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解り易い数字
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「それじゃあ、今日も頑張っていきましょう」
「おう」
「あぁ」
ギルドからよければ、ルーキーたちの指導を行ってくれないかと頼まれてから数日後、じっくりと休んだティールたちは再びダンジョン探索へと向かった。
(とりあえず、四十階層まで攻略してからだな)
ダンジョンの攻略とは、冒険者にとって一つの大きな功績となる。
実際のところ、ティールは既に一つのダンジョンをラスト共に攻略していた。
それも十分な功績ではあるのだが、そのダンジョン……森林暗危の階層数は十五階層。
階層数が全てではなく、寧ろ森林暗危は階層数で油断していると痛い目に合うダンジョンである。
だが、それでも実際に潜ったことがある者にしか解らない部分はある。
それに対して、波状試練はダンジョンの階層数は四十階層。
目に見えて解り易く、完全攻略することが難しいと解る。
そこまで攻略することが出来れば、ティールが誰かを指導することになっても、十分な実績を積んでいれば……よっぽどのバカでなければその実績の意味を理解出来る。
「さて、情報通り三十一階層からはまた山岳みたいだけど……なんか、ちょっと天気がよろしくない、かな」
「みたいだな、マスター」
まだ雨や雪……雹などは降っていないものの、真っ白とは言えない雲が多い。
(そういえば、ダンジョン内で雨や雪とかに悩まされたことは、まだなかったな)
雨の中での探索が嫌ならば、今からでも戻ればいいのではないか。
それは確かに一つの案ではあるが……ティールたちは今しがたダンジョンに潜り始めたばかり。
今地上へ転移して戻れば「あいつら、何をしに行ったんだ?」と、バカにする様な視線を向けられる可能性は高い。
ティールはそこまで第三者からの評価を気にするタイプではないが……それでも歳相応に、イラっとする時は普通にイラつく。
「気にしてもしょうがない。これまで通りいこう」
ティールとラストは一応雨や雪が降っても行動出来る装備を有しており、アキラも冒険者生活の中でそういった装備も必要だと感じ、既に購入済みであった。
「そうだな………………それにしても、二十一階層から二十五階層までの山岳とは、雰囲気が異なるな」
「ん~~……だね。でも、三十一階層からの山岳地帯では、これが普通なんだろうね」
ギルドから買い取った地図には、しっかりと二十一階層から二十五階層までの山岳と、三十一階層から三十五階層までの山岳では階層の雰囲気が異なると記されていた。
雰囲気が違うと知っているだけで、何を得するのか?
それはベテランの冒険者たちであっても、上手く言葉に出来ない。
上手く言い表せられないが……知っているのと知っていないので、事前に心構えが出来る。
「……野性の気配、殺気などが充満している……と言ったところだろうか」
「うむ、なんとなくだが解る。なにはともあれ、これまでの階層以上に退屈しない探索が出来るということだな」
先程まで、雨が降るかもしれないのは少々面倒だなと考えていたラストだが、これまで以上に刺激的な冒険を送れると思うと、直ぐそちらに集中してしまった。
「ふふ、そうだね。多分だけど、ボス部屋に入る前に……アサルトレパードやアドバースコングみたいなモンスターと遭遇できると思うぞ」
階層図を見ているティールからそう告げられ、ラストは無意識に戦意むき出しの笑みを零した。
(良い顔をするじゃないか、ラスト。幼い子供たちが見れば、泣いて逃げ出しそうな顔だ…………しかし、それは私も同じか)
アキラは自覚していた。
今、自分もラストと同じく、他者を威圧するような笑みを浮かべていると。
それを見たティールは……特にツッコまなかった。
ダンジョンという場所で常に笑い続けることに関しては一旦置いておき、そういった笑みが零れてしまう……ダンジョンがそんな場所であるのは、特におかしい事ではなかった。
「おう」
「あぁ」
ギルドからよければ、ルーキーたちの指導を行ってくれないかと頼まれてから数日後、じっくりと休んだティールたちは再びダンジョン探索へと向かった。
(とりあえず、四十階層まで攻略してからだな)
ダンジョンの攻略とは、冒険者にとって一つの大きな功績となる。
実際のところ、ティールは既に一つのダンジョンをラスト共に攻略していた。
それも十分な功績ではあるのだが、そのダンジョン……森林暗危の階層数は十五階層。
階層数が全てではなく、寧ろ森林暗危は階層数で油断していると痛い目に合うダンジョンである。
だが、それでも実際に潜ったことがある者にしか解らない部分はある。
それに対して、波状試練はダンジョンの階層数は四十階層。
目に見えて解り易く、完全攻略することが難しいと解る。
そこまで攻略することが出来れば、ティールが誰かを指導することになっても、十分な実績を積んでいれば……よっぽどのバカでなければその実績の意味を理解出来る。
「さて、情報通り三十一階層からはまた山岳みたいだけど……なんか、ちょっと天気がよろしくない、かな」
「みたいだな、マスター」
まだ雨や雪……雹などは降っていないものの、真っ白とは言えない雲が多い。
(そういえば、ダンジョン内で雨や雪とかに悩まされたことは、まだなかったな)
雨の中での探索が嫌ならば、今からでも戻ればいいのではないか。
それは確かに一つの案ではあるが……ティールたちは今しがたダンジョンに潜り始めたばかり。
今地上へ転移して戻れば「あいつら、何をしに行ったんだ?」と、バカにする様な視線を向けられる可能性は高い。
ティールはそこまで第三者からの評価を気にするタイプではないが……それでも歳相応に、イラっとする時は普通にイラつく。
「気にしてもしょうがない。これまで通りいこう」
ティールとラストは一応雨や雪が降っても行動出来る装備を有しており、アキラも冒険者生活の中でそういった装備も必要だと感じ、既に購入済みであった。
「そうだな………………それにしても、二十一階層から二十五階層までの山岳とは、雰囲気が異なるな」
「ん~~……だね。でも、三十一階層からの山岳地帯では、これが普通なんだろうね」
ギルドから買い取った地図には、しっかりと二十一階層から二十五階層までの山岳と、三十一階層から三十五階層までの山岳では階層の雰囲気が異なると記されていた。
雰囲気が違うと知っているだけで、何を得するのか?
それはベテランの冒険者たちであっても、上手く言葉に出来ない。
上手く言い表せられないが……知っているのと知っていないので、事前に心構えが出来る。
「……野性の気配、殺気などが充満している……と言ったところだろうか」
「うむ、なんとなくだが解る。なにはともあれ、これまでの階層以上に退屈しない探索が出来るということだな」
先程まで、雨が降るかもしれないのは少々面倒だなと考えていたラストだが、これまで以上に刺激的な冒険を送れると思うと、直ぐそちらに集中してしまった。
「ふふ、そうだね。多分だけど、ボス部屋に入る前に……アサルトレパードやアドバースコングみたいなモンスターと遭遇できると思うぞ」
階層図を見ているティールからそう告げられ、ラストは無意識に戦意むき出しの笑みを零した。
(良い顔をするじゃないか、ラスト。幼い子供たちが見れば、泣いて逃げ出しそうな顔だ…………しかし、それは私も同じか)
アキラは自覚していた。
今、自分もラストと同じく、他者を威圧するような笑みを浮かべていると。
それを見たティールは……特にツッコまなかった。
ダンジョンという場所で常に笑い続けることに関しては一旦置いておき、そういった笑みが零れてしまう……ダンジョンがそんな場所であるのは、特におかしい事ではなかった。
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