あっさりと初恋が破れた俺、神からのギフトで倒して殺して奪う

Gai

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深くはない

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「少し、サシで呑まないかい」

「………………」

ジラーニから離れ、ファルティナの大秘境を目指すために最寄り街のガルダンデードへ向かう出発日の前夜、ティールはジェンの後輩であるヒツギに声を掛けられた。

周りには普段からヒツギと共に行動している者たちはおらず、一人だけ。

「……解ったよ」

既に夕食を食べ終えた後ではあるが、まだ腹は三分から四分ほど空いており、酔いも回っていない。
明日から別の街に移るということもあり、ティールはヒツギの誘いを受けることにした。

「乾杯」

「おぅ、乾杯」

ヒツギが偶に訪れるバーに入り、二人はウィスキーのロックで杯を鳴らした。

「……ふぅ~~~。どうだい、呑みやすいかな」

「…………そうだな。思ってたより呑みやすい」

お酒に詳しくないティールだが、ウィスキーという酒がアルコール度数が高いことは知っていたが、提供されたウィスキーは予想以上に呑みやすかった。

「もしかしなくても、もう数日後には別の街へ向かったりするのかな」

「良く解ったな。もう、この街でやり残したことはないからな」

隠すことではないため、明日には出発することを伝えた。
ただ……ティールのセリフから、それ以外の内容も伝わる。

「っ…………戦ったんだね」

「あぁ、最近ようやくな」

やり残したことはない。

ここ最近のティール達がやり残した事とは何だったのか。
ヒツギはそれを知っている。
ティール達の実力も知っているが……それでも、そのやり残していた事を成し遂げたことに、驚きを隠せなかった。

「……凄いね」

「そりゃどうも」

もっと他に感想はあるかもしれない。

それでも、まず口から出た感想は、凄いの一言だった。

Cランクモンスターを越えて、Bランクモンスターを討伐出来る……それだけでも、一流の冒険者と呼べる。
その考えに関しては、ティールも同じ意見である。
Bランクモンスターを討伐するのがどれだけ難しく、苦労するのか……それは身に染みて理解している。

だが、本気で上を目指す冒険者たちであれば、最後はAランクモンスターを討伐出来るだけの実力を手に入れたい。
それを……隣にいる知人は達成したと口にした。
驚きはしたものの、ヒツギはそれが嘘だとは思わなかった。

「やっぱり、とんでもなく強かったかい」

「とんでもなく強かったな。本当に、誇張抜きで強かったし、頭おかしいだろとすら思った……どれぐらい頭おかしいかって言うと、お前が放った渾身の斬撃波が、翼を扇がれるだけで弾き飛ばされたりする」

「なっ………………君の、斬撃波も……そうなったのか」

「あぁ。渾身の斬撃波ではないけど、牽制として放った大量の斬撃波が、あっさりと吹き飛ばされて牽制にすらならなかった」

翼を扇がなければならない。
その行動を取らせるとう身では牽制になっていると言えるかもしれないが、とんでもなく衝撃的な光景だったのは覚えている。

「高速で動きながらバカみたいに風魔法を連発してくるしな」

「っ、それは……本当に、恐ろしいね」

「だろ」

ティールが、天猿の放つ攻撃魔法の絨毯に対応出来るという話は聞いていたため、そこに関して驚くことはなかったが、天猿と似た様なことを高速で動きながら出来るジェットガルーダの技術力には驚かされた。

「……そんな怪物に、どう対応したのか……聞いても良いかな」

答えてくれないのであれば、それで構わない。
少しでも教えてくれれば儲けものといったぐらいに思っていた。

「一杯一杯だったから、どう対応したっていう明確な作戦はないが……」

平気で嘘を付きながらも、ティールはこれだったら教えられるか? という内容を考える。

「…………自分の武器に金を掛けた方が良いな」

「自分の、武器に?」

帰ってきた答えは、当たり前と言えば当たり前の事ではあるが、ヒツギの予想に反してあまり深い内容ではなかった。
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