あっさりと初恋が破れた俺、神からのギフトで倒して殺して奪う

Gai

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逆らう

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(ブラックグリフォンに教えてもらった情報……本当だと良いな)

真っ直ぐ先日、人の言葉を喋る特殊なグリフォン、ブラックグリフォンに教えてもらった場所へと向かうティールたち。

その途中、ティールはほんの少し……不安な気持ちになっていた。

「……マスター、心配事か」

「そうだね」

「やはり、モンスターの言葉は信じられないと」

「そこまでは言わないけど、こう……十割信じられるかと言われると、あれかな」

傍に従魔……盟友のヴァルガングのヴァルがいるも、彼は特に二人の会話にツッコむことはなく、彼らの考えを冷静に理解していた。

「…………おそらく、大半の者たちが同じ心境になるだろう」

「アキラさん」

「私も、あのブラックグリフォンの言葉や態度には、どこか信じられるものがあると感じた。本気で戦った相手だからこそ、そう思えるところもあるだろう……だが、それはそれとして、な」

アキラの言葉に、二人は同意するように頷く。

それはそれで、これはこれ。
信用出来るという信頼はあれど、同時に百パーセントは信用出来ないという不安がある。

「でも、今のところブラックグリフォンに教えてもらった情報しかありませんからね…………えっ」

視界に映る光景に、疑問の……驚きの声を零すティール。

「むっ……」

「なんと、恐ろしい」

驚き、といった点に関してはラストとアキラも同じ感想。

その理由は……視界に、木々が燃える光景が映ったから。

「…………き、消えない」

大秘境……森の中で火魔法、火を使った攻撃を使うのは、基本的に厳禁。
自身が灯した火を即座に消せるだけの技術があれば問題無いが、ティールたちの視界に映る燃える木は一本程度の話ではなく、軽く数十は越えている。

(強いモンスターに襲われて仕方なく、ならあり得るか? でも火魔法以外の……あぁ、俺が普通じゃなかったんだ。大秘境って場所を考えれば、そう簡単に罪には問われないからか? いや、普通に考えてもモンスターがやってしまったって場合も考えられるか。でも、モンスターの方が本能的に木々を燃やし尽くしたら色んな意味で危ないって解ってると思うんだけど……もしかして、木々がない場所から移り住んできたモンスターとか!?)

数瞬の間に多数の考えを思い付きながらも……ティールはその現場にダッシュしていた。

当然、ラストとアキラはその行動に文句を言うことなく付いて行く。

「…………」

これまでの経験から、ヴァルは火中の現場にはティールたち以外の人間がいる可能性が高いと思い、付いて行きつつも距離を取りながら移動。

「二人共、モンスターがいたらそいつをお願い!!!」

「分かった」

「了解」

何故二人に任せ、ティールは探さないのか。
理由は単純明快……パーティーの中で水魔法を使えるのがティールしかいないから。

(足場は悪くなるけど、仕方ないよね!!!!)

ティールは複数の大きい水球を展開し、燃え盛る木々に落とす。
物量で一気に鎮火を目指すも……多少、火力が収まったかと思えば、即座に元の状態に戻る。

「はっ!!!!!?????」

目の前で起きた光景に、思いっきり驚きの声を零すティール。

明らかに自然現象に逆らっている。
なんで、どうして、何故? どうやって?

疑問で頭の中で埋め尽くされてしまうも、直ぐに火が消えないよう理由を思い付く。

(モンスターが生み出した特殊な火だからか……それじゃあッ!!!!)

もしかしたら、自分の水魔法で攻撃しても消えないかもしれない。

その可能性を考慮し、ティールは豹雷を取り出す。
そして燃え盛る木々の中へ突入するなり、一気に複数本の木々を切断。

「ぃよし!!!」

思わずガッツポーズを取る。

火は特殊であっても、灯された火に焼かれる木々までは特殊ではない。
それを確定出来たティールは一先ず燃えている木を切っては亜空間の中に放り込んでを繰り返した。
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