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退路なし
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二人がマリアにダンジョンに質問した翌日、ティールは先日グリフォンとその他の鳥系モンスターに襲われているところを助けたご令嬢と、その護衛たちに捕まった。
(正当な理由がない限り、断るのはよろしくなさそうだな)
そういう結論に至り、ティールはご令嬢……クララ・イスタールからの誘いを受けた。
(うわぁ~~、普通に生活してたら絶対にこんなとこ来ないぞ)
(華やかな店、だな)
二人がクララの誘いを受けて訪れた店は、喫茶店。
しかし、ただの喫茶店ではなく高級喫茶店。
店の内装や外装は当然一流であり、取り扱う道具や食材、従業員の腕なども一流のお店。
喫茶店なので庶民も訪れることは出来るが、庶民には……少々財布にダメージが大きい店ではある。
クララはティールとラストに軽く好みを尋ねた後、従業員に慣れた様子でメニューを頼んだ。
(まぁ、金の心配はする必要ないよな)
先日、グリフォンの翼は一応ギルドが買い取ったので、大金が懐に入ってきた。
訪れた店のメニューはどれも平均より高いが、そこまで痛手にはならない。
なんてティールは考えているが、そもそもクララは二人にお金を払わせるつもりなど、一ミリもない。
「改めて、お礼を言わせてください。お二人のお陰で、私たちは命を散らさずに済みました。本当に、感謝しています」
クララが二人に頭を下げたと同時に、護衛の者たちも綺麗に腰を折り、二人に感謝の意を伝えた。
「ど、どうも」
俺たちは元々グリフォンを狙っていたので、別にお礼なんて結構ですよ。
そんな言葉が口から出そうになったが、それをグッと堪えてクララたちの感謝を素直に受け取った。
「ただ、その……私の様な者がこんな事を言うべきではないと思いますが、倒し終えたのなら一度街に戻った方がよろしいかと思います」
「そ、そうですね。以後気を付けます」
ティールとラストがバラックに戻ってから、関わりのあったBランクの先輩冒険者に思いっきり抱きしめられたという話は、クララの耳にも入っていた。
「ティールさん、ラストさん。こちらを受け取ってください」
話が戻り、クララは自分たちの命を救ってくれた二人に対し、袋一杯に入ったお金をテーブルに置いた。
「ッ!?」
袋の大きさ、パンパンな様子を見る限り……先日マリアから頂いた大剣の料金よりも多いかもしれない。
(い、いくら入ってるんだ?)
なんてそれらしい考えを持ちながらも、やはり受け取れないと思い、後ろで立っている護衛の者に助けを求めた。
しかし、是非とも受け取っていただきたという表情で軽く頭を下げられ、退路が立たれた。
パーティーメンバーであるラストとしては、Bランクであるグリフォンやその他のモンスターの襲撃から助けた。
その事実を考えれば、目の前の謝礼金は当然と思っているので、受け取りを拒否する理由はない。
特にラストからも受けたらない方が良い、なんて雰囲気はなかったため、ティールは恐る恐る硬貨がパンパンに入っている袋を一瞬だけ覗き、直ぐに亜空間にしまった。
そのタイミングで注文した飲み物や料理が運ばれ、緊張した空気は終わり、緩く他愛もない会話が始まった。
最初の頃はまだまだ緊張していたティールだが、クララの人当たりが良いところもあって、徐々に緊張の糸が緩んでいった。
しかし、相手が貴族の令嬢だということは忘れておらず、言葉遣いには気を使い続ける。
勿論、この時ばかりはラストもなるべく丁寧な口調で話すよう、努力した。
そしてお互いに今までのことを話すようになり……クララがティールの過去をある程度聞いたタイミングで、少し表情が変わった。
それはほんの一瞬であり、その後も話は続いたが……最後の最後で、また真剣な表情になり、クララはあることをティールに尋ねた。
(正当な理由がない限り、断るのはよろしくなさそうだな)
そういう結論に至り、ティールはご令嬢……クララ・イスタールからの誘いを受けた。
(うわぁ~~、普通に生活してたら絶対にこんなとこ来ないぞ)
(華やかな店、だな)
二人がクララの誘いを受けて訪れた店は、喫茶店。
しかし、ただの喫茶店ではなく高級喫茶店。
店の内装や外装は当然一流であり、取り扱う道具や食材、従業員の腕なども一流のお店。
喫茶店なので庶民も訪れることは出来るが、庶民には……少々財布にダメージが大きい店ではある。
クララはティールとラストに軽く好みを尋ねた後、従業員に慣れた様子でメニューを頼んだ。
(まぁ、金の心配はする必要ないよな)
先日、グリフォンの翼は一応ギルドが買い取ったので、大金が懐に入ってきた。
訪れた店のメニューはどれも平均より高いが、そこまで痛手にはならない。
なんてティールは考えているが、そもそもクララは二人にお金を払わせるつもりなど、一ミリもない。
「改めて、お礼を言わせてください。お二人のお陰で、私たちは命を散らさずに済みました。本当に、感謝しています」
クララが二人に頭を下げたと同時に、護衛の者たちも綺麗に腰を折り、二人に感謝の意を伝えた。
「ど、どうも」
俺たちは元々グリフォンを狙っていたので、別にお礼なんて結構ですよ。
そんな言葉が口から出そうになったが、それをグッと堪えてクララたちの感謝を素直に受け取った。
「ただ、その……私の様な者がこんな事を言うべきではないと思いますが、倒し終えたのなら一度街に戻った方がよろしいかと思います」
「そ、そうですね。以後気を付けます」
ティールとラストがバラックに戻ってから、関わりのあったBランクの先輩冒険者に思いっきり抱きしめられたという話は、クララの耳にも入っていた。
「ティールさん、ラストさん。こちらを受け取ってください」
話が戻り、クララは自分たちの命を救ってくれた二人に対し、袋一杯に入ったお金をテーブルに置いた。
「ッ!?」
袋の大きさ、パンパンな様子を見る限り……先日マリアから頂いた大剣の料金よりも多いかもしれない。
(い、いくら入ってるんだ?)
なんてそれらしい考えを持ちながらも、やはり受け取れないと思い、後ろで立っている護衛の者に助けを求めた。
しかし、是非とも受け取っていただきたという表情で軽く頭を下げられ、退路が立たれた。
パーティーメンバーであるラストとしては、Bランクであるグリフォンやその他のモンスターの襲撃から助けた。
その事実を考えれば、目の前の謝礼金は当然と思っているので、受け取りを拒否する理由はない。
特にラストからも受けたらない方が良い、なんて雰囲気はなかったため、ティールは恐る恐る硬貨がパンパンに入っている袋を一瞬だけ覗き、直ぐに亜空間にしまった。
そのタイミングで注文した飲み物や料理が運ばれ、緊張した空気は終わり、緩く他愛もない会話が始まった。
最初の頃はまだまだ緊張していたティールだが、クララの人当たりが良いところもあって、徐々に緊張の糸が緩んでいった。
しかし、相手が貴族の令嬢だということは忘れておらず、言葉遣いには気を使い続ける。
勿論、この時ばかりはラストもなるべく丁寧な口調で話すよう、努力した。
そしてお互いに今までのことを話すようになり……クララがティールの過去をある程度聞いたタイミングで、少し表情が変わった。
それはほんの一瞬であり、その後も話は続いたが……最後の最後で、また真剣な表情になり、クララはあることをティールに尋ねた。
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