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確かにヤバくはある
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「失礼しま~す」
二人が訪れた店は、ダンジョンで手に入る宝箱を解錠する専門の店。
特定の街でしか需要がなく、成り立たない専門店。
「いらっしゃい。要件は罠の解錠……って、お客さんはあれか……今噂のヤバヤバルーキーか?」
「や、ヤバヤバ?」
カウンターの後ろで椅子に座る男は、これといって大きな特徴はない平凡そのもの。
と、言い切るには少々難しい立派な筋肉を有している。
(この男、やはり元冒険者か)
筋肉ゴリマッチョ、というほど筋肉モリモリではないが、元現役を感じさせる強さを持つ。
イガルディスで宝箱の罠解錠専門点をやっているのも、現役時代に得た技術で商売出来るから。
「まだ冒険者歴一年ないにも関わらず、森林暗危をあっという間に攻略して、喧嘩売ってきたルーキーの骨をバキバキに折ったんだろ」
「え、いや、その……間違っては、いないですけど」
「なら、ヤバヤバルーキーで合ってるな」
店主の言葉は間違っていないが、否定出来ないのが本人は少々辛かった。
「解ってるよ。お前らの実力に嫉妬して喧嘩売ってきたんだろ。どの時代でも、そういうのは変わらないからな……っと、面倒なおっさんになるところだったぜ。さっそく商売の話をしようや」
カウンターの上に一つの壁にぶら下げていた紙を置き、二人に詳しく見せる。
「罠のレベルによって、解錠する値段はこんなもんだが、これで良いか確認してくれ」
「…………問題ありません、お願いします」
解錠士は、罠を解錠するのに、基本的に金が掛からない。
必要なのは今まで積んできた確かな経験と技術力のみ。
しかし、失敗すれば……命が危機にさらされる。
そのため、それなりの料金を取る。
「ほぅ、随分あっさりと受け入れるんだな。もっと安くしろって言ってくる輩が結構いるんだけどな」
「これらの価格が良心的なのは知ってるので」
冒険者ギルドに居れば、偶にパーティーメンバーにそういったスキルを持つ者がいないパーティーが、解錠スキルを有している者に頼む会話を耳にする。
解錠スキルを有している冒険者は、相手の足元を見て値段を吹っ掛ける。
当然、その値段通り頼む冒険者は少ないが、なんだかんだでちょっと痛い出費になる。
「ほぅ……実力だけじゃなくて、情報収集力も一流に負けず劣らずってところか。オーケー、とりあえずお前らが持ってる宝箱を出してくれ」
「分かりました」
言われるがままに、ティールは亜空間の中から宝箱を取り出し始めた。
「……ん? お、おい…………ちょ、待て、ストップ!!」
「はい」
「お、お前ら……どれだけ集めたんだ?」
店主の前には、既に十以上の宝箱が置かれていた。
ティールが空間収納を使えること自体には驚かない。
ただ、取り出す宝箱の数には音路数にはいられなかった。
「まだそこそこありますけど……一旦出すの止めますね」
「そうしてくれ」
それなりの数を持っているだろうとは思っていた。
思っていたが、少々予想外の数に慌てる……が、稼ぎ時であることに間違いはない。
「まだ空間収納にしまってるのも解錠はするが、ちょっと待っててくれ。んじゃ、仕事場に来てくれ」
クローズという意味の言葉が書かれた札を扉のドアノブに引っかけ、仕事場に移動。
「ふぅ…………よし!!」
気合を一つ入れ、現役時代に手に入れた結界タイプのマジックアイテムを発動。
これで、万が一客に罠の被害が及ぶことを防ぐ。
(仕事場……と言うには、結構簡素だな)
殆ど何もない空間ではあるが、こちらも万が一の事は考えられており、壁や床、天井は頑丈なつくりとなっている。
「よし、次」
数分で罠、錠の解錠を終え、次の宝箱に取り掛かる。
その集中力と手際の良さに、二人は感嘆した。
この技術力がいるのに文句を吐く客がいるのかと思うと、よっぽどその客はクソアホなのだろうと思えて仕方がない。
