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知らないうちに惨劇が起こっていた。

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「はぁ~、こんなに喋ったのは久しぶりです」
「僕もだよ、ここ最近はずっと陰鬱した日々を過ごしていたから」
「私も悶々としていました。今話してスッキリしちゃいました」
 延々とお互いの愚痴を話した結果、すっかり胸の中にあったしこりは無くなってしまった。
 やっぱり本音を話す、って大事よね。
「あぁ、もうパーティーもお開きの時間みたいだね」
「あら、そうですか」
 私達はベランダからパーティー会場に戻った。
「あれ? 何かあったのかしら?」
 会場内はザワついている。
 何やら兵士がいて出席者に聞いているみたい。
 国王様や王妃様は顔が真っ青になっているからただ事では無い。
「エリーナ様、あの床……」
 マイル様が指差した所を見ると真っ赤な物が溜まっていた。
「もしかして血? 誰か刺されたの?」
「しかもあの量、1人じゃないな……」
 私達がベランダで呑気に喋っていた時にパーティーでは惨劇が起こっていたらしい。
「あっ! エリーナ様っ!」
 私の姿を見つけて友人の侯爵令嬢が駆け寄ってきた。
「何かあったの? 私ちょっと席を外していたからわからないんだけど」
「実は王太子様と婚約者様が刺されてしまったんです」
「「えぇっ!?」」
 私とマイル様は驚きの声をあげた。
「刺された、って誰に?」
「それが……、王太子様の前の婚約者であるディアンヌ公爵令嬢様にです」
 えっ、婚約者いたの?
 侯爵令嬢の話によるとパーティー会場の扉がバンッと開きディアンヌ公爵令嬢が現れた。
 髪の毛は振り乱れ顔は正に鬼気迫っていた。
 会場に現れるなり絶叫やら怒号やらの声をあげて王太子様に突進して手に持っていたナイフでグサリ。
 倒れた王太子様を更に何度も刺したらしい。
 更にディアンヌ公爵令嬢は婚約者にも飛びかかりグサリ。
 狂った様に笑いながら刺し続けていたらしい。
 すぐに警備兵がやって来てディアンヌ公爵令嬢は抑えられ連れていかれたらしい。
 その話を聞いたマイル様は顔を真っ青になっていた。
 そりゃそうだ、1度は好きになった相手が無惨に殺されてしまったのだから。
「大丈夫ですか、マイル様?」
「う、うん……、こんな事になるなんて……。 でもちょっとだけ『ざまぁ見ろ』と思ってしまう自分もいるんだ」
「当然だと思いますわ。裏切ったのですから」
 死人には申し訳無いが私は当然の報いだと思う。
 やっぱり神様は見ているんだなぁ、と思った。
 そんな訳でパーティーは勿論終了となり私達はそれぞれ帰宅した。
 私は帰り際にマイル様と連絡先を交換した。  
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