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12月20日(木)
第63話
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迫り上がるような尿意に、身体の血の気が引き、ゾワゾワと背筋が痺れた。それでも、固いモノが体内から腹を無慈悲に圧迫すれば、成す術もなく弾け飛ぶ。
「ん、あ、あああッーーーー」
腹に降りかかる熱い液体に、混濁としていた意識が引き戻された。身体中が震えて、寒気を感じたように思えたが、体内は沸騰するような熱が出口を失い渦巻いているようで、じっとりと肌には汗が滲んでいる。
「また、イっちゃいました?」
閉じていた瞼を開いた。見慣れない天井には、丸い照明が嵌め込まれていた。
「あ、あ、やめッーーーー」
ズンッと腹を圧迫されて、自分のものとは思えない甘い嬌声が口から溢れた。身体は硬直しているようで、弛緩していて、力が入らない。
「気持ちいいですか?」
キモチイイ。何かを漏らした放出感と、身体の中で籠る熱は悦楽であることを、脳が認識した。ふわふわと、ピリピリと。そんな痺れるような得難い快楽の波が身体から力を奪っている。
「……あ、あきと……?」
覗き込んできた男の顔は、ぼやけてはいたが、誰であるかは認識できて、安堵する。
暁斗は俺の前髪をかき上げて、じっと見下ろしてきた。瞬きをすると、目尻に溜まっていた涙が、つーっと、こめかみの方へ流ていった。
腹の中の違和感に、驚いて視線を下げると、暁斗に両足を開かされていて、自身の半勃ちのぺニスが見えた。暁斗がアナルから引き抜いたのは、白くいびつな形の性具だった。
「あ、は、はいって、」
「これ、気に入ったみたいですね」
前立腺を刺激するエネマグラというものだということはわかった。暁斗は俺のアナルに指を差し入れ、探るようにかき回す。
「今ならこれぐらい入りそうですね」
黒光りを放つ大ぶりのプラグを見せられて息を呑んだ。けれど、言葉を発するより早く、固いものが挿ってくる。無理やり拡げられるようで、先程とは違う角度を抉られて、痛みと圧迫感に腰が逃げる。
「あ、やだ、やめてくれ……」
容赦のない暁斗だったが、俺の腹を撫でる手つきは、思いの外優しかった。ローションなのか、精液なのか、別の何かなのか、よく分からない粘液が腹にぶち撒けられていて、暁斗の手を汚す。
「ぬ、ぬいて……」
恐くなって、血の気が引く。哀れっぽく暁斗に懇願したつもりだった。けれど、暁斗は「冗談」と薄く笑って、腹を持ち上げるようにして、腰を打ち付けてきた。暁斗のぺニスがアナルと陰嚢の間に擦り付けられる。その振動で、プラグで前立腺の辺りを抉られて、まるで、暁斗に犯されているようで……。
「あ、あ、あ、や、やめ……ッ」
「もう二回、中でイッてるんですよ」
恐い。恐い。恐い。
知らない快楽に飲み込まれて、ただ喘がされる。
「んん……あ、あああーーーッ」
身体が震えて、きゅうきゅうとアナルが締まり、身体の芯から何かが沸き上がって全身に広がった。目の前がチカチカとする。
「三回目、」
「ま、まって、……あ、あ、あ、」
達しているのに、無情に激しく揺すぶられて、苦しくて涙が溢れた。ぐちゅぐちゅと水音が響き、結合部からローションが溢れてくる。
暁斗が低く呻き声を上げながら、腰を打ちつける。そうして、グッと一際強く抉られて、暁斗の動きが止まった。腹に熱い液体が垂れてくるのを感じて、暁斗が射精したのだと知る。
暁斗がうっとりとした溜め息を吐いて、ようやく身体を離した。腹のなかの異物が抜け落ちていく。抜ける瞬間の甘い排泄感に、ピクピクと内股が震えた。
