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あなたの腕は本物だ
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「よぅ、兄さん。調子はどうだ?」
「順調と言えば順調かな。今は休憩中だ」
子供たちへの指導を終えた昼過ぎ、ティールとラストは暇つぶしに工房へ訪れた。
「それにしても……ティール、冒険者ってのはそんなに儲かるのか?」
ティールが必要な素材や、自分たちの為に購入してくれた鉱石などのお陰で、自身の腕を上げるのに困ることはない。
ただ、モンスターの素材はともかく、鉱石などは自身の手で採集する方法もあるが、本人から大半は買ったと聞いている。
「俺の場合、ギルドまで持って帰れる量が多いから、他の冒険者よりも儲けてるだよ」
「実力もあるから、金になるモンスターもそこまで苦労せず倒せるって訳か」
「自慢になってしまうけど、そういうことになるね……それで、そこら辺に置いてあるのが、自警団の装備なんだよね」
「おぅ、親方が造った渾身の作品たちだ」
冒険者として多くの武器、防具を見てきたティールとラスト。
箱の中に入っている品々が決して並みの職人では造れないクオリティだと、一目で見抜く。
「やっぱり、親方に素材を渡して正解だったね」
「うむ……良い品だな」
「親方はティールがこれだけ大量の素材や鉱石を用意してくれたからこそ、ここ最近腕が一つ上がった気がするって言ってたよ」
「それは良かった……うん、良かった」
良いことに変わりはない。
ただ、鍛冶の腕が……もっと細かく言えば、鍛冶スキルがレベルアップすれば、同じ素材を使ったとしても、少なからずクオリティが上昇する。
そうなってくると、まだ造られていないジンの新しいロングソードは、いったいどれほどの品質になるのか。
(……まっ、村長も村人たちも村での生活に文句があるって訳ではなさそうだし、別に反乱なんて起こさないよな)
さすがにそれは勘弁してほしいと願うティール。
「おぅ、お前ら来てたのか」
「お疲れ様です、親方」
「むっ……すまんな、甘えさせてもらうぜ」
ティールが亜空間から取り出した冷えた果実水を一気に飲み干し、火照った体を落ち着かせる。
「ふぅーーーー。酒が呑めたら最高だったんだが、贅沢は言ってられねぇな」
「全部の仕事が終わったら、ジンさんやリースさんたちと一緒に吞みますか?」
「……それも悪かねぇな。ところでティール……本当に、アサルトレパードの素材とか使っちまっても良いのか?」
弟子であるセントに鍛冶の腕が確実に一段上がったと伝えたのは、決して嘘や誇張ではなく、親方の腕は間違いなく
一段上の領域へ足を踏み入れた。
一流の鍛冶師が触れてこそのBランク以上の素材、ミスリル鉱石などを扱えるなんて正直なところ、狂喜乱舞もの。
ただ、まだ一度も触れたことがない品質の物であるため、いざ制作に移るとなると……本当に自分で良いのかという思いがこみ上げてくる。
「はい、全然大丈夫です!!!!」
そんな親方の内心を知らないティールは……超良い笑顔で大丈夫だと答えた。
(……人は人。大人であろうと子供であろうと、変わらない部分はある、か)
しかし、ラストは親方の心境を僅かに感じ取っていた。
「今、そこにはあなたが積み上げてきた結晶が形になった物がある。あまり偉そうに語れるほど多くの武器を見てきた訳ではないが、あなたは一流の鍛冶師に劣っていない……それが俺の感想だ」
自分の半分程しか生きていない若造に心の内を見透かされた。
その事実に……特に怒りは感じなかった。
(若い者にここまで励まされるとは……いや、俺が弱音を吐いたからだ。ったく、弟子の前で情けない背中を見せちまったな)
もう、その顔に迷いは一寸たりとも残っていなかった。
「ありがとよ、ラスト。仕事が終わったらお前も一緒に呑もうぜ」
「……あぁ、分かった」
雑念を完璧に振り払った親方は本日最後の一振りに全集中。
