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らしくない?
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「あれがグリフォン……」
「見るのは初めてですか?」
「あぁ」
先日までティールたちが探索していたダンジョン、波状試練の三十一階層から三十五階層の山岳エリアに出現するものの、ティールたちは全く遭遇することがなかった。
ただ、アキラはその情報を得る前から、グリフォンという存在に関しては知っていた。
ティールたちと出会う前に知り合った冒険者から、二度と戦いたくないと思ったモンスターという話になった時……グリフォンに関して教えられた。
(彼の表情は、良く覚えてる……空の死神)
二つ名とも言える名を持つモンスター。
いったいどれほどの強さを有しているのかと、興味と恐ろしさが同時に湧いた。
「……ティールとラストは、既に戦ったことがあるんだったな」
「えぇ、そうですね。あの時は二人で戦いましたね……強かったですよ」
基本的に空を飛ぶモンスターは強い。
加えて、グリフォンは他の鳥獣系モンスターよりも知能が高く、爪撃の威力も高い傾向にある。
(当然、ジェットガルーダよりも強くないけど、俺たちが前に戦ったグリフォンよりも強い)
ティールと違い、ラストは空を飛ぶモンスターに対して自ら攻め込むことがあまり出来ない。
「…………素早く仕留めるなら、数十秒以内に殺るべきだったな」
「ですね」
以前ティールとラストが戦ったグリフォンより、現在ラストと戦闘中の個体の方が強い。
ただ、決してその個体は傲慢ではなかった。
最初の数十秒こそ積極的に接近戦を仕掛けていたが、浅くはあれど何度かラストからカウンターを食らったことで、遠距離をメインに切り替えた。
(確かに苦しい勝負ではあるけど、ラストの場合……寧ろそれを望んでるって感じがするな~~)
実際のところ、ラストが本気でグリフォンを殺すことだけを考えていれば、牙竜ではなくデフィストを使っていればほぼほぼ終わっていた。
「とはいえ、これがラストの望む戦況……なのか?」
「アキラさんもラストの事が解ってきましたね」
「あれだけ良い笑みを浮かべていれば、な」
劣勢なのは間違いない。
他の地域に生息しているグリフォンよりも強いということは、当然ながら遠距離攻撃の強さも上。
魔力量も上であるため、耐え続ければ勝機が見えてくるとも限らない。
(けど……うん。なんだかんだで、上手く躱してるんだよなぁ……読む力が上がった?)
風のブレス、風の剛槍に烈刃。
ときおり鎖を放ち、ラストの動きを拘束しようとする。
しかし、ラストは的確にグリフォンの攻撃を捌き、避け、受け流す。
(にしても、攻めないな~~~)
グリフォンとの戦闘が始まってから一分、二分……三分と経過。
まだ、決着は付かず。
「……ラストにしては、珍しく消極的だな」
「ですね」
ラストは全く攻めていないわけではない。
避けられると解っていても、ときおり特大の斬撃波を放ち、攻撃はしている。
ただ、グリフォンが接近戦を仕掛けて来ても、渾身のカウンターを叩き込もうとはしない。
(何が狙いだ? ラストらしくない……けど、相変わらず笑みを浮かべ続けてるな)
笑みを浮かべ続けるラストと、目に見えて消耗しているグリフォン。
(ん~~~……今回はそういう戦いがしたかったって事か? 確かにグリフォンの目撃情報は複数あるみたいだしっ!!!!!)
今回はそういう戦いをしたかったんだろうと考えていると、別方向から高速で迫る存在を察知。
「っ!!! 良いとこどりは、させないぞッ!!」
「ッ!!!! ルルルアアアアアアッ!!!!!」
漁夫の利を狙おうとしたモンスターの名は……マンティコア。
獅子の体に悪魔の翼、そして蛇の尻尾。
モンスターの中でも特に人を好んで食べると言われているマンイーター。
(本当にこの森は、退屈しないな!!!!)