「佑介、すごく良かったです」
暁斗は俺の頬に手を添えて唇を重ねてきた。浅い息を吐きながらも、スッキリと満足したその顔を殴り飛ばしたい気持ちになる。
「こんな無理やりするなんて、信じられない」
酒で酔わせた上に、抵抗できない状態の相手に性行為を強要するなど、刑法上は立派な性犯罪だ。準強制性交罪に相当する。
「……ご、合意でしたよ。俺たち付き合ってますよね? それに、佑介の方からフェラしてくれたじゃないですか」
暁斗は顔を真っ青にした。なんだか、それが可笑しくて吹き出しそうになるが、笑うと許したことになりそうで、必死に耐える。
身体を捩って、シャツで拘束されている腕を揺らした。暁斗は俺の意図を汲んで、結び目を解いていった。
ようやく、脱ぎ去ったシャツは皺くちゃで、クッションを敷いていても、長時間、身体の下敷きにされていた腕は痺れていた。
ふと、ソファの下に目を落とすと、使用済みらしいエネマグラやプラグが見えた。
「無理させて、すみません」
しゅんとした暁斗に、溜め息を吐いた。俺はたぶん暁斗に甘い。激甘だ。
「わかった。今回のことは、もういいから。今後、俺に酒を飲ませてするのはなしだからな」
「もしかして、覚えてないんですか。あんなに俺のこと求めてくれたのに……」
暁斗は、俺の腕を掴んで顔を覗き込んできた。けれど、暁斗の真っ直ぐな瞳を見ていられずに、思わず視線を逸らす。
酒で記憶を飛ばしてしまうことはある。けれど、完全に失うことは滅多にない。
暁斗に「触って」「挿れて」「もっとしてくれ」などと恥ずかしい懇願をしたような気がしなくもなかったが、記憶は断片的で、夢の中のように曖昧で、できれば、夢の中の出来事にしておきたい。
「とりあえず、シャワー浴びたい」
「風呂沸かしましたよ。先に使ってくださいね」
暁斗は、眉を寄せながらも微笑んで、俺の掴んでいた腕を、そっと離した。
「ん、あ、あああッーーーー」
腹に降りかかる熱い液体に、混濁としていた意識が引き戻された。身体中が震えて、寒気を感じたように思えたが、体内は沸騰するような熱が出口を失い渦巻いているようで、じっとりと肌には汗が滲んでいる。
「また、イっちゃいました?」
閉じていた瞼を開いた。見慣れない天井には、丸い照明が嵌め込まれていた。
「あ、あ、やめッーーーー」
ズンッと腹を圧迫されて、自分のものとは思えない甘い嬌声が口から溢れた。身体は硬直しているようで、弛緩していて、力が入らない。
「気持ちいいですか?」
キモチイイ。何かを漏らした放出感と、身体の中で籠る熱は悦楽であることを、脳が認識した。ふわふわと、ピリピリと。そんな痺れるような得難い快楽の波が身体から力を奪っている。
「……あ、あきと……?」
覗き込んできた男の顔は、ぼやけてはいたが、誰であるかは認識できて、安堵する。
暁斗は俺の前髪をかき上げて、じっと見下ろしてきた。瞬きをすると、目尻に溜まっていた涙が、つーっと、こめかみの方へ流ていった。
腹の中の違和感に、驚いて視線を下げると、暁斗に両足を開かされていて、自身の半勃ちのぺニスが見えた。暁斗がアナルから引き抜いたのは、白くいびつな形の性具だった。
「あ、は、はいって、」
「これ、気に入ったみたいですね」
前立腺を刺激するエネマグラというものだということはわかった。暁斗は俺のアナルに指を差し入れ、探るようにかき回す。
「今ならこれぐらい入りそうですね」
黒光りを放つ大ぶりのプラグを見せられて息を呑んだ。けれど、言葉を発するより早く、固いものが挿ってくる。無理やり拡げられるようで、先程とは違う角度を抉られて、痛みと圧迫感に腰が逃げる。
