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意外とセンスはある
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「風魔法と木魔法の二つを使えるだけでもそこそこ驚いたのに、詠唱破棄を使えるなんて……もしかして結構魔法の方が接近戦と比べて得意だったりする?」
今後モンスターの魔石や素材をリースに渡す代わりに師事を受けるという契約を交わしたティール。
そして指導の初日に二人は街の外へとやって来て、ティールはリースに今自分が何が出来るのかを教える。
その中でリースが目を惹いたのは詠唱を唱えずに魔法を発動した詠唱破棄という技術だった。
「いいえ、特にそこまで得意ではいないと思います。二つとも一応練習として実戦でも使ってるんですけど、まだレベルが二なんですよ」
「七歳で二つの属性魔法のスキルレベルが二になっていれば十分よ。それに七歳で詠唱破棄が出来る子なんて……普通に考えていない筈よ。なにか、詠唱破棄を行う時に気を付けていることはある?」
「えっと、まず動きながら詠唱を行うと動きが鈍るのでそこを何とかしようと思いました」
「そうでしょうね。魔法を使う者としては避けては通れない道ね」
魔法を使うことが出来るが、接近戦が得意な者はそこそこいる。
しかし多くの者達が動きながら詠唱を行う、もしくは詠唱破棄という高等技術を完成させること大きな壁を感じて諦める。
「そこで自分は動きながら投擲を行い、狙った場所に石を当てるイメージを重ねました」
「な・る……ほど?」
「そうですねぇ……動きながら狙いを定める、後は投げた時に回転とかで軌道を調整出来るのでその時と同じような感覚でやりました」
「・・・・・・結構独特な感覚ね。もしかしたらだけど、一回魔法を使えばどうやって体から魔力が流れて体の外に出るか感覚的に解ったりしたかしら?」
「……そういえばそんな感覚があった気がします」
ティールの感覚と答え合わせが終わったリースはその答えに驚愕した。
(う、嘘でしょ!? もしそれがほんとなら……この子の実力はそこが知れないわ)
リースがティールの感覚を言い当てれたのは過去に同じ感覚を得た人物と会ったことがあるからだ。
しかも一人だけでは無く複数。
なのでもしかしたらティールも同じような感覚を得ているのではと思ったら、案の定ティールはリースが予想していた感覚を得ていた。
(ティールは奪取≪スナッチ≫によって殺した相手からそのスキルを奪うことが出来る。この先それがどう進化するのかは解らないけど、それでも対人やモンスターに対して脅威なのは変わらない。ただ、奪取≪スナッチ≫で奪った魔法を詠唱無しで発動出来るのは……少し反則過ぎないかしら?)
リースはティールだけでは無く、ギフトで魔法系のスキルを授かった村の子達に正しく魔法が使えるように指導している。
その中にはティールが好きだったミレットもおり、火魔法のギフトを授かっていた。
しかし、そんな生徒達の中には未だ詠唱破棄、もしくは無詠唱のスキルを習得した者はいない。
ただ、それはおかしい事では無く、寧ろ当たり前の内容だ。
「魔法剣士……いや、ティール君は魔法戦士になれるかもしれないわね」
「それは凄い事ですか?」
「勿論凄いことよ。というか、今の時点でウィンドカッター、ランス、ボール、サークル。ウッドランス、ニードル、バインドが使える。同年代と比べれば何歩も……十歩ぐらいは先に行ってる。それにほぼ毎日モンスターと戦ってて魔力の量だってかなり多い。それに、奪取≪スナッチ≫のお陰で魔力量に関してはあんまり心配いらないし」
「それは俺も思いました奪取≪スナッチ≫使った魔力もモンスターから奪えば問題無いですし」
「魔法メインで戦う人にとっては本当に欲しいスキル……というか能力ね。よし、詠唱破棄を覚えているなら戦い方を教えた方が早そうね」
本当なら落ち着いて攻撃魔法を発動させるところから教えるつもりだったリースだが、ティールの技術が自分の予想を遥かに超えていたので実戦での魔法の使い方を教える事に決める。
この日からティールの日常にリースとのマンツーマン指導が加わった。
しかしリースには他にも生徒がいる。そして錬金術として店も開いているので指導は週に一日だけ。
だが、それでも自分で考えてモンスターと戦ってきたティールにとってはとても有意義な時間だった。
このまま何事も起きず、村を出て冒険者になるまで平和な日常が続けば良いと思っていた。
ただ……そうもいかないのが人生というものだろう。
「石投げのティール、最近リースさんに色々と教えて貰ってるらしいじゃん」
「……なんか用か、マックス」
ある日、ティールが誰をいない場所で投擲の訓練をしていると、ティールと同年代の子供達の間ではガキ大将的なポジションにいるマックスとその他数人に声を掛けられた。
今後モンスターの魔石や素材をリースに渡す代わりに師事を受けるという契約を交わしたティール。
そして指導の初日に二人は街の外へとやって来て、ティールはリースに今自分が何が出来るのかを教える。
その中でリースが目を惹いたのは詠唱を唱えずに魔法を発動した詠唱破棄という技術だった。
「いいえ、特にそこまで得意ではいないと思います。二つとも一応練習として実戦でも使ってるんですけど、まだレベルが二なんですよ」
「七歳で二つの属性魔法のスキルレベルが二になっていれば十分よ。それに七歳で詠唱破棄が出来る子なんて……普通に考えていない筈よ。なにか、詠唱破棄を行う時に気を付けていることはある?」
「えっと、まず動きながら詠唱を行うと動きが鈍るのでそこを何とかしようと思いました」
「そうでしょうね。魔法を使う者としては避けては通れない道ね」
魔法を使うことが出来るが、接近戦が得意な者はそこそこいる。
しかし多くの者達が動きながら詠唱を行う、もしくは詠唱破棄という高等技術を完成させること大きな壁を感じて諦める。
「そこで自分は動きながら投擲を行い、狙った場所に石を当てるイメージを重ねました」
「な・る……ほど?」
「そうですねぇ……動きながら狙いを定める、後は投げた時に回転とかで軌道を調整出来るのでその時と同じような感覚でやりました」
「・・・・・・結構独特な感覚ね。もしかしたらだけど、一回魔法を使えばどうやって体から魔力が流れて体の外に出るか感覚的に解ったりしたかしら?」
「……そういえばそんな感覚があった気がします」
ティールの感覚と答え合わせが終わったリースはその答えに驚愕した。
(う、嘘でしょ!? もしそれがほんとなら……この子の実力はそこが知れないわ)
リースがティールの感覚を言い当てれたのは過去に同じ感覚を得た人物と会ったことがあるからだ。
しかも一人だけでは無く複数。
なのでもしかしたらティールも同じような感覚を得ているのではと思ったら、案の定ティールはリースが予想していた感覚を得ていた。
(ティールは奪取≪スナッチ≫によって殺した相手からそのスキルを奪うことが出来る。この先それがどう進化するのかは解らないけど、それでも対人やモンスターに対して脅威なのは変わらない。ただ、奪取≪スナッチ≫で奪った魔法を詠唱無しで発動出来るのは……少し反則過ぎないかしら?)
リースはティールだけでは無く、ギフトで魔法系のスキルを授かった村の子達に正しく魔法が使えるように指導している。
その中にはティールが好きだったミレットもおり、火魔法のギフトを授かっていた。
しかし、そんな生徒達の中には未だ詠唱破棄、もしくは無詠唱のスキルを習得した者はいない。
ただ、それはおかしい事では無く、寧ろ当たり前の内容だ。
「魔法剣士……いや、ティール君は魔法戦士になれるかもしれないわね」
「それは凄い事ですか?」
「勿論凄いことよ。というか、今の時点でウィンドカッター、ランス、ボール、サークル。ウッドランス、ニードル、バインドが使える。同年代と比べれば何歩も……十歩ぐらいは先に行ってる。それにほぼ毎日モンスターと戦ってて魔力の量だってかなり多い。それに、奪取≪スナッチ≫のお陰で魔力量に関してはあんまり心配いらないし」
「それは俺も思いました奪取≪スナッチ≫使った魔力もモンスターから奪えば問題無いですし」
「魔法メインで戦う人にとっては本当に欲しいスキル……というか能力ね。よし、詠唱破棄を覚えているなら戦い方を教えた方が早そうね」
本当なら落ち着いて攻撃魔法を発動させるところから教えるつもりだったリースだが、ティールの技術が自分の予想を遥かに超えていたので実戦での魔法の使い方を教える事に決める。
この日からティールの日常にリースとのマンツーマン指導が加わった。
しかしリースには他にも生徒がいる。そして錬金術として店も開いているので指導は週に一日だけ。
だが、それでも自分で考えてモンスターと戦ってきたティールにとってはとても有意義な時間だった。
このまま何事も起きず、村を出て冒険者になるまで平和な日常が続けば良いと思っていた。
ただ……そうもいかないのが人生というものだろう。
「石投げのティール、最近リースさんに色々と教えて貰ってるらしいじゃん」
「……なんか用か、マックス」
ある日、ティールが誰をいない場所で投擲の訓練をしていると、ティールと同年代の子供達の間ではガキ大将的なポジションにいるマックスとその他数人に声を掛けられた。
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