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相手は誰?
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(強い!!! ここまで強い昆虫系のモンスターと戦うのは、初めてだな!!!!)
森林暗危という名のダンジョンを探索した際、昆虫系のモンスターとは何度も交戦している。
しかし、目の前の赫いカブトムシからは、完全に自分の命に手が届く危険度を感じる。
(まさか、ダンジョンを探索する前に、このような強力なモンスターと、戦えるとはな!!!!!)
いつものことではあるが、ラストは相手の強さが自分の命に手が届く強者だとしても、恐れ退くことはなく、好戦的な笑みを浮かべながら攻め続ける。
「ぬっ! でぇええやッ!!!!!」
「ッ!!!!」
ディレッドビートルのメイン武器は、カブトムシらしく鋼鉄の角。
人間が操る剣と比べれば挙動が読みやすくはあるものの、完全にぶつかりえば……部分竜化をしようしたラストであっても互角。
「マスター!!! 手助けは、無用で頼む!!!!」
「っ…………分かったよ。戦闘不能になったら交代だからな」
「了解!!!!!」
奴隷から頼み事をされた主人は大きなため息を吐きながらも、その闘争心を買って了承。
疾風瞬閃は抜剣したままであるが、先程までの様にいつでも遠距離攻撃を放てるように構えてはいなかった。
「いいのかい、ティール」
「……思った以上にあのカブトムシは強い。俺が森林暗危で戦った同じBランクの、メタルアーマドビートルよりも強い」
実際に手合わせはしていないが、攻撃力だけはメタルアーマドビートルよりも上だと断言出来るティール。
(さすがに防御力に関してはメタルアーマドビートルの方が上だろうけど、攻撃力は確実にこっちの方が上だ。そして機動力も僅かに……って考えると、総合的にはディレッドビートルの方が上だな)
ラストがとことどころで部分竜化を使用して対応しているにも関わらず、完全に押し切ることは出来ない。
アキラも偶にラストが自身の腕力を上昇させていることは把握しており……だからこそ、そのラストが力で負けている現状に少なからず驚きを感じていた。
「あの赫いカブトムシ……ディレッドビートルだったか。あのモンスターは、Bランクモンスターの中でも間違いなく上位に入るだろう」
「そうですね。攻撃力は間違いなくトップクラスかと」
「だが、あまりにも戦い慣れし過ぎてないか?」
戦闘が始まってから既に数分が経過している。
ラストの攻撃はまったく決まっていない訳ではないが、それでも今のところクリーンヒットはしておらず、魔力と体力が徐々に削られていっているのが現状。
(……確かに、少し妙だな。決してラストがスピードタイプではないとはいえ、攻撃が当たらない場面が多い……よっぽど人間と戦い慣れた個体なのか?)
可能性としてはあり得る。
しかし、次の瞬間……ティールの頭にもっとあり得そうな考えが浮かんだ。
「まさか……でも、あり得なくはない、か」
「何か解ったのかい、ティール」
「アキラさん、昨日の夜に何かしらの音が聞こえましたよね」
「そうだな」
本当に微かな音ではあったが、ラストやティールを含む三人の耳は、僅かな戦闘音を聞き取っていた。
「っ、もしやあのディレッドビートルは、あの夜戦っていた者の片割れ、ということか」
「おそらく。ただ、もう片方に関しては解りませんが」
アキラが辿り着いた考えは正しく、ディレッドビートルは前日の夜……冒険者たちはもう帰りたい、戦いたくない時間帯、多くのモンスターたちにとっては昼とさほど変わらない環境の中……あるモンスターと激闘を演じていた。
ティールも同じ考えには至ったものの、赫いカブトムシの激闘相手までは解らない。
(今のディレッドビートルはおそらくだけど、頭が冴えてる状態? だと思う。じゃなきゃ、Bランクモンスターでも、あそこまでラストの攻撃を躱せるのはおかしい)
昨日の夜……ディレッドビートルが激闘を演じていた相手は、空の死神グリフォン。
ディレッドビートルの感覚を最絶頂まで研ぎ澄ませるには……十分過ぎる相手だった。
森林暗危という名のダンジョンを探索した際、昆虫系のモンスターとは何度も交戦している。
しかし、目の前の赫いカブトムシからは、完全に自分の命に手が届く危険度を感じる。
(まさか、ダンジョンを探索する前に、このような強力なモンスターと、戦えるとはな!!!!!)
