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別れ
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優香さんは黙り込み何も答えなかった。しばらく誰も口を開かずにいたが、少ししてしびれを切らしたように雅さんが大きな声を上げた。
「ああ、もう!! ちょっと待ってて!!」
そう言って頭を強く掻きむしると、きょとんとしている私をよそに、突然雅さんはリビングの中央に正座して座り込んだ。竜崎さんと祐樹さんはそれを特に驚く様子もなく見ている。
雅さんは一旦深呼吸をすると、ポケットから数珠を取り出し、ゆっくり瞼を閉じて胸元で手を合わせた。それからは、息すらしているのか怪しいほどピクリとも動かなくなる。
「何ですかあれ? あの人何やってるんですか?」
幸太郎さんが祐樹さんに尋ねると、祐樹さんは鬱陶しそうに睨みつけ、幸太郎さんが萎縮する。
「お前は黙ってろ変態野郎が」
小さくなった幸太郎さんは無視し、私たちは黙って雅さんを注視する。
すると、彼女の長い髪の先っぽが少し揺れていることに気が付いた。風に吹かれている状態ではなく、まるで誰かが毛先で遊んでいるような動きなのだ。ごくりと唾を飲み込んで見ていると、今度は雅さんの周りに白い何かが集まり出し、私は目を見開いた。
例えるなら蛍が一番近いように思う。明るい部屋内だというのに、小さな明かりを灯したそれはなぜかしっかり私の視界に入ってくる。照明でも、太陽でもない不思議な光は五、六個あり、雅さんの周りをゆったりと優雅に飛んでいる。
「あれって……」
そう呟いたとき、そのうちの一つがするっと雅さんの胸元に消えていった。同時に他の光は逃げるように散らばり、すぐに消えてなくなってしまう。
雅さんがゆっくり瞼を開けた。
合わせていた手を下ろし、こちらを振り返る。その表情は懐かしむような、悲しい、それでいて嬉しそうな不思議な顔をしていて、私はすぐに別人だと感じた。
「優香」
リップが塗られた口から漏れた声は、雅さんのものであって雅さんのものではなかった。彼女の声に誰かが低い声を乗せているような、そんな不思議な声をしていたのだ。
「俺は怒ってないよ」
それを聞いた瞬間、優香さんがハッとした顔になる。まさかと言わんばかりに数歩後退し、首を横に振った。
「嘘でしょう、まさか」
「怒ってない。ただ、心配だっただけ。俺の人生で唯一の友達だった二人と、唯一好きになった女性が、悲しそうだったから」
悲し気に微笑む雅さん……いや、浅山さんを見て、優香さんは突然大きな声を上げて泣きじゃくった。
膝から崩れ落ちつつ、必死に浅山さんの元へずりずりと近づいて行く。
「ごめんね浅山くん……! あなたが亡くなっていたこと、知らなくて……! わた、私、あなたに呪いを受けているかもなんて嘘を言って……!」
「いいよ。怒ってない」
「あなたに好きになってもらえた私はもういないの……! ううん、元々私はあなたに相応しくなかった。浅山くんはあんなに素敵な人だったのに、私は……」
優香さんは嗚咽を漏らしながら泣き、浅山さんの元に近づいて頭を下げる。床に額がつきそうなほど、何度も下げた。
「浅山くん……ごめん、ごめんね……!」
「……覚えてるかな。高校生の頃、俺は施設育ちでお金もなくて、ちょっと浮いてた。バイトに明け暮れて遊ぶ時間もなくてさ。文化祭の準備に全然協力しないって他の奴らに責められて困ってたら、優香が『浅山くんは浅山くんのやるべきことを頑張ってるだけなんだ』って庇ってくれたでしょ。それから仲良くなって、卒業して……優香たちは結婚が決まって。二人が仲良くしてる姿を見るのは好きだったけど、どうしても気持ちを伝えたくて」
「嬉しかったの。浅山くんが言ってくれたこと凄く嬉しかった。本当は高校の頃あなたが好きだったの。でも大学生になると全然時間も話題も合わなくなって、近くにいた幸太郎を選んだ。あなたはあまりに凄い人だったから、隣にいる自信がなかった。親がいなくても卑屈にならず、勉強もできて仕事も頑張ってた……私には、似たような環境で育った幸太郎といる方が楽だと思って」
「それが普通だよ、優香。価値観や生きてきた環境は大事だ。俺は二人がくっつくだろうなって分かってたんだ。突然死んでしまった後、気がついたらここにいたのは、一目でも二人を見たかったんだと思う。幸せそうな二人を……こんな風に苦しんでいるなんて予想外で、何とかしたかった。でも俺は何もできなくて――」
