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番外編
七夕番外編
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毎年、六月の終わり頃には「だんや」の店先に笹が立てかけられる。店に訪れる客に酒の肴にと短冊を書いてもらって笹にくくりつけるのが恒例行事であった。笹に吊るされた願い事は、無難なモノから酔っぱらいのウケ狙いまで多種多様で、七夕の当日には華やかに飾り付けられていた。
「せっかくの笹飾りを燃やしちゃうんですね」
大学生のハルくんが、燃え盛る炎を見つめながら、ぽつりと呟いた。
店を空けられない大将の代わりに、バイトのハルくんと一緒に笹を運んできたのは、夜の神社であった。七夕祭りで賑わっている神社の裏手には、飾付けられた笹が幾重にも重なり、煌々した炎に包まれている。
「お焚きあげって知らない?」
青年は首を横に振った。七夕飾りに託された願いは、こうして焼きつくし、煙になって天まで昇っていくのだ。ハルくんは「なんだか願い事が叶う気がしてきました」と楽しそうに微笑んだ。
順番が回ってくれば、二人で笹を火にくべる。
「ハルくんは何をお願いしたんだ?」
「『留年しませんように!』です」
「あはは、大事だね」
「マコトさんは?」
「俺のは、つまんないよ。『世界が平和になりますように』」
青年は「マコトさんは欲が無いですね」と可笑しそうに笑った。ひらりと紐の切れた短冊が足元に落ちてくる。見慣れた文字で綴られた願い事に目が留まる。
『来年もみんなで七夕ができますように』
「マコトさん?」
「そろそろ帰ろうか。お使いのご褒美にたこ焼きでも買ってあげるよ」
「やった」
大袈裟に喜んでいるハルくんに笑いかけて、そっと短冊を炎に返す。チリチリと燃えつきた貴俊の願いは、煙と共に天に昇っていった。
*****
ルクイユタグイベント「七夕に願いを」
2021年7月7日
#モノカキの願いごと
#七夕
#創作BL
ルクイユ・アート・フェスティバル@RecueilArtFest
*****
「せっかくの笹飾りを燃やしちゃうんですね」
大学生のハルくんが、燃え盛る炎を見つめながら、ぽつりと呟いた。
店を空けられない大将の代わりに、バイトのハルくんと一緒に笹を運んできたのは、夜の神社であった。七夕祭りで賑わっている神社の裏手には、飾付けられた笹が幾重にも重なり、煌々した炎に包まれている。
「お焚きあげって知らない?」
青年は首を横に振った。七夕飾りに託された願いは、こうして焼きつくし、煙になって天まで昇っていくのだ。ハルくんは「なんだか願い事が叶う気がしてきました」と楽しそうに微笑んだ。
順番が回ってくれば、二人で笹を火にくべる。
「ハルくんは何をお願いしたんだ?」
「『留年しませんように!』です」
「あはは、大事だね」
「マコトさんは?」
「俺のは、つまんないよ。『世界が平和になりますように』」
青年は「マコトさんは欲が無いですね」と可笑しそうに笑った。ひらりと紐の切れた短冊が足元に落ちてくる。見慣れた文字で綴られた願い事に目が留まる。
『来年もみんなで七夕ができますように』
「マコトさん?」
「そろそろ帰ろうか。お使いのご褒美にたこ焼きでも買ってあげるよ」
「やった」
大袈裟に喜んでいるハルくんに笑いかけて、そっと短冊を炎に返す。チリチリと燃えつきた貴俊の願いは、煙と共に天に昇っていった。
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ルクイユタグイベント「七夕に願いを」
2021年7月7日
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