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心強い味方?
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「あっ、でもジンさん。俺貴族の知り合いができたんですよ」
「なに?」
「向こうからすれば、マスターは恩人という立場だ」
「……それって、昨日話してたドラゴンの涙を手に入れてって奴か」
先日の記憶を思い出し、何故ティールが明るい笑顔で大丈夫なのでは? と反論してきたのか理解。
(確か伯爵、だったか? 確かに娘の命を助けた恩人となれば、その恩人の危機には何とか助けようと駆けつけてくれる、か)
命を救えば、命の恩人であることに変わりはない。
しかし……ティール、そしてラストの場合は、薬を造るのに必要な最重要素材、ドラゴンの涙を手に入れる為にAランクモンスター……レグレザイアに挑んだ。
その実力と勇気を考えれば、他の事例と比べて恩を強く感じていてもおかしくない。
「なんなら、ジンさんの防具をレグレザイアの鱗で造りますか?」
「アホ言ってんじゃねぇ。お前が用意してくれたBランクモンスターの素材だけで十分だっての」
備えあれば患いなしというのは、まさにその通り。
だが、いくらなんでもAランクモンスターの素材から造られた武器や素材が必要になるほどの強敵が襲ってくることは、まずない。
(いや、本当に十分過ぎるぜ。正直……今からでも現役復帰したくなるぐらいの豪華さだ)
親方の腕を信用していることもあり、出来上がる武器や防具が楽しみで楽しみで仕方ない。
「どうせなら、いつかジンさんの後継者になる人の為に、幾つかBランクモンスターの素材を使った武器を用意しておきますか?」
「ティール……お前、若干楽しんでるところあるだろ」
「い、いや。別にそんなことないですよ」
間違いなく少々楽しんでいた。
それなりに街から街へ渡り歩き、冒険を積み重ねてきたティールから見ても、故郷の自警団たちはそれなりの強さを有している。
なので、彼らがその実力に相応しい装備を身に付ければ……と考えると、自然とワクワクしてしまう。
「ったく。でも、個人的には多くの種類の武器を用意してほしいって気持ちはあるな。今自警団に所属してる奴らや、俺がちょいちょい鍛えてる奴らにとって、ロングソードや槍だけが合う武器とは限らねぇからな」
「なるほど……確かにそもそも武器がないと、隠れた才能が発揮されませんもんね」
先天的なスキルを得られなかったとしても、決して才能がゼロではない。
「多分、今の親方に頼めば、ノリノリで造ってくれると思いますよ」
「そりゃそうだろうな。俺が鍛冶師だったら、これだけの御馳走を用意されたら、休む間もなく造り続けてしまうぜ」
「セント兄さん、親方を止めるのに苦労しそうですね」
兄の苦労を他人事のように呟きながら、ティールは別の場所へ移動。
その場所とは……リースの家。
「ん? あんな子いたっけ」
家から少し離れた場所でリースが一人の少女に魔法の指導を行っていた。
「あら、ティールじゃない。どうしたの?」
「よっとリースさんに用事があって。それで……隣の子は誰なんですか?」
ティールの記憶が正しければ、リースが妊娠していた……もしくは隠し子がいたという情報は皆無。
「この子はティールが旅立ってから少し経った後、近くの森で倒れてたところを保護したの」
「へぇ~~、そんな事があったんですね……俺の名前はティール、こっちは仲間のラスト。よろしく」
「シーア、です」
ティールの正々堂々、真っすぐな目で軽い自己紹介を行ったことで、ほんの少しだけ警戒心が和らぎ、自身の名前を告げた。
「今の教え子たちの中じゃ、この子が一番優秀なのよ。まっ、ハーフエルフだから魔法適性が高いというのもあるけど」
「やっぱりそうだったんですね」
耳の特徴、長さからティールとラストもある程度予想出来ていた。
「それで、ティール。私に用事って?」
「これをリースさんに渡そうと思って」
「何々……………………てぃ、ティール。何、これ?」