「あ、やだ、やめてくれ……」
容赦のない暁斗だったが、俺の腹を撫でる手つきは、思いの外優しかった。ローションなのか、精液なのか、別の何かなのか、よく分からない粘液が腹にぶち撒けられていて、暁斗の手を汚す。
「ぬ、ぬいて……」
恐くなって、血の気が引く。哀れっぽく暁斗に懇願したつもりだった。けれど、暁斗は「冗談」と薄く笑って、腹を持ち上げるようにして、腰を打ち付けてきた。暁斗のぺニスがアナルと陰嚢の間に擦り付けられる。その振動で、プラグで前立腺の辺りを抉られて、まるで、暁斗に犯されているようで……。
「あ、あ、あ、や、やめ……ッ」
「もう二回、中でイッてるんですよ」
恐い。恐い。恐い。
知らない快楽に飲み込まれて、ただ喘がされる。
「んん……あ、あああーーーッ」
身体が震えて、きゅうきゅうとアナルが締まり、身体の芯から何かが沸き上がって全身に広がった。目の前がチカチカとする。
「三回目、」
「ま、まって、……あ、あ、あ、」
達しているのに、無情に激しく揺すぶられて、苦しくて涙が溢れた。ぐちゅぐちゅと水音が響き、結合部からローションが溢れてくる。
暁斗が低く呻き声を上げながら、腰を打ちつける。そうして、グッと一際強く抉られて、暁斗の動きが止まった。腹に熱い液体が垂れてくるのを感じて、暁斗が射精したのだと知る。
暁斗がうっとりとした溜め息を吐いて、ようやく身体を離した。腹のなかの異物が抜け落ちていく。抜ける瞬間の甘い排泄感に、ピクピクと内股が震えた。
「佑介、すごく良かったです」
暁斗は俺の頬に手を添えて唇を重ねてきた。浅い息を吐きながらも、スッキリと満足したその顔を殴り飛ばしたい気持ちになる。
「こんな無理やりするなんて、信じられない」
酒で酔わせた上に、抵抗できない状態の相手に性行為を強要するなど、刑法上は立派な性犯罪だ。準強制性交罪に相当する。
「……ご、合意でしたよ。俺たち付き合ってますよね? それに、佑介の方からフェラしてくれたじゃないですか」
暁斗は顔を真っ青にした。なんだか、それが可笑しくて吹き出しそうになるが、笑うと許したことになりそうで、必死に耐える。
身体を捩って、シャツで拘束されている腕を揺らした。暁斗は俺の意図を汲んで、結び目を解いていった。
ようやく、脱ぎ去ったシャツは皺くちゃで、クッションを敷いていても、長時間、身体の下敷きにされていた腕は痺れていた。
ふと、ソファの下に目を落とすと、使用済みらしいエネマグラやプラグが見えた。
「無理させて、すみません」
しゅんとした暁斗に、溜め息を吐いた。俺はたぶん暁斗に甘い。激甘だ。
「わかった。今回のことは、もういいから。今後、俺に酒を飲ませてするのはなしだからな」
「もしかして、覚えてないんですか。あんなに俺のこと求めてくれたのに……」
暁斗は、俺の腕を掴んで顔を覗き込んできた。けれど、暁斗の真っ直ぐな瞳を見ていられずに、思わず視線を逸らす。
酒で記憶を飛ばしてしまうことはある。けれど、完全に失うことは滅多にない。
暁斗に「触って」「挿れて」「もっとしてくれ」などと恥ずかしい懇願をしたような気がしなくもなかったが、記憶は断片的で、夢の中のように曖昧で、できれば、夢の中の出来事にしておきたい。
「とりあえず、シャワー浴びたい」
「風呂沸かしましたよ。先に使ってくださいね」
暁斗は、眉を寄せながらも微笑んで、俺の掴んでいた腕を、そっと離した。
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