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今後について
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「中は新築そのものね」
院内を案内してエメルダ様は言った。
「ほとんど廃墟寸前でしたからね、床なんか抜けていたり壁は穴だらけ、大変でしたよ」
「そうだったの、でも貴女のおかげでこうして生まれ変わったんだからこれも神のお導きね」
……まぁ、そういう事にしときましょう。
「それに今回の件で改めて修道院の点検が行われた結果、似たような修道院が他にもあったらしいのよ」
「それは登録されてるだけでほぼ放置されていた、という事ですか?」
「そうよ、だからこれを機に見直しを図ることになったみたい」
確かに使われていなくても予算は発生している訳だからお金を捨てている、と考えてもおかしくはない。
じゃあ、その捨てられたお金はどこに行っているのか、と言えば一部の方のポケットに収められている、というのがもっぱらの噂だ。
つまり一部の方々が自分達の懐を潤す為に修道院を放置しているんじゃないか、と思われている。
そこに今回メスが入る事になる。
「権力って持ちたくない物ですね」
そういうとエメルダ様はそうね、とクスッと笑った。
その後、私とエメルダ様は今後の修道院の運営方針について話しあった。
結果としては『開かれた修道院』を目指す事になった。
地区のイベントには積極的に参加、ボランティア活動も行う事になった。
子供達に読み書きを教えたり、悩み相談に乗ったりとかいろんな形でコミュニケーションを取っていく。
「その為には領主の力が必要だけど」
「それなら問題はありません、領主である伯爵様は私の同級生で修道院の修復にも協力してくれたので」
「確かリディアール伯爵よね? よく社交界に出没してる、と聞いたけど」
「その息子さんが実質上の運営をしてるんです」
「あぁ~、そういう事ね、それだったら赴任の挨拶に行かないといけないわね」
明日、エメルダ様と共に改めて挨拶しに行く事になった。
しかし、彼はビックリするだろうなぁ。
王女様が挨拶に来る、なんて事になったら。
院内を案内してエメルダ様は言った。
「ほとんど廃墟寸前でしたからね、床なんか抜けていたり壁は穴だらけ、大変でしたよ」
「そうだったの、でも貴女のおかげでこうして生まれ変わったんだからこれも神のお導きね」
……まぁ、そういう事にしときましょう。
「それに今回の件で改めて修道院の点検が行われた結果、似たような修道院が他にもあったらしいのよ」
「それは登録されてるだけでほぼ放置されていた、という事ですか?」
「そうよ、だからこれを機に見直しを図ることになったみたい」
確かに使われていなくても予算は発生している訳だからお金を捨てている、と考えてもおかしくはない。
じゃあ、その捨てられたお金はどこに行っているのか、と言えば一部の方のポケットに収められている、というのがもっぱらの噂だ。
つまり一部の方々が自分達の懐を潤す為に修道院を放置しているんじゃないか、と思われている。
そこに今回メスが入る事になる。
「権力って持ちたくない物ですね」
そういうとエメルダ様はそうね、とクスッと笑った。
その後、私とエメルダ様は今後の修道院の運営方針について話しあった。
結果としては『開かれた修道院』を目指す事になった。
地区のイベントには積極的に参加、ボランティア活動も行う事になった。
子供達に読み書きを教えたり、悩み相談に乗ったりとかいろんな形でコミュニケーションを取っていく。
「その為には領主の力が必要だけど」
「それなら問題はありません、領主である伯爵様は私の同級生で修道院の修復にも協力してくれたので」
「確かリディアール伯爵よね? よく社交界に出没してる、と聞いたけど」
「その息子さんが実質上の運営をしてるんです」
「あぁ~、そういう事ね、それだったら赴任の挨拶に行かないといけないわね」
明日、エメルダ様と共に改めて挨拶しに行く事になった。
しかし、彼はビックリするだろうなぁ。
王女様が挨拶に来る、なんて事になったら。
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