当然ながら、仲間の戦いを邪魔させない為にマンティコアの相手をそのまま務める。
そして……漁夫の利が失敗したからといって、マンティコアが逃げようとしても……絶対に逃がすつもりはない。
「見るのは初めてですか?」
「あぁ」
先日までティールたちが探索していたダンジョン、波状試練の三十一階層から三十五階層の山岳エリアに出現するものの、ティールたちは全く遭遇することがなかった。
ただ、アキラはその情報を得る前から、グリフォンという存在に関しては知っていた。
ティールたちと出会う前に知り合った冒険者から、二度と戦いたくないと思ったモンスターという話になった時……グリフォンに関して教えられた。
(彼の表情は、良く覚えてる……空の死神)
二つ名とも言える名を持つモンスター。
いったいどれほどの強さを有しているのかと、興味と恐ろしさが同時に湧いた。
「……ティールとラストは、既に戦ったことがあるんだったな」
「えぇ、そうですね。あの時は二人で戦いましたね……強かったですよ」
基本的に空を飛ぶモンスターは強い。
加えて、グリフォンは他の鳥獣系モンスターよりも知能が高く、爪撃の威力も高い傾向にある。
(当然、ジェットガルーダよりも強くないけど、俺たちが前に戦ったグリフォンよりも強い)
ティールと違い、ラストは空を飛ぶモンスターに対して自ら攻め込むことがあまり出来ない。
「…………素早く仕留めるなら、数十秒以内に殺るべきだったな」
「ですね」
以前ティールとラストが戦ったグリフォンより、現在ラストと戦闘中の個体の方が強い。
ただ、決してその個体は傲慢ではなかった。
最初の数十秒こそ積極的に接近戦を仕掛けていたが、浅くはあれど何度かラストからカウンターを食らったことで、遠距離をメインに切り替えた。
(確かに苦しい勝負ではあるけど、ラストの場合……寧ろそれを望んでるって感じがするな~~)
実際のところ、ラストが本気でグリフォンを殺すことだけを考えていれば、牙竜ではなくデフィストを使っていればほぼほぼ終わっていた。
「とはいえ、これがラストの望む戦況……なのか?」
「アキラさんもラストの事が解ってきましたね」
「あれだけ良い笑みを浮かべていれば、な」
劣勢なのは間違いない。
他の地域に生息しているグリフォンよりも強いということは、当然ながら遠距離攻撃の強さも上。
魔力量も上であるため、耐え続ければ勝機が見えてくるとも限らない。
(けど……うん。なんだかんだで、上手く躱してるんだよなぁ……読む力が上がった?)
風のブレス、風の剛槍に烈刃。
ときおり鎖を放ち、ラストの動きを拘束しようとする。
しかし、ラストは的確にグリフォンの攻撃を捌き、避け、受け流す。
(にしても、攻めないな~~~)
グリフォンとの戦闘が始まってから一分、二分……三分と経過。
まだ、決着は付かず。
「……ラストにしては、珍しく消極的だな」
「ですね」
ラストは全く攻めていないわけではない。
避けられると解っていても、ときおり特大の斬撃波を放ち、攻撃はしている。
ただ、グリフォンが接近戦を仕掛けて来ても、渾身のカウンターを叩き込もうとはしない。
(何が狙いだ? ラストらしくない……けど、相変わらず笑みを浮かべ続けてるな)
笑みを浮かべ続けるラストと、目に見えて消耗しているグリフォン。
(ん~~~……今回はそういう戦いがしたかったって事か? 確かにグリフォンの目撃情報は複数あるみたいだしっ!!!!!)
今回はそういう戦いをしたかったんだろうと考えていると、別方向から高速で迫る存在を察知。
「っ!!! 良いとこどりは、させないぞッ!!」
「ッ!!!! ルルルアアアアアアッ!!!!!」
漁夫の利を狙おうとしたモンスターの名は……マンティコア。
獅子の体に悪魔の翼、そして蛇の尻尾。
モンスターの中でも特に人を好んで食べると言われているマンイーター。
(本当にこの森は、退屈しないな!!!!)
当然ながら、仲間の戦いを邪魔させない為にマンティコアの相手をそのまま務める。
そして……漁夫の利が失敗したからといって、マンティコアが逃げようとしても……絶対に逃がすつもりはない。
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