛なものに変えて話を進めた。
「奥さん。これまで述べてきたように、今回の事件では三年という年月を挟んで、二人の人物がいずれも同じ八王子のミライズマンションで殺害されています。一人は木村沙彩さん、そしてもう一人はその愛人であった楢原豪乃介さんです。
まず楢原さんですが、彼は篠崎賢としてミライズマンションの七階の自室で殺害されたと僕は考えています。ですが、彼の遺体が発見された時、部屋は窓も玄関ドアも内側から施錠された完全な密室でした。そのため警察は、楢原さんの死が事件ではなく事故死もしくは自殺によるものとみて、いったんは捜査を打ち切ったのです。
一方僕は、木村姉妹が第一発見者と犯人のすり替わりというトリックを使って警備員をはぐらかす、いわば心理的な密室を構成して楢原さんを殺害したものと考えていました。
しかし実際はそうではなかった。篠崎賢こと楢原さんが亡くなっていた部屋は、密室でも何でもなかったのです。僕はうかつでした。もう一つの可能性があったことを、僕はすっかり忘れていたのです」
美智は訝しそうな目を名高に向けた。
「でも今あなたがおっしゃったように、部屋の窓や玄関のドアはちゃんと内側から施錠されていたのでしょう? 丸花さんが言うには、ドア錠も合鍵を作りにくいタイプのものだったそうじゃないですか」
美智が唐突に口を挟んだ。その問いに名高は深くうなずいてから答えた。
「おっしゃる通りです。ですから、犯人の条件はそこで一つ狭められたことになります」
「犯人の条件?」
「はい。つまり犯人は、篠崎賢の部屋のドアに設けられた、合鍵を作りにくいタイプの錠をクリアできる人物に違いないこと」
「……」
「そして篠崎賢こと楢原豪乃介さんが、怪しまずに自室内に招じ入れられる人物……」
「さあ……? あの人は、愛人の女たちを除いてはあまり多くの交友関係を持たない人でしたから、そうご指摘を受けても私にはピンときません」
美智が少しがっかりしたような口調で呟いた。名高は構わず話を続ける。
「楢原さん殺害犯はそのあとで鶴牧張磨、本名藤谷幹夫という無職の男をも殺害しています。この男は木村姉妹に金で雇われたチンピラで、今回の事件では偽刑事役を務めていました。楢原さんに近づき、彼から三年前の木村沙彩さん転落死の真相を引き出そうとしつこく付きまとっていた男です。鶴牧を金で雇ってこうした役割を演じさせていたのは木村瀬里奈、怜里姉妹ですがね。
しかしこの男は自分の雇い主である木村姉妹には内緒で、楢原さんを殺害した真犯人を強請っていました。恐らく多額の金を要求していたものと思われます。ところが鶴牧は逆に犯人から返り討ちを食らって、高級ホテルの一室で殺害されてしまいました。
決定的だったのは、この時ホテルのロビーにあった防犯カメラに、僕の言うその真犯人の姿が映っていたのですよ。
初め僕はその人物が木村瀬里奈ではないかと疑っていたので、防犯カメラを何度も巻き戻して穴のあくほど見たのですが、瀬里奈の姿はそこにはありませんでした。
ところがそこには、木村瀬里奈の代わりにある別の人物が映っていたことを、僕は後で知ったのです」
美智は興味なさそうにうつむき、視線もそぞろだった。
「奥さん。お忘れではありませんか。こういったいくつかの条件に適った方がちゃんといらっしゃることを」
そこで突然美智が顔を上げ、二人の視線が再びぶつかった。そうしてしばし沈黙しながら見つめ合った後、名高は静かに言った。
「それは奥さん、あなたです」
美智は開き直ったように、きりっと尖った目をして両の眉を据え、名高の顔を睨んだ。だがそこで彼女の口から言葉が発せられることはなかった。
美智のその気迫ともいうべき佇まいが、亡き夫に対する彼女の無言の抗議とも取れる圧力となって名高に迫ってきた。
時おりわたってくる海風がマンションのリビングの窓を小刻みに震わせ、カタカタというかすかな音を立てている。その音に耳をそばだてるでもなく名高は一つ咳払いをすると、ゆっくりと言葉を継いだ。
「奥さん。僕はそんな風に考えたのです。いいえ、推理しただけではありません。木村瀬里奈と怜里の姉妹は、篠崎賢こと楢原さんから彼のそうした罪状に関する自白を引き出し、それをスマホの動画に撮って保存していたのです」
「楢原から自白を……?」
突然美智の表情が強張った。さっきとは違う、疑惑を含んだ眉間のしわが険しい。
「ええ。僕はその動画を木村瀬里奈から見せてもらいました。動画の中で楢原さんは確かに、『俺が木村沙彩をマンションの屋上から突き落とした』と自白していました」
その時篠崎こと楢原は酒に酔いSSRIを飲んでいた上に、瀬里奈から密かに自白薬のスコポラミンを飲まされていた。しかし名高はそのことをあえて伏せたまま事実だけを述べた。
二人はしばし無言で視線の火花を散らしていた。が、やがて
「ふふ……」
と、苦笑とも何とも分からない笑いを漏らすと、美智がつぶやいた。
「私にとってはもうどうでもいいことですわ。あの人は私を裏切って何人もの女と不倫をし、そして死んでいったのですから。その木村沙彩とかいう愛人の妹たちに殺されたとしても、あの人にとっては本望でしょうよ」
