あっさりと初恋が破れた俺、神からのギフトで倒して殺して奪う

Gai

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ランクは高くない?

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「………………」

「ラスト、何か考えてるのか?」

「あぁ……少しな」

ファルティナの大秘境を探索すること二日目、先日と同じく遭遇すればモンスターとも戦うが、メインは野良のダンジョンを発見するため今日も走って走って走りまくる。

「珍しいね。何を考えてるの」

「……昨日、夕食を食べてる時に、大秘境が大秘境と呼ばれる理由、みたいな話について語っただろう」

「語ったね」

「地下深くに存在するのが、Sランクのモンスターでなくアイテムだった場合、いったいどんなアイテムが存在するのかと思ってな」

大秘境が大秘境たる所以を支えている存在が、モンスターではなくアイテムだったら。
それに関しては、ティールとアキラも大なり小なり気になっていた。

「俺のデフィストや、アキラの緋焔はランク七……サルバが鍛えったという事もあって、見事な逸品なのは間違いない。ただ……広大な大地そのものに影響を与えるほどかと言われると、そうではないと思ってしまう」

「うん…………そう、だね。確かに、それはそうだね」

ランク七の武器は、冒険者や騎士……戦闘職の中でも一流の者が持つべき得物。
そして一流の者中でも、財力に余裕がなければ中々手に入れることが出来ない。

ランクは一つ劣るが、ティールの新しい切り札である荒神も同レベルの代物だが……所有者であるティールはラストと同じく、荒神にそこまでの力があるとは思えない。
ただ……アキラは二人とは違う考えを持っていた。

「二人共、これは私個人の考えではあるが……土地や空間に影響を与える物は、ランクがそれほど高くなくとも、優れた効果を持っているのではないかと思う」

「ふむ……ふむ……………………」

普段なら直ぐにマスターであり、自分よりも聡いティールにどういう意味なのかと意見を求めるが、今回は真剣に考え続けるラスト。

「…………そもそも、土地や空間に影響を与えるマジックアイテムの数は少なく、製作が難しい? 故にランクが低くとも効果は絶大……ということか?」

「概ね私も同じ考えだ。私の故郷でも、そういった物はあまり数が多く無くてな」

(土地や空間に影響を与えるマジックアイテムか……………………そういえば、あれだけダンジョン探索して、それなりに宝箱をゲットしたけど、そういうマジックアイテムは一つもなかったな)

波状試練だけではなく、森林暗危での探索も含めれば、ティールは相当な数の宝箱を手に入れているが、中にはそれ相応の武器や硬貨などは入っていたが、土地や空間に影響を与えるマジックアイテムは一つも入っていなかった。

「とはいえ、ランクがそこまで高くないからといって、どういったマジックアイテムが収められているかまでは解らない」

「…………マスターは、何か解るか?」

「いやぁ~~~、さすがに知識がなさ過ぎるというか…………でも、仮にマジックアイテムが大秘境に影響をもたらしてるなら、多分……強化ポーションとか丸薬みたいに、生命に対してバフを与える素材が使われてるかもしれないね」

ティールの考えに二人がなるほどなるほどと頷いていると、一体のモンスターがティールたちを襲撃。

「っと……これはまた、懐かしいモンスターだな」

「キィィィイイェエエエエエエッ!!!!!」

襲来者の名は、空の死神……グリフォン。
Bランクのモンスターであり、空中戦を得意とする猛禽獣。

「ッ!!!!!!!」

「っ!!! やっぱり、あの時戦ったグリフォンより強いね」

「……マスター。あのグリフォンとは、俺一人で戦っても良いか」

「ん~~~~…………解った。でも、気を付けてね」

「あぁ」

以前はマスター共に戦わなければ倒せなかった強敵。

今の自分であれば、どこまでやれるか……ラストの闘争心は直ぐにマグマのように煮え滾り、その思いが牙竜に込められ……空の死神に迫る。
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