見事素材の価値、質を無駄にすることなく、ランク五のロングソードを完成させた。
「順調と言えば順調かな。今は休憩中だ」
子供たちへの指導を終えた昼過ぎ、ティールとラストは暇つぶしに工房へ訪れた。
「それにしても……ティール、冒険者ってのはそんなに儲かるのか?」
ティールが必要な素材や、自分たちの為に購入してくれた鉱石などのお陰で、自身の腕を上げるのに困ることはない。
ただ、モンスターの素材はともかく、鉱石などは自身の手で採集する方法もあるが、本人から大半は買ったと聞いている。
「俺の場合、ギルドまで持って帰れる量が多いから、他の冒険者よりも儲けてるだよ」
「実力もあるから、金になるモンスターもそこまで苦労せず倒せるって訳か」
「自慢になってしまうけど、そういうことになるね……それで、そこら辺に置いてあるのが、自警団の装備なんだよね」
「おぅ、親方が造った渾身の作品たちだ」
冒険者として多くの武器、防具を見てきたティールとラスト。
箱の中に入っている品々が決して並みの職人では造れないクオリティだと、一目で見抜く。
「やっぱり、親方に素材を渡して正解だったね」
「うむ……良い品だな」
「親方はティールがこれだけ大量の素材や鉱石を用意してくれたからこそ、ここ最近腕が一つ上がった気がするって言ってたよ」
「それは良かった……うん、良かった」
良いことに変わりはない。
ただ、鍛冶の腕が……もっと細かく言えば、鍛冶スキルがレベルアップすれば、同じ素材を使ったとしても、少なからずクオリティが上昇する。
そうなってくると、まだ造られていないジンの新しいロングソードは、いったいどれほどの品質になるのか。
(……まっ、村長も村人たちも村での生活に文句があるって訳ではなさそうだし、別に反乱なんて起こさないよな)
さすがにそれは勘弁してほしいと願うティール。
「おぅ、お前ら来てたのか」
「お疲れ様です、親方」
「むっ……すまんな、甘えさせてもらうぜ」
ティールが亜空間から取り出した冷えた果実水を一気に飲み干し、火照った体を落ち着かせる。
「ふぅーーーー。酒が呑めたら最高だったんだが、贅沢は言ってられねぇな」
「全部の仕事が終わったら、ジンさんやリースさんたちと一緒に吞みますか?」
「……それも悪かねぇな。ところでティール……本当に、アサルトレパードの素材とか使っちまっても良いのか?」
弟子であるセントに鍛冶の腕が確実に一段上がったと伝えたのは、決して嘘や誇張ではなく、親方の腕は間違いなく
一段上の領域へ足を踏み入れた。
一流の鍛冶師が触れてこそのBランク以上の素材、ミスリル鉱石などを扱えるなんて正直なところ、狂喜乱舞もの。
ただ、まだ一度も触れたことがない品質の物であるため、いざ制作に移るとなると……本当に自分で良いのかという思いがこみ上げてくる。
「はい、全然大丈夫です!!!!」
そんな親方の内心を知らないティールは……超良い笑顔で大丈夫だと答えた。
(……人は人。大人であろうと子供であろうと、変わらない部分はある、か)
しかし、ラストは親方の心境を僅かに感じ取っていた。
「今、そこにはあなたが積み上げてきた結晶が形になった物がある。あまり偉そうに語れるほど多くの武器を見てきた訳ではないが、あなたは一流の鍛冶師に劣っていない……それが俺の感想だ」
自分の半分程しか生きていない若造に心の内を見透かされた。
その事実に……特に怒りは感じなかった。
(若い者にここまで励まされるとは……いや、俺が弱音を吐いたからだ。ったく、弟子の前で情けない背中を見せちまったな)
もう、その顔に迷いは一寸たりとも残っていなかった。
「ありがとよ、ラスト。仕事が終わったらお前も一緒に呑もうぜ」
「……あぁ、分かった」
雑念を完璧に振り払った親方は本日最後の一振りに全集中。
見事素材の価値、質を無駄にすることなく、ランク五のロングソードを完成させた。
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