袋の中身を見たリースは、数秒間のフリーズ後、口を震わせながら尋ねた。
「なに?」
「向こうからすれば、マスターは恩人という立場だ」
「……それって、昨日話してたドラゴンの涙を手に入れてって奴か」
先日の記憶を思い出し、何故ティールが明るい笑顔で大丈夫なのでは? と反論してきたのか理解。
(確か伯爵、だったか? 確かに娘の命を助けた恩人となれば、その恩人の危機には何とか助けようと駆けつけてくれる、か)
命を救えば、命の恩人であることに変わりはない。
しかし……ティール、そしてラストの場合は、薬を造るのに必要な最重要素材、ドラゴンの涙を手に入れる為にAランクモンスター……レグレザイアに挑んだ。
その実力と勇気を考えれば、他の事例と比べて恩を強く感じていてもおかしくない。
「なんなら、ジンさんの防具をレグレザイアの鱗で造りますか?」
「アホ言ってんじゃねぇ。お前が用意してくれたBランクモンスターの素材だけで十分だっての」
備えあれば患いなしというのは、まさにその通り。
だが、いくらなんでもAランクモンスターの素材から造られた武器や素材が必要になるほどの強敵が襲ってくることは、まずない。
(いや、本当に十分過ぎるぜ。正直……今からでも現役復帰したくなるぐらいの豪華さだ)
親方の腕を信用していることもあり、出来上がる武器や防具が楽しみで楽しみで仕方ない。
「どうせなら、いつかジンさんの後継者になる人の為に、幾つかBランクモンスターの素材を使った武器を用意しておきますか?」
「ティール……お前、若干楽しんでるところあるだろ」
「い、いや。別にそんなことないですよ」
間違いなく少々楽しんでいた。
それなりに街から街へ渡り歩き、冒険を積み重ねてきたティールから見ても、故郷の自警団たちはそれなりの強さを有している。
なので、彼らがその実力に相応しい装備を身に付ければ……と考えると、自然とワクワクしてしまう。
「ったく。でも、個人的には多くの種類の武器を用意してほしいって気持ちはあるな。今自警団に所属してる奴らや、俺がちょいちょい鍛えてる奴らにとって、ロングソードや槍だけが合う武器とは限らねぇからな」
「なるほど……確かにそもそも武器がないと、隠れた才能が発揮されませんもんね」
先天的なスキルを得られなかったとしても、決して才能がゼロではない。
「多分、今の親方に頼めば、ノリノリで造ってくれると思いますよ」
「そりゃそうだろうな。俺が鍛冶師だったら、これだけの御馳走を用意されたら、休む間もなく造り続けてしまうぜ」
「セント兄さん、親方を止めるのに苦労しそうですね」
兄の苦労を他人事のように呟きながら、ティールは別の場所へ移動。
その場所とは……リースの家。
「ん? あんな子いたっけ」
家から少し離れた場所でリースが一人の少女に魔法の指導を行っていた。
「あら、ティールじゃない。どうしたの?」
「よっとリースさんに用事があって。それで……隣の子は誰なんですか?」
ティールの記憶が正しければ、リースが妊娠していた……もしくは隠し子がいたという情報は皆無。
「この子はティールが旅立ってから少し経った後、近くの森で倒れてたところを保護したの」
「へぇ~~、そんな事があったんですね……俺の名前はティール、こっちは仲間のラスト。よろしく」
「シーア、です」
ティールの正々堂々、真っすぐな目で軽い自己紹介を行ったことで、ほんの少しだけ警戒心が和らぎ、自身の名前を告げた。
「今の教え子たちの中じゃ、この子が一番優秀なのよ。まっ、ハーフエルフだから魔法適性が高いというのもあるけど」
「やっぱりそうだったんですね」
耳の特徴、長さからティールとラストもある程度予想出来ていた。
「それで、ティール。私に用事って?」
「これをリースさんに渡そうと思って」
「何々……………………てぃ、ティール。何、これ?」
袋の中身を見たリースは、数秒間のフリーズ後、口を震わせながら尋ねた。
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