あっさりと初恋が破れた俺、神からのギフトで倒して殺して奪う

Gai

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厭らしい

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「少し、休憩しようか」

探索を始めて数時間……ティールたちは適当な場所で休息を取り始めた。

「こういった場所で戦うのは初めてではないが、中々どうして戦り辛さがあるな」

「そうですね。普段、俺たちが戦ってる場所へ平地ですからね……でも、このダンジョンに生息しているモンスターには関係無い。これまで探索してきた洞窟や遺跡と比べて、どう考えてもこの山岳というエリアで行う戦闘の方が苦しい」

ティールたちも山岳といった場所で戦うのは初めてではないが、それでも改めてこういった場所での戦い辛さを感じていた。

「モンスターのランクや強さが上がっているだけではなく、環境による不利……か。ふふ、俺たちにとって丁度良いハンデだと思わないか?」

なんとも余裕たっぷりで、危うさを感じる言葉。

そんな言葉に対して……ティールとアキラは「あまり油断し過ぎるのは良くないぞ」という一般的な言葉を伝えることはなく、二人とも笑った。

「ふふ、まぁ……そうだね。そういうのを求めて、俺たちはダンジョンに挑んでる訳だし」

「うむ、その通りだ!!! 珍しい場所での戦いに、まだ戦った事のない未知のモンスターとの戦い。それこそ、私の求める戦いだ」

「とはいえ、こういった場所で熊系のモンスターが現れたことには、少し驚いたがな」

ラストの言葉に、二人は約一時間ほど前に起こった戦闘を思い出し、うんうんと何度も頷いた。

「熊系のモンスターとは何度も戦ったことがあるけど……こういう場所に生息してる熊系モンスターは、あんなにも身軽なんだね」

「あのモンスターだけが特別だという可能性は?」

「えっと、ちょっと待ってください………………このダンジョンの山岳地帯では、割と普通らしいですね」

「なるほど……ふっふっふ! であれば、次は私一人で戦おうか」

三人が遭遇した熊系モンスターはダッシュで三人に迫ろうとしたが、ティールが斬撃刃を放つと……熊とは思えない華麗な跳躍で回避し、着地後……直ぐに軽やかに攻撃を始めた。

結果として三人の圧勝に終わったものの、あの華麗な跳躍はティールたちに決して小さくない衝撃を与えた。

「動物系のモンスターが多いかと思えば、ゴブリンの上位種やコボルト上位種なども普通に生息している……一階層からニ十階層と比べて、面白いのは間違いないな」

面白い……というラストの言葉に、ティールは苦笑いしながらも頷いた。

(あんな華麗に動く熊系のモンスターがいることにも驚いたけど、一階層からニ十階層までと比べて、本当に出現するモンスターの種類が多い……それに、トラップも中々厭らしいというか……うん、ちょっとあれだよな)

斜面がある森もあり、そこでトラップを発動してしまうと……木が普通では有り得ない速度で倒れてくる、だけではなく、大量の花粉を飛ばし……一定時間、くしゃみが止まらないようにするトラップまである。

(くしゃみが止まらないってなんだよ、ってツッコんだけど……普通に考えれば中々嫌なトラップだよな)

くしゃみが止まらなくなる。
つまり、攻撃を行ってる最中に手元が狂うことがあり、うっかりパーティーメンバーを攻撃してしまうこともある。

遠距離攻撃を行う場合、必中の効果が付与された攻撃などでなければ、その場で襲撃してきたモンスターなど関係無く、大乱闘が始まってもおかしくない。

「マスターは、ここら辺の階層で、どんなモンスターと戦ってみたいとかあるか?」

「……まだ戦ったことがないモンスターとは、当然戦ってみたい。ただ……一番気になるモンスターってなると、山岳地帯なら……この、雷鳥ってモンスターかな」

山岳地帯である二十一階層から二十五階層の間では、非常に珍しい属性持ちの鳥獣。

三十一階層から三十五階層も山岳地帯ではあるが、そこでも姿を現すのが珍しい……Bランクのモンスター。

(……私も是非戦ってみたいと思っていたが、やはり最初の一体目はリーダーに譲るべきか)

(俺も気にはなっていたが……好みではない。遭遇すれば、マスターに譲るとしよう)

二人ともティールが楽しそうする笑みには敵わず、雷鳥との戦闘は譲ろうと決めた。
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