浅山さんは私たちを優しい視線で見る。
「俺の声が届きそうな人たちが来たから、訴えかけてた。怖がらせちゃって申し訳なかったけど……俺はただ、何とか二人を止めたかった」
そう言った直後、すくっと浅山さんが立ちあがった。そして、ずっと呆然としていた幸太郎さんの元へ歩み寄る。
先ほどまでの優しい表情は一変、冷たい視線で幸太郎さんを睨みつける。
「幸太郎、俺は人生で唯一の親友だと思ってた。お前なら優香を幸せにしてくれるんだろうなって思ってたよ……俺はお前を許さない」
幸太郎さんはひいっと怯えた声を上げ、腰を抜かしたようにその場に崩れ落ちる。そんな彼を見下ろしながら、浅山さんは続ける。
「お前が死ぬまで呪ってやる。護符だのなんだのなんて意味がないくらい、強い思いで呪ってやる。覚悟してろ」
低く恐ろしい声を出した浅山さんに、幸太郎さんは情けない悲鳴を上げた。全身がくがくと震わせ、顔は真っ白になっている。そしてそのまま、逃げるように走って家から飛び出して行ってしまった。もちろん、誰も追わない。
幸太郎さんがいなくなりしんとしたところで、浅山さんが苦笑いする。
「……って、脅すくらいは許されますよね」
そう言った彼は、私たちの方を向いて切なそうに微笑んだ。
「俺を除霊してください。もう、ここにいる意味はないですから」
その悲しい、けれども優しい声色を聞いて、私の目から涙が溢れ出た。
どうしてこんなに人を思いやれる優しい人が、もう消えなくちゃいけないんだろう。もっとおじいちゃんになるまで生きて、いろんな楽しみを味わって、幸せになってほしかった。私は彼のことを何も知らないけれど、とても真っすぐで素晴らしい人だと十分に分かっている。
優香さんが強く首を横に振った。
「だめ、行かないで! お願い!」
「優香は幸せになってね。幸太郎なんか捨てて、もっと自分を大事にするんだ。どんな形でもいいから自分で幸せだったと思える人生を送って、いつか俺に報告してね」
「浅山くん……!」
悲しい空気の中、意を決したように祐樹さんが前に出た。そう言えば、竜崎さんが得意なのは消滅させることで、祐樹さんは浄化させることが得意だったのだと思い出す。
祐樹さんは少し眉を顰めたまま、ポケットから数珠を取り出した。
「……大丈夫、こんなに人間が出来た人なら、すぐ生まれ変わりますよ」
「生まれ変わりなんて、あるんですか?」
「すみません、本当にあるかどうかは知りません。でも、俺が神様ならこんな綺麗な魂、そのまま放置なんてしませんから」
祐樹さんの言葉に、浅山さんが少し笑った。
祐樹さんは数珠を持って手を合わせ、ゆっくり瞼を閉じる。それにつられるように浅山さんも目を閉じ、長い沈黙が流れた。
祐樹さんはそっと数珠を持つ手を伸ばし、浅山さんの頭を撫でるように触る。祐樹さんはぶつぶつと小さな声で何かを呟いているようだったので耳を澄ましてみるがすべては聞き取れない。だが、『魂』『安らかに』『幸福を』という単語だけ聞き取れた。
すると、浅山さんの体に異変が生じる。
体の周りがぼんやり光っているように見えた。まるで彼自身が光を放っている……そんな感じだ。そしてそれは儚く美しく、どこかもの寂しいように思えた。その光たちは静かに天へ向かって上昇していく。
「浅山くん……」
優香さんの涙声がする。それでも浅山さんは振り返らず、祐樹さんに身を任せるようにずっと目を閉じていた。光はどんどん上昇し、止まる様子はない。その美しさに、私はただひたすら涙した。
その光がふとした瞬間、消える。
同時に雅さんの体は力が抜けたようにガクッと倒れそうになったが、近くにいた竜崎さんがすかさず彼女の体を支え、優しく微笑んだ。雅さんはすぐに目を覚まし、いつも通りのきりっとした表情に戻ると、私たちに目配せする。終わったんだ、と思った。
その様子を見て、優香さんが泣き叫んだ。
まるで悲鳴みたいな泣き声だった。自分がしたことの後悔と、大事な友人を失った悲しみとで、彼女の心が引き裂かれないか心配になるほど。
私はそっと優香さんの隣にしゃがみこみ、涙声を出す。
「今、優香さんがすべきなのは、ちゃんと全てを終わらせて前を向くことです……浅山さんがこれだけまっすぐ愛してくれた自分を大事にすることです。彼が最後に言っていた言葉、絶対に忘れちゃダメですよ……」
