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子供だろ?
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「ちょっ、なんで帰るのよ!!!」
「なんでって、もう時間的にあれだから一旦街に帰るんだよ」
このままペルニクスが帰ってくるまで待ち、そのまま倒してくれると思っていたウィスタリスにとって、予想外の答えだった。
「え~~~、もうちょっと待ってれば帰ってくるって」
「……とりあえず、俺たちは一旦街に戻る。明日、またここに来る。約束は守れよ」
お前が見た目に反して馬鹿っぽい性格をしてるから、その情報は信用できない……とは言わなかった。
言えば確実にウィスタリスは怒り、今後ペルニクスを倒してもイライラが収まらない可能性がある。
それが容易に想像できたため、ティールはグッと本音を堪えた。
「分かってるわよ……ちぇっ。今日倒してくれても良いじゃない」
小さな声でそう呟いたウィスタリスだったが、その声はしっかりとラストの耳に入っていた。
そして……出会った当初からウィスタリスのことを気に入らなかったラストの顔には青筋が浮かび上がり、一目で怒っていることが解る。
「貴様、それ以上がたがたぬかせば、ペルニクスではなく貴様を潰すぞ」
「ひっ!!!!」
戦意や敵意どころか殺意まで全開状態の圧に、ウィスタリスは普段は出さない声を上げ、腰を抜かした。
「な、なによ!! 私、これでもそこそこ強いのよ!!!」
「なら……今ここでやるか」
「えっ。いや、それは……ははは。ごめんなさい」
ラストが五十パーセント程度の怒りや、冗談で言っているのではなく……ティールが許可を出せば、今すぐにでも自分を殺しに掛かってくると解り、さすがに謝った。
「ふん。寛大な心を持つマスターに感謝するんだな」
先程まで抑えていた怒りが爆発寸前状態になり、ラストの怒りは直ぐに収まらなかった。
「ラスト、街に戻るまでには消化しておけよ。そのまま街に入れば、すれ違う人皆驚いて腰抜かすことになるぞ」
「……それは良くないな」
主人にどうにかしろと言われ、数度深呼吸を行って心を落ち着かせる。
それだけでウィスタリスに対する怒りが収まることはないが、それでも幾分かは落ち着いた。
「ふぅーーー……マスター、本当にあの精霊を潰さなくて良かったのか」
幾分落ち着きはしたが、まだラストの中に過激な思いが残っていた。
「ラスト、お前まだその選択を考えてたのか?」
「精霊は、確か魔力が通った攻撃であれば、潰すことが出来る」
ラストの言う通り、二人にはペルニクスを倒さずに人の事情など考えずに迷惑を掛けている元凶の、ウィスタリスを潰せる力がある。
「いや、そりゃそうなんだけどさ」
師匠の一人であるリースから教えてもらっているので、ティールも自分たちなら倒せると解っている。
ただ、ティールはその選択を選ぼうとはしなかった。
理由としては……今ここでウィスタリスを殺してしまえば、今後出会うかもしれない精霊全てと敵対する可能性がある。
「でも、どうせなら平和的に解決した方が良いだろ。あそこを住処にしているペルニクスを倒せば、Bランクモンスターの素材も手に入るんだしな」
「……マスターは本当に冷静というか、大人だな」
「いや、俺だってウィスタリスの態度にイラつきはしたぞ。けどな……こう、冷静に見るとさ……子供だろ」
「子供だな」
「あんだけ大人っぽい見た目してるくせに、あんな駄々っ子みたいな態度を取る自分を一切恥ずかしいと思っていない。それを冷静に考えると、凄いバカだなと思えてさ」
我儘な部分も含めて、ティールは本当にウィスタリスを馬鹿でバカだなと思った。
目の前の駄々っ子精霊がバカ過ぎると思うと……なんだか怒りも薄まってしまった。
「馬鹿過ぎる正真正銘の馬鹿、か……なるほど。そう考えると、あの精霊に対する怒りがやや薄まった」
「だろ。子供で更に馬鹿なんだから、仕方ないって思うしかない」
ウィスタリスに対して事実だが超失礼なことを話しながら街に戻り、翌日……二人はウィスタリスに宣言した通り、ペルニクスの拠点地へと訪れた。
「なんでって、もう時間的にあれだから一旦街に帰るんだよ」
このままペルニクスが帰ってくるまで待ち、そのまま倒してくれると思っていたウィスタリスにとって、予想外の答えだった。
「え~~~、もうちょっと待ってれば帰ってくるって」
「……とりあえず、俺たちは一旦街に戻る。明日、またここに来る。約束は守れよ」
お前が見た目に反して馬鹿っぽい性格をしてるから、その情報は信用できない……とは言わなかった。
言えば確実にウィスタリスは怒り、今後ペルニクスを倒してもイライラが収まらない可能性がある。
それが容易に想像できたため、ティールはグッと本音を堪えた。
「分かってるわよ……ちぇっ。今日倒してくれても良いじゃない」
小さな声でそう呟いたウィスタリスだったが、その声はしっかりとラストの耳に入っていた。
そして……出会った当初からウィスタリスのことを気に入らなかったラストの顔には青筋が浮かび上がり、一目で怒っていることが解る。
「貴様、それ以上がたがたぬかせば、ペルニクスではなく貴様を潰すぞ」
「ひっ!!!!」
戦意や敵意どころか殺意まで全開状態の圧に、ウィスタリスは普段は出さない声を上げ、腰を抜かした。
「な、なによ!! 私、これでもそこそこ強いのよ!!!」
「なら……今ここでやるか」
「えっ。いや、それは……ははは。ごめんなさい」
ラストが五十パーセント程度の怒りや、冗談で言っているのではなく……ティールが許可を出せば、今すぐにでも自分を殺しに掛かってくると解り、さすがに謝った。
「ふん。寛大な心を持つマスターに感謝するんだな」
先程まで抑えていた怒りが爆発寸前状態になり、ラストの怒りは直ぐに収まらなかった。
「ラスト、街に戻るまでには消化しておけよ。そのまま街に入れば、すれ違う人皆驚いて腰抜かすことになるぞ」
「……それは良くないな」
主人にどうにかしろと言われ、数度深呼吸を行って心を落ち着かせる。
それだけでウィスタリスに対する怒りが収まることはないが、それでも幾分かは落ち着いた。
「ふぅーーー……マスター、本当にあの精霊を潰さなくて良かったのか」
幾分落ち着きはしたが、まだラストの中に過激な思いが残っていた。
「ラスト、お前まだその選択を考えてたのか?」
「精霊は、確か魔力が通った攻撃であれば、潰すことが出来る」
ラストの言う通り、二人にはペルニクスを倒さずに人の事情など考えずに迷惑を掛けている元凶の、ウィスタリスを潰せる力がある。
「いや、そりゃそうなんだけどさ」
師匠の一人であるリースから教えてもらっているので、ティールも自分たちなら倒せると解っている。
ただ、ティールはその選択を選ぼうとはしなかった。
理由としては……今ここでウィスタリスを殺してしまえば、今後出会うかもしれない精霊全てと敵対する可能性がある。
「でも、どうせなら平和的に解決した方が良いだろ。あそこを住処にしているペルニクスを倒せば、Bランクモンスターの素材も手に入るんだしな」
「……マスターは本当に冷静というか、大人だな」
「いや、俺だってウィスタリスの態度にイラつきはしたぞ。けどな……こう、冷静に見るとさ……子供だろ」
「子供だな」
「あんだけ大人っぽい見た目してるくせに、あんな駄々っ子みたいな態度を取る自分を一切恥ずかしいと思っていない。それを冷静に考えると、凄いバカだなと思えてさ」
我儘な部分も含めて、ティールは本当にウィスタリスを馬鹿でバカだなと思った。
目の前の駄々っ子精霊がバカ過ぎると思うと……なんだか怒りも薄まってしまった。
「馬鹿過ぎる正真正銘の馬鹿、か……なるほど。そう考えると、あの精霊に対する怒りがやや薄まった」
「だろ。子供で更に馬鹿なんだから、仕方ないって思うしかない」
ウィスタリスに対して事実だが超失礼なことを話しながら街に戻り、翌日……二人はウィスタリスに宣言した通り、ペルニクスの拠点地へと訪れた。
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