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説明通りに……
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「本当に助かるよ、ヴァル」
「ルルゥ」
ダンジョンの中で動いていなかった訳ではない。
ただ、人間であるティールたちと比べて、モンスターであるヴァルの体力は倍以上は確定。
スピードと走行技術も一級品ということもあり、三人を背負って移動することが可能。
ファルティナの大秘境にはヴァルに負けないスピードを持つモンスターは生息しているものの、すれ違ってからでは、追いつくのが難しい。
加えて、追いつこうとしてもティールは魔法を使用して妨害することが出来る。
「ありがとう、ヴァル。この辺で大丈夫だよ」
「ヴァゥ」
「うん。また次の探索もよろしく」
同業者たちには見られたくないため、秘境の中で一旦お別れ。
数十分後にはガルダンデードに帰還。
「っ!!! や、やはりティール殿たち……す、直ぐに冒険者ギルドに連絡するんだ!!!!」
「おぅ!!!」
(…………えっ、何事?)
街に入る際には、冒険者であればギルドカードを提示する。
提示する前から門兵は何故か驚いた顔をしており、三人のギルドカードを確認すると、焦った様子で同僚に冒険者ギルドへ伝えるように指示を飛ばす。
「えっと……このまま、ギルドの方に向かった方が良