いつものことではあるが、ラストは相手の強さが自分の命に手が届く強者だとしても、恐れ退くことはなく、好戦的な笑みを浮かべながら攻め続ける。
「ぬっ! でぇええやッ!!!!!」
「ッ!!!!」
ディレッドビートルのメイン武器は、カブトムシらしく鋼鉄の角。
人間が操る剣と比べれば挙動が読みやすくはあるものの、完全にぶつかりえば……部分竜化をしようしたラストであっても互角。
「マスター!!! 手助けは、無用で頼む!!!!」
「っ…………分かったよ。戦闘不能になったら交代だからな」
「了解!!!!!」
奴隷から頼み事をされた主人は大きなため息を吐きながらも、その闘争心を買って了承。
疾風瞬閃は抜剣したままであるが、先程までの様にいつでも遠距離攻撃を放てるように構えてはいなかった。
「いいのかい、ティール」
「……思った以上にあのカブトムシは強い。俺が森林暗危で戦った同じBランクの、メタルアーマドビートルよりも強い」
実際に手合わせはしていないが、攻撃力だけはメタルアーマドビートルよりも上だと断言出来るティール。
(さすがに防御力に関してはメタルアーマドビートルの方が上だろうけど、攻撃力は確実にこっちの方が上だ。そして機動力も僅かに……って考えると、総合的にはディレッドビートルの方が上だな)
ラストがとことどころで部分竜化を使用して対応しているにも関わらず、完全に押し切ることは出来ない。
アキラも偶にラストが自身の腕力を上昇させていることは把握しており……だからこそ、そのラストが力で負けている現状に少なからず驚きを感じていた。
「あの赫いカブトムシ……ディレッドビートルだったか。あのモンスターは、Bランクモンスターの中でも間違いなく上位に入るだろう」
「そうですね。攻撃力は間違いなくトップクラスかと」
「だが、あまりにも戦い慣れし過ぎてないか?」
戦闘が始まってから既に数分が経過している。
ラストの攻撃はまったく決まっていない訳ではないが、それでも今のところクリーンヒットはしておらず、魔力と体力が徐々に削られていっているのが現状。
(……確かに、少し妙だな。決してラストがスピードタイプではないとはいえ、攻撃が当たらない場面が多い……よっぽど人間と戦い慣れた個体なのか?)
可能性としてはあり得る。
しかし、次の瞬間……ティールの頭にもっとあり得そうな考えが浮かんだ。
「まさか……でも、あり得なくはない、か」
「何か解ったのかい、ティール」
「アキラさん、昨日の夜に何かしらの音が聞こえましたよね」
「そうだな」
本当に微かな音ではあったが、ラストやティールを含む三人の耳は、僅かな戦闘音を聞き取っていた。
「っ、もしやあのディレッドビートルは、あの夜戦っていた者の片割れ、ということか」
「おそらく。ただ、もう片方に関しては解りませんが」
アキラが辿り着いた考えは正しく、ディレッドビートルは前日の夜……冒険者たちはもう帰りたい、戦いたくない時間帯、多くのモンスターたちにとっては昼とさほど変わらない環境の中……あるモンスターと激闘を演じていた。
ティールも同じ考えには至ったものの、赫いカブトムシの激闘相手までは解らない。
(今のディレッドビートルはおそらくだけど、頭が冴えてる状態? だと思う。じゃなきゃ、Bランクモンスターでも、あそこまでラストの攻撃を躱せるのはおかしい)
昨日の夜……ディレッドビートルが激闘を演じていた相手は、空の死神グリフォン。
ディレッドビートルの感覚を最絶頂まで研ぎ澄ませるには……十分過ぎる相手だった。
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