あっさりと初恋が破れた俺、神からのギフトで倒して殺して奪う

Gai

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(昆虫系のモンスターに、ゴーレムも生息してる。それに加えてワイバーンやグリフォン、スケイルコングまで…………可能性は高いと思いたい)

街に戻り、ギルドで解体と売却を終え、夕食を食べ終えたティール。
大浴場で汗も流し、あとは寝るだけ。

既にベッドに入っているが、なかなか眠れずファルティナの大秘境で遭遇したモンスター達を思い浮かべていた。

(強いモンスターが生息してるだけじゃなくて、そもそもの生息しているモンスターが多い。過密という訳ではないけど、多分……大秘境の広さに対して、モンスターの密度はそれなりに高いはず)

ダンジョンという存在は、誰かが中に……階層に生息しているモンスターを定期的に討伐しなければ、モンスターが溢れ出してしまう可能性がある。

そうなるまでには最低でも十年以上か、もしくは数十年以上の歳月が掛かる。
ダンジョン博士ではないティールだが、それぐらいの知識は有している。

(大秘境がばか広くても、そこを探索しようとする冒険者の数は多い。調査隊の……バレンダさんたちもいるんだから、ある程度は調べられてる筈、だよな)

ある程度調べられてる筈なのに、ダンジョンの情報がない。

誰かが意図的に隠している? という疑惑が浮かぶも、隠す意味がないと即判断。

(隠したところで、待ってるのは地獄……うや、人でなしなら平気でやるか? ……………………あっ)

そろそろ考えるのを止めようかと思っていたタイミングで、ティールはあることを思い出した。

(そうか……そう、だよな。そっち側なら、こっちにバレないように隠しても、おかしくないか)

ティールが忘れていた事。
それは、ファルティナの大秘境が自分たちの国、カルティア王国と隣国のサントレアル王国の狭間にあること。

(サントレアル王国からすれば、俺たちカルティア王国側の冒険者たちに見つからないように、何かしらの魔法かギフト、マジックアイテムでダンジョンの入り口を隠す、視認できないように利益を独占できるもんな)

実際のところ、その可能性を思い付いたところで……だからなんだという話ではある。

その可能性があるんじゃないかと、サントレアル王国に攻撃する力など、ティールにある訳がない。
確かに貴族の知人はいるが、彼らの力を全て借りることは不可能。
よくクランや組織からスカウトされることがあるティールだが、ティール自身はまだBランクの冒険者。

世間一般で見れば強者であるのは間違いないが、権力者の仲間入りは出来ない。

(……その可能性を含めて探索するなら、もっと奥まで行かないとな…………)

可能性が見えたことで安堵したのか、ティールは一気に夢の中へと飛び立った。




「ティール、いるか!?」

「ティールさんたちなら、先程出て行かれましたが」

「なっ!!! ……~~~~~~っ!!!!!」

翌日、再度ティールたちが泊っている宿を朝早くから訪れたグレイズ。
しかし、ティールたちは既に出発済み。
本日もティールと交流することが出来なかった。

「っへくしょん!!!」

「……マスター、体調が悪いのか?」

「いや、ただのくしゃみだよ」

「誰かがティールの噂をしてるのかもしれないな」

その頃、ティールたち一行は既にファルティナの大秘境に到着しており、今日も今日とて野良ダンジョンを探索していた。

「噂、ですか…………光栄なのかもしれませんけど、ちょっと遠慮したいですね」

有名になることは、冒険者にとって本望である。
ただ、ティールはその大多数に当て嵌まらない人間。
そのため、何とも微妙な表情を浮かべるのだった。

「ふふ、マスターらしいな。ところで、今日は朝食の際に言っていた通り、この地で野営を行うのだな」

「うん。今からでも反対するなら、止めとくけど」

挑発、ではない。
一応パーティーのリーダーであると自覚しているからこそ、しっかりとメンバーの意見は聞き入れたいと思っているティール。

「反対する理由など、ないに決まっているだろう」

「あぁ、私もその予定に不満も反論もない」

「ワゥ」

本日は最初からヴァルも共に行動しており、従魔も含めて全員がティールの意見に賛成。

全員気合を入れ直し、ファルティナの大秘境での連日探索に挑むのだった。
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