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nao@そのエラー完結

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12月15日(土)

第54話

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 正直な話、俺はセックスは淡白な方だと思う。基本的にエロ動画やAVを見ながら自慰をすることで満足できるタイプの人間で、過去に付き合っていた女性とのセックスもセオリー通りで満足だった。
 相手から求められれば、応えただろうが、大人のオモチャみたいなものは、AVの中のファンタジーのようなもので、興味はあっても現実で付き合っている相手と楽しもうという考えはなかったし、まさか自分に使われる日が来るなんて、夢にも思わなかったのだ。

 そもそも、男同士で性行為に及ぶこと自体が、かなりアブノーマルであるはずなのに、これ以上の新しい扉を開き続けてよいものなのか。これは本当に必要なことなのか。

 枕に顔を埋めながら、襲い来る羞恥心を紛らわすように、そうやって様々なことに意識を追いやり、現実逃避していたが、すぐに現実に引き戻される。固いものが尻に宛がわれ、ぎゅっと目を瞑った。

「……ぁ、……」

 ぬっぷりと押し入ってくる小さな丸い異物に、息を呑む。指よりは全然小さくて、少し安堵するが、異物の動きは止まることがなく、じわりじわりと、探るように押し入ってくる。

 アナルビーズは、肛門にある狭い括約筋を刺激して挿入時の快感を得やすく開発する効果がある。

 理論は理解している。

 きっと、今後、太いモノを挿入していく中で、入り口の快感を覚えていた方が、俺自身の負担は少ないのかもしれない。

「今、三つ目ですよ」
「……あ、あきと、これ、むり……」

 ゆっくりと捩じ込まれた玉が、奥で動きを止めた。押し込もうという意思は感じたが、身体の奥は固く拒否している。暁斗も俺の身体の拒絶は感じたようで、玉の動きが後退する。

「あぁ……ん」

 ぬっぷりと一つの玉が抜かれた瞬間に、ビリビリと痺れるような感覚が襲ってきて、腰がびくついた。無理やり排泄させれたような羞恥心もない交ぜで、カァと腹の奥が熱を発する。痺れる感覚が抜け切らないうちに、また玉が押し入ってくる。

「い、ぁッ」

 もう一度、抜かれて、先程の感覚が嘘ではなかったと思い知らされる。ビリビリと痺れて、身体が火照り、涙腺が緩んで、頭がぼぅとしてくる。

 三回繰り返されて、ビーズの動きが止まった。息も絶え絶えで、肩で息をする。

「ちょっと、力んでみてもらえませんか?」

 また、抜き差しされるのがこわくて、暁斗に言われるままに、腹に力を込める。その瞬間に、ぐっと先端が更に奥に押し入る。暁斗の指では到達しなかった奥に異物感と圧迫感が生まれて、身体が驚く。

「五個入りましたよ」
「も、むり……ん、」

 連なる玉は、少しずつ大きくなってきて、入り口の圧迫感も強くなってくる。

 こんなの、九個も絶対に無理だ。

 そう思っているのに、じわりじわりと連なった玉は身体の奥底まで進行してくる。これ以上は無理だと言うほどに、入り口が拡張されるのに、更に玉は大きくなる。

「……ぁ、や、あきと、」
「痛いですか?」

 痛いわけではないけれど、未知の圧迫感とおかしな快感に恐くなる。腹一杯に固い異物が押し込まれて、入り口から腹の奥まで熱を発して、蕩けてしまいそうで、枕に顔を埋めて、未知の感覚に、ただ震えながら耐える。と、無理やり枕を取り上げられて、快楽を逃がすために握りしめるものがなくなった。
 あまりの仕打ちに、顔だけ振り返って、暁斗を見上げた。暁斗は、息を呑んで、上気した顔で見つめてくる。

「すごく、気持ち良さそうですね」
「……見る、なよ、」

 慌てて両腕で顔を覆う。けれど、直ぐに腕を剥がされて、至近距離で、じっと熱い視線で見つめられる。

「もっと、感じてるとこ、見せてください」

 唇を重ねられて、口を開くと舌を絡められて、息ができない。腹を撫でられると、ごろっと腹の中で玉が動いて、苦しい。

 目から熱いものが溢れた。暁斗の唇が離れて、涙を舌で舐め取るように目の端を舌が這う。首筋がぞくぞくと痺れた。


 暁斗の手が再び、下の方に伸びて、ビーズをゆっくりと前進させてくる。ミチミチと身体に更に異物が埋め込まれて、腰が引ける。

「やめ、いやだ……あ、」
「今日はここまでですかね」

 入り口が痛みを伴うほどに広げられて、それでも、ゆっくりと大きな玉を飲み込んでいく。七個もの玉を腹の中に収めれば、苦しくて、熱くて。
 腕で顔を隠そうとすると、手首を捕まれた。

