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伯爵家へご挨拶
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「私この度修道院の院長を務めさせていただきますエメルダと申します。どうぞよろしくお願いいたします」
「リ、リコットと申します……、こ、こちらこそよろしく……」
後日、私とエメルダ様はリコット様へご挨拶にやってきた。
リコット様はエメルダ様の顔は勿論知っておりもの凄く硬くなっている。
時折私を救いの目で見てくるがどうしょうもない。
別に悪い事はしてないのでそんなに焦る事は無いと思うんだけど……、相手が元王女となるとやっぱりそうなる。
だって基本的に王族は天の上の存在、簡単に話しかける事は出来ないのだから。
「そんなに硬くならなくて結構ですよ、王籍は抜いて今はただのエメルダですので」
「そ、そうですか……」
リコット様の緊張を察したエメルダ様が解きほぐす様な事を言った。
「今回は修道院の修復に力を貸していただいてありがとうございます」
「いえ、元々はあそこは我が家の持ち物だったので費用を出すのは当然の事です」
「今後とも良い関係を築ければ、と思っております。困った事があればいつでも相談にのりますので」
「こちらこそ」
初対面は穏やかな空気の中で終わった。
「リコット様は良いお方ね、リディアール伯爵家は安泰ね」
修道院に戻り食事中にエメルダ様がそう言った。
「そうですね、彼は学院時代も真面目で優秀な方ですから」
「やっぱり良い反面教師がいるからかしら」
「それは伯爵の事でしょうか?」
「えぇ『息子に全てを任せて遊び回っている』って社交界では有名よ」
悪い方で有名になっていましたか……。
「もしかしたら国が介入して強制的に代替えをするかもしれない、という噂よ」
「誰から聞いたんですか、その噂」
「お父様から」
それ確定事項じゃないですか。
「王籍は抜いても連絡は取り合っているから王都の情報は筒抜けなのよ、近日中に貴族会議を開催して無能と呼ばれている貴族に裁定を下すらしいわよ」
「それ元実家も入ってますよね」
「まぁ、あれだけの失態を犯した訳だから無傷とは言えないわね」
……同情はしない。
「リ、リコットと申します……、こ、こちらこそよろしく……」
後日、私とエメルダ様はリコット様へご挨拶にやってきた。
リコット様はエメルダ様の顔は勿論知っておりもの凄く硬くなっている。
時折私を救いの目で見てくるがどうしょうもない。
別に悪い事はしてないのでそんなに焦る事は無いと思うんだけど……、相手が元王女となるとやっぱりそうなる。
だって基本的に王族は天の上の存在、簡単に話しかける事は出来ないのだから。
「そんなに硬くならなくて結構ですよ、王籍は抜いて今はただのエメルダですので」
「そ、そうですか……」
リコット様の緊張を察したエメルダ様が解きほぐす様な事を言った。
「今回は修道院の修復に力を貸していただいてありがとうございます」
「いえ、元々はあそこは我が家の持ち物だったので費用を出すのは当然の事です」
「今後とも良い関係を築ければ、と思っております。困った事があればいつでも相談にのりますので」
「こちらこそ」
初対面は穏やかな空気の中で終わった。
「リコット様は良いお方ね、リディアール伯爵家は安泰ね」
修道院に戻り食事中にエメルダ様がそう言った。
「そうですね、彼は学院時代も真面目で優秀な方ですから」
「やっぱり良い反面教師がいるからかしら」
「それは伯爵の事でしょうか?」
「えぇ『息子に全てを任せて遊び回っている』って社交界では有名よ」
悪い方で有名になっていましたか……。
「もしかしたら国が介入して強制的に代替えをするかもしれない、という噂よ」
「誰から聞いたんですか、その噂」
「お父様から」
それ確定事項じゃないですか。
「王籍は抜いても連絡は取り合っているから王都の情報は筒抜けなのよ、近日中に貴族会議を開催して無能と呼ばれている貴族に裁定を下すらしいわよ」
「それ元実家も入ってますよね」
「まぁ、あれだけの失態を犯した訳だから無傷とは言えないわね」
……同情はしない。
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