美智は妙に突き放したような言い方で言葉を吐き出すと、冷たい微笑みを口元に浮かべたまま名高から視線を逸らした。その様子をじっと冷ややかな目で見つめていた名高は、低いがよく通る声で美智の冷笑を断ち切った。
「ところが、楢原さんを殺したのは木村沙彩の妹たちではないのです」
美智は嘲笑を浮かべた表情のまま名高を見た。
「どういうことですの? では誰が楢原を殺したというのです」
その問いには直接答えることなく、名高は事件の真相に関するこれまでの自身の推理を淡々と述べ始めた。
「木村姉妹は姉の沙彩さんの仇を討つために結託し、それぞれ篠崎または楢原さんを酔わせた後、かつて自白薬としても使われていたスコポラミンを多量に摂取させました。姉の瀬里奈は篠崎賢のマンションで、また妹の怜里は楢原さんを誘って入ったラブホテルの部屋で、それぞれ自白を迫りました。その記録は、先ほども言いましたように彼女たちのスマホに収まっています。
彼女たちが警察に自首したのは、その動画を警察に提示して、改めて三年前の沙彩さんの転落事故を殺人として捜査し直させるのが目的でした。しかし僕は初め、彼女たちが楢原さんに自白させた後、思い余って楢原さんを殺害までしたと考えていたのです。
ですがそれは間違いでした」
名高がそこで間を置くと、聞こえるのは相変わらず海風がサッシの窓を小刻みに震わせる音だけになった。
美智の様子を窺うと、彼女はじっと黙ってうつむいていたが、小さなため息がその口から洩れて来るのに名高は気付いた。その心中は量りかねたが、名高はまた一つゴホンと咳払いをすると、意を決したように口調を厳粛なものに変えて話を進めた。
「奥さん。これまで述べてきたように、今回の事件では三年という年月を挟んで、二人の人物がいずれも同じ八王子のミライズマンションで殺害されています。一人は木村沙彩さん、そしてもう一人はその愛人であった楢原豪乃介さんです。
まず楢原さんですが、彼は篠崎賢としてミライズマンションの七階の自室で殺害されたと僕は考えています。ですが、彼の遺体が発見された時、部屋は窓も玄関ドアも内側から施錠された完全な密室でした。そのため警察は、楢原さんの死が事件ではなく事故死もしくは自殺によるものとみて、いったんは捜査を打ち切ったのです。
一方僕は、木村姉妹が第一発見者と犯人のすり替わりというトリックを使って警備員をはぐらかす、いわば心理的な密室を構成して楢原さんを殺害したものと考えていました。
しかし実際はそうではなかった。篠崎賢こと楢原さんが亡くなっていた部屋は、密室でも何でもなかったのです。僕はうかつでした。もう一つの可能性があったことを、僕はすっかり忘れていたのです」
美智は訝しそうな目を名高に向けた。
「でも今あなたがおっしゃったように、部屋の窓や玄関のドアはちゃんと内側から施錠されていたのでしょう? 丸花さんが言うには、ドア錠も合鍵を作りにくいタイプのものだったそうじゃないですか」
美智が唐突に口を挟んだ。その問いに名高は深くうなずいてから答えた。
「おっしゃる通りです。ですから、犯人の条件はそこで一つ狭められたことになります」
「犯人の条件?」
「はい。つまり犯人は、篠崎賢の部屋のドアに設けられた、合鍵を作りにくいタイプの錠をクリアできる人物に違いないこと」
「……」
「そして篠崎賢こと楢原豪乃介さんが、怪しまずに自室内に招じ入れられる人物……」
「さあ……? あの人は、愛人の女たちを除いてはあまり多くの交友関係を持たない人でしたから、そうご指摘を受けても私にはピンときません」
美智が少しがっかりしたような口調で呟いた。名高は構わず話を続ける。
「楢原さん殺害犯はそのあとで鶴牧張磨、本名藤谷幹夫という無職の男をも殺害しています。この男は木村姉妹に金で雇われたチンピラで、今回の事件では偽刑事役を務めていました。楢原さんに近づき、彼から三年前の木村沙彩さん転落死の真相を引き出そうとしつこく付きまとっていた男です。鶴牧を金で雇ってこうした役割を演じさせていたのは木村瀬里奈、怜里姉妹ですがね。
しかしこの男は自分の雇い主である木村姉妹には内緒で、楢原さんを殺害した真犯人を強請っていました。恐らく多額の金を要求していたものと思われます。ところが鶴牧は逆に犯人から返り討ちを食らって、高級ホテルの一室で殺害されてしまいました。
決定的だったのは、この時ホテルのロビーにあった防犯カメラに、僕の言うその真犯人の姿が映っていたのですよ。
初め僕はその人物が木村瀬里奈ではないかと疑っていたので、防犯カメラを何度も巻き戻して穴のあくほど見たのですが、瀬里奈の姿はそこにはありませんでした。
ところがそこには、木村瀬里奈の代わりにある別の人物が映っていたことを、僕は後で知ったのです」
美智は興味なさそうにうつむき、視線もそぞろだった。
「奥さん。お忘れではありませんか。こういったいくつかの条件に適った方がちゃんといらっしゃることを」
そこで突然美智が顔を上げ、二人の視線が再びぶつかった。そうしてしばし沈黙しながら見つめ合った後、名高は静かに言った。
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