「顔、隠さないでくださいね」

 暁斗がにこっと笑うと、急に衝撃が走った。

「ああああぁぁッ……あ、あきとッ」

 ちゅぽん、ちゅぽんと卑猥な音を立ててながら、一気にビーズが引き抜かれていくとビリビリ身体中が痺れて、強烈な快感に背中が反り返る。我慢できずに悲鳴のような喘ぎを漏らして、自分の声なのか、判断できない。

 何個か体内に残したまま、動きは止まった。ぜぇぜぇと肩で息をして、吹き出した汗に、すっと血の気が引いていく。

「あ、ッ……ま、また……?」

 身体中の痺れが引かないうちに、再度、異物は奥に前進を始める。ぞくぞくと新たな痺れが背筋に走る。すぐに、腹一杯に玉が詰め込まれて、息を呑む。

「もう一回」
「ひ、あっああああぁぁッ……」

 色褪せることのない二度目の衝撃に、背中が反り返る。ビリビリと電気が流れて、目の前がチカチカしてくる。

 再び、体内に残った玉が奥に入り込んでくる。恐くて、苦しくて、気持ちよくて……

「だ、だめだ……もう、やめ、」

 暁斗は俺の制止を無視して、再び、玉を腹の中に詰め込んでくる。

「ん、あ、あぁぁッ……」

 一気に引き抜かれる。ちゅぽんちゅぽんと水音が羞恥心を掻き立てる。ビクビクと腰が揺れて、涙が溢れて、身体中が震える。

「あきと! いやだッ」

 ほとんど懇願だった。それなのに、再び腹の中に玉がミチミチと押し入ってくる。

 暁斗が俺の脇腹辺りに陣取った。苦しそうにジッパーを外して、ズボンと下着を下ろす。ガチガチに勃起したペニスを見せつけられて息を呑む。俺の姿にこんなに興奮してるのだと思うと胸がきゅっと締まる。

「ん、すみせん。我慢できなくて」

 照れたように微笑む暁斗は、自分のペニスをしごいて、自分で自分を慰め始めた。なんだか暁斗のオナニーのおかずにされているようで、人肌が恋しくて、ひどく切ない。こんなのはセックスじゃない。

「暁斗、」

 暁斗の方に右手を伸ばすと、苦しそうに笑って、頬にちゅっとキスしてきた。

 そうじゃないのだ。暁斗の服を捲り上げようとすると、意図を組んで男は自ら上半身を脱いだ。暁斗のペニスに右手を伸ばして、顔の方に向けさせると、膝立ちのまま身体を寄せてきた。

「いいんですか?」

 暁斗が期待の籠った熱っぽい声を発した。言葉の代わりに、右手を添えて、亀頭に舌を這わせた。びくんとペニスが脈打って、思わず笑みが込み上げる。

 裏筋を舐め上げて、暁斗を上目遣いで見上げると、暁斗が、熱い溜め息を吐く。気をよくして、亀頭の先を口に含んで口内で愛撫する。

 いつか、これが俺の中に入るのだろうか。そう思うと、あまりの大きさと熱量に、きゅっと尻が締めつけられて、中の異物が気持ちの良いところが圧迫してきて、否が応にも、甘い声が漏れる。

 暁斗のペニスを、夢中でしゃぶりながら、自分のペニスを左手で慰めて、腰も勝手に揺れ始めて、自分でも、まるで、暁斗に快楽をせがんでいるような浅ましさを感じて、更に羞恥心が沸きあがった。

 見上げると、暁斗の発情した瞳と、視線がぶつかった。

「ゆう、すけ……」

 暁斗がペニスを俺の口から引き抜いて、頬に擦り付けきた。瞬間、熱い粘液が頬に勢いよく噴出されて、頬から首筋にねっとりと流れ落ちていく。頬とペニスの間に白い糸が引いて、ポタポタとシーツを汚す。

「暁斗……?」

 暁斗は、肩で息をしながら、満足げに笑う。それでも、ペニスは萎えずに勃起を続けていた。


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