床に突っ伏して泣き叫びながら、優香さんは何度も頷いた。私たちはその泣き声を聞きながら、静かに視線を伏せた。
「ああ、もう!! ちょっと待ってて!!」
そう言って頭を強く掻きむしると、きょとんとしている私をよそに、突然雅さんはリビングの中央に正座して座り込んだ。竜崎さんと祐樹さんはそれを特に驚く様子もなく見ている。
雅さんは一旦深呼吸をすると、ポケットから数珠を取り出し、ゆっくり瞼を閉じて胸元で手を合わせた。それからは、息すらしているのか怪しいほどピクリとも動かなくなる。
「何ですかあれ? あの人何やってるんですか?」
幸太郎さんが祐樹さんに尋ねると、祐樹さんは鬱陶しそうに睨みつけ、幸太郎さんが萎縮する。
「お前は黙ってろ変態野郎が」
小さくなった幸太郎さんは無視し、私たちは黙って雅さんを注視する。
すると、彼女の長い髪の先っぽが少し揺れていることに気が付いた。風に吹かれている状態ではなく、まるで誰かが毛先で遊んでいるような動きなのだ。ごくりと唾を飲み込んで見ていると、今度は雅さんの周りに白い何かが集まり出し、私は目を見開いた。
例えるなら蛍が一番近いように思う。明るい部屋内だというのに、小さな明かりを灯したそれはなぜかしっかり私の視界に入ってくる。照明でも、太陽でもない不思議な光は五、六個あり、雅さんの周りをゆったりと優雅に飛んでいる。
「あれって……」
そう呟いたとき、そのうちの一つがするっと雅さんの胸元に消えていった。同時に他の光は逃げるように散らばり、すぐに消えてなくなってしまう。
雅さんがゆっくり瞼を開けた。
合わせていた手を下ろし、こちらを振り返る。その表情は懐かしむような、悲しい、それでいて嬉しそうな不思議な顔をしていて、私はすぐに別人だと感じた。
「優香」
リップが塗られた口から漏れた声は、雅さんのものであって雅さんのものではなかった。彼女の声に誰かが低い声を乗せているような、そんな不思議な声をしていたのだ。
「俺は怒ってないよ」
それを聞いた瞬間、優香さんがハッとした顔になる。まさかと言わんばかりに数歩後退し、首を横に振った。
「嘘でしょう、まさか」
「怒ってない。ただ、心配だっただけ。俺の人生で唯一の友達だった二人と、唯一好きになった女性が、悲しそうだったから」
悲し気に微笑む雅さん……いや、浅山さんを見て、優香さんは突然大きな声を上げて泣きじゃくった。
膝から崩れ落ちつつ、必死に浅山さんの元へずりずりと近づいて行く。
「ごめんね浅山くん……! あなたが亡くなっていたこと、知らなくて……! わた、私、あなたに呪いを受けているかもなんて嘘を言って……!」
「いいよ。怒ってない」
「あなたに好きになってもらえた私はもういないの……! ううん、元々私はあなたに相応しくなかった。浅山くんはあんなに素敵な人だったのに、私は……」
優香さんは嗚咽を漏らしながら泣き、浅山さんの元に近づいて頭を下げる。床に額がつきそうなほど、何度も下げた。
「浅山くん……ごめん、ごめんね……!」
「……覚えてるかな。高校生の頃、俺は施設育ちでお金もなくて、ちょっと浮いてた。バイトに明け暮れて遊ぶ時間もなくてさ。文化祭の準備に全然協力しないって他の奴らに責められて困ってたら、優香が『浅山くんは浅山くんのやるべきことを頑張ってるだけなんだ』って庇ってくれたでしょ。それから仲良くなって、卒業して……優香たちは結婚が決まって。二人が仲良くしてる姿を見るのは好きだったけど、どうしても気持ちを伝えたくて」
「嬉しかったの。浅山くんが言ってくれたこと凄く嬉しかった。本当は高校の頃あなたが好きだったの。でも大学生になると全然時間も話題も合わなくなって、近くにいた幸太郎を選んだ。あなたはあまりに凄い人だったから、隣にいる自信がなかった。親がいなくても卑屈にならず、勉強もできて仕事も頑張ってた……私には、似たような環境で育った幸太郎といる方が楽だと思って」
「それが普通だよ、優香。価値観や生きてきた環境は大事だ。俺は二人がくっつくだろうなって分かってたんだ。突然死んでしまった後、気がついたらここにいたのは、一目でも二人を見たかったんだと思う。幸せそうな二人を……こんな風に苦しんでいるなんて予想外で、何とかしたかった。でも俺は何もできなくて――」
浅山さんは私たちを優しい視線で見る。
「俺の声が届きそうな人たちが来たから、訴えかけてた。怖がらせちゃって申し訳なかったけど……俺はただ、何とか二人を止めたかった」
そう言った直後、すくっと浅山さんが立ちあがった。そして、ずっと呆然としていた幸太郎さんの元へ歩み寄る。
先ほどまでの優しい表情は一変、冷たい視線で幸太郎さんを睨みつける。
「幸太郎、俺は人生で唯一の親友だと思ってた。お前なら優香を幸せにしてくれるんだろうなって思ってたよ……俺はお前を許さない」
幸太郎さんはひいっと怯えた声を上げ、腰を抜かしたようにその場に崩れ落ちる。そんな彼を見下ろしながら、浅山さんは続ける。
「お前が死ぬまで呪ってやる。護符だのなんだのなんて意味がないくらい、強い思いで呪ってやる。覚悟してろ」
低く恐ろしい声を出した浅山さんに、幸太郎さんは情けない悲鳴を上げた。全身がくがくと震わせ、顔は真っ白になっている。そしてそのまま、逃げるように走って家から飛び出して行ってしまった。もちろん、誰も追わない。
幸太郎さんがいなくなりしんとしたところで、浅山さんが苦笑いする。
「……って、脅すくらいは許されますよね」
そう言った彼は、私たちの方を向いて切なそうに微笑んだ。
「俺を除霊してください。もう、ここにいる意味はないですから」
その悲しい、けれども優しい声色を聞いて、私の目から涙が溢れ出た。
どうしてこんなに人を思いやれる優しい人が、もう消えなくちゃいけないんだろう。もっとおじいちゃんになるまで生きて、いろんな楽しみを味わって、幸せになってほしかった。私は彼のことを何も知らないけれど、とても真っすぐで素晴らしい人だと十分に分かっている。
優香さんが強く首を横に振った。
「だめ、行かないで! お願い!」
「優香は幸せになってね。幸太郎なんか捨てて、もっと自分を大事にするんだ。どんな形でもいいから自分で幸せだったと思える人生を送って、いつか俺に報告してね」
「浅山くん……!」
悲しい空気の中、意を決したように祐樹さんが前に出た。そう言えば、竜崎さんが得意なのは消滅させることで、祐樹さんは浄化させることが得意だったのだと思い出す。
祐樹さんは少し眉を顰めたまま、ポケットから数珠を取り出した。
「……大丈夫、こんなに人間が出来た人なら、すぐ生まれ変わりますよ」
「生まれ変わりなんて、あるんですか?」
「すみません、本当にあるかどうかは知りません。でも、俺が神様ならこんな綺麗な魂、そのまま放置なんてしませんから」
祐樹さんの言葉に、浅山さんが少し笑った。
祐樹さんは数珠を持って手を合わせ、ゆっくり瞼を閉じる。それにつられるように浅山さんも目を閉じ、長い沈黙が流れた。
祐樹さんはそっと数珠を持つ手を伸ばし、浅山さんの頭を撫でるように触る。祐樹さんはぶつぶつと小さな声で何かを呟いているようだったので耳を澄ましてみるがすべては聞き取れない。だが、『魂』『安らかに』『幸福を』という単語だけ聞き取れた。
すると、浅山さんの体に異変が生じる。
体の周りがぼんやり光っているように見えた。まるで彼自身が光を放っている……そんな感じだ。そしてそれは儚く美しく、どこかもの寂しいように思えた。その光たちは静かに天へ向かって上昇していく。
「浅山くん……」
優香さんの涙声がする。それでも浅山さんは振り返らず、祐樹さんに身を任せるようにずっと目を閉じていた。光はどんどん上昇し、止まる様子はない。その美しさに、私はただひたすら涙した。
その光がふとした瞬間、消える。
同時に雅さんの体は力が抜けたようにガクッと倒れそうになったが、近くにいた竜崎さんがすかさず彼女の体を支え、優しく微笑んだ。雅さんはすぐに目を覚まし、いつも通りのきりっとした表情に戻ると、私たちに目配せする。終わったんだ、と思った。
その様子を見て、優香さんが泣き叫んだ。
まるで悲鳴みたいな泣き声だった。自分がしたことの後悔と、大事な友人を失った悲しみとで、彼女の心が引き裂かれないか心配になるほど。
私はそっと優香さんの隣にしゃがみこみ、涙声を出す。
「今、優香さんがすべきなのは、ちゃんと全てを終わらせて前を向くことです……浅山さんがこれだけまっすぐ愛してくれた自分を大事にすることです。彼が最後に言っていた言葉、絶対に忘れちゃダメですよ……」
床に突っ伏して泣き叫びながら、優香さんは何度も頷いた。私たちはその泣き声を聞きながら、静かに視線を伏せた。
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