あっさりと初恋が破れた俺、神からのギフトで倒して殺して奪う

Gai

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英雄とは

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「ティールはどんな人達の戦い方を教えて貰っていたの?」

「どんな……一人は戦闘も出来るエルフの錬金術師ともう一人、村の自警団のエースで元冒険者の人に教わってた」

(ジンさんに関してはあんまり何かを教えて貰っていた記憶は無いような気がするけど)

ジンと会えば模擬戦を行う日常で、偶に昔話を聞くこともあった。
なので剣術に関して特に教わった事は殆ど無く、模擬戦の中で研ぎ澄まされていったという表現が正しい。

「そうなのね。私達も似た様なものね。村の自警団の中に魔法を使える人がいたから私はその人に教わっていたの。
同じギフトを貰ってた人だったしね」

「僕も似た様な感じだな。それにしても、ティールの投擲は凄いね。やっぱり小さい頃から練習してたのかい?」

「そうだな。結構ガキの頃からエルフの師匠に色々と教えて貰っていたけど、投擲に関しては誰かに教わることなく練習してたな」

まずは動かない的を正確に当たられるように投げ、次は動きながら投げる。
そして最終的には実戦で動く的を相手に投げる。

その過程で投擲にスキルを得て、レベルを上げた。

(俺の場合は人よりモンスターを倒してきた分、レベルが上がってる影響があると思うけど投擲の威力はそこそこあるよな)

投げる獲物が石ころでは無く、鉱石を溶かして鉄球に形を変えた物や、モンスターの牙や爪を溶かしてボール状にした物であれば魔力を纏わずともそこそこの威力を発揮する。

「そうか、投擲か……僕はあんまり練習してこなかったかスキルを持っていないんだよね」

「私は一応先生から短剣を投げられるようにしておいた方が良いって言われてたから持ってるけど、実戦でそこまで使えるレベルじゃ無いのよね~~~……今からでもティールみたいに出来るかしら?」

「二人共問題無いだろ」

ティールは届いた料理を食べながら続ける。

「んぐ。ふーー、美味いな。投擲に関しては投げる物と的さえあれば練習出来る。だからギルドの訓練場で十分に練習出来る筈だ。それに、実戦で使える段階になったらランクの低いモンスターを相手に試してみたらいい」

それ相応の努力は必要だが、低コストで得られる武器。
それがティールの投擲に関する認識。

自身の努力で積み重ねてきた投擲に関してはかなり自信を持っている。

(投擲にも技はあるし……極めれば良い武器になる。まぁ、華が無いから進んで訓練しようと思う人はいないだろうけど)

駆け出しの冒険者が夢見がちな若者が多い。
自分も物語に出てくるように英雄になれると……酷い言い方をすれば、勘違いしている者が殆ど。
英雄になれる者の殆どは英雄になろうといていない。

「……ティール君は、モンスターを倒すときに結構考えて倒すタイプかい?」

「あぁーー……どうだろうな。モンスターの素材が絶対に欲しい場合だとあまり傷付けずに倒すためにどうすれば良いのかとか、そういう事は考えるな」

「そうか……つまり、そうでない場合は体が勝手に反応している……そういう感じなのか」

「それは……微妙だな。俺はまだその域に達しているとは思わない」

一流のプロは考えない、その場その場で最善の選択を本能的に選ぶ。
それが英雄と呼ばれる者の思考とも言われている。

(グレーグリズリーと初めて戦った時は何も考えてなかったか? でも、あれが最善の選択って訳では無いし……おそらく、エリックは俺が戦う者達にとって一流の思考や考えを身に着けているとでも思ってるのかもな)

そんな事はあり得ない。
それはティールが、自分自身が良く解っている。

「あれか、エリックは英雄になりたいのか?」

「えっと……まぁ、憧れはあるよね」

「エリックって偶に子供っぽいところがあるのよねぇ~。外は大人になっても根っこはまだ子供って感じで」

(確かに見た目は優男で対応も大人……でも英雄という存在に憧れる一面もある……年上の女性に好かれそうな性格してるな)

その直感は間違っておらず、エリックは年上の女性にモテる。
そしてエリックもそこまで美女美少女に耐性が無いので照れる。
それにリーシアが嫉妬して怒るというのが一連の流れ。

「ティールはそういうのに憧れたりしないの?」

「……どうかな。俺は英雄より、英雄が体験した冒険譚に憧れる。だから、俺は楽しい冒険が出来ればそれで良い。その為にどうすれば良いか師匠達が教えてくれたからな。それに・・・・・・英雄なんてのはなろうと思ってなれる存在じゃない、って思ってる」

「なら、ティールにとって英雄っていうのはどんな存在?」

「・・・・・・何かに憧れは持っているかもしれない。でも、乗り越えなきゃいけない場面一つ一つに対して全身全霊で挑み、何があっても諦めない。そして自分の心に従って前に進む……そんな人達が、いずれ英雄って呼ばれるようになる」

それがティールにとって、英雄になるための条件だった。
ただ、ティールはそんな英雄になる気など一切無かった。
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