「これで……全部だな」
最終的に店主が仕事を終えたのは、一時間と数十分後だった。
二人が訪れた店は、ダンジョンで手に入る宝箱を解錠する専門の店。
特定の街でしか需要がなく、成り立たない専門店。
「いらっしゃい。要件は罠の解錠……って、お客さんはあれか……今噂のヤバヤバルーキーか?」
「や、ヤバヤバ?」
カウンターの後ろで椅子に座る男は、これといって大きな特徴はない平凡そのもの。
と、言い切るには少々難しい立派な筋肉を有している。
(この男、やはり元冒険者か)
筋肉ゴリマッチョ、というほど筋肉モリモリではないが、元現役を感じさせる強さを持つ。
イガルディスで宝箱の罠解錠専門点をやっているのも、現役時代に得た技術で商売出来るから。
「まだ冒険者歴一年ないにも関わらず、森林暗危をあっという間に攻略して、喧嘩売ってきたルーキーの骨をバキバキに折ったんだろ」
「え、いや、その……間違っては、いないですけど」
「なら、ヤバヤバルーキーで合ってるな」
店主の言葉は間違っていないが、否定出来ないのが本人は少々辛かった。
「解ってるよ。お前らの実力に嫉妬して喧嘩売ってきたんだろ。どの時代でも、そういうのは変わらないからな……っと、面倒なおっさんになるところだったぜ。さっそく商売の話をしようや」
カウンターの上に一つの壁にぶら下げていた紙を置き、二人に詳しく見せる。
「罠のレベルによって、解錠する値段はこんなもんだが、これで良いか確認してくれ」
「…………問題ありません、お願いします」
解錠士は、罠を解錠するのに、基本的に金が掛からない。
必要なのは今まで積んできた確かな経験と技術力のみ。
しかし、失敗すれば……命が危機にさらされる。
そのため、それなりの料金を取る。
「ほぅ、随分あっさりと受け入れるんだな。もっと安くしろって言ってくる輩が結構いるんだけどな」
「これらの価格が良心的なのは知ってるので」
冒険者ギルドに居れば、偶にパーティーメンバーにそういったスキルを持つ者がいないパーティーが、解錠スキルを有している者に頼む会話を耳にする。
解錠スキルを有している冒険者は、相手の足元を見て値段を吹っ掛ける。
当然、その値段通り頼む冒険者は少ないが、なんだかんだでちょっと痛い出費になる。
「ほぅ……実力だけじゃなくて、情報収集力も一流に負けず劣らずってところか。オーケー、とりあえずお前らが持ってる宝箱を出してくれ」
「分かりました」
言われるがままに、ティールは亜空間の中から宝箱を取り出し始めた。
「……ん? お、おい…………ちょ、待て、ストップ!!」
「はい」
「お、お前ら……どれだけ集めたんだ?」
店主の前には、既に十以上の宝箱が置かれていた。
ティールが空間収納を使えること自体には驚かない。
ただ、取り出す宝箱の数には音路数にはいられなかった。
「まだそこそこありますけど……一旦出すの止めますね」
「そうしてくれ」
それなりの数を持っているだろうとは思っていた。
思っていたが、少々予想外の数に慌てる……が、稼ぎ時であることに間違いはない。
「まだ空間収納にしまってるのも解錠はするが、ちょっと待っててくれ。んじゃ、仕事場に来てくれ」
クローズという意味の言葉が書かれた札を扉のドアノブに引っかけ、仕事場に移動。
「ふぅ…………よし!!」
気合を一つ入れ、現役時代に手に入れた結界タイプのマジックアイテムを発動。
これで、万が一客に罠の被害が及ぶことを防ぐ。
(仕事場……と言うには、結構簡素だな)
殆ど何もない空間ではあるが、こちらも万が一の事は考えられており、壁や床、天井は頑丈なつくりとなっている。
「よし、次」
数分で罠、錠の解錠を終え、次の宝箱に取り掛かる。
その集中力と手際の良さに、二人は感嘆した。
この技術力がいるのに文句を吐く客がいるのかと思うと、よっぽどその客はクソアホなのだろうと思えて仕方がない。
「これで……全部だな」
最終的に店主が仕事を終えたのは、一時間と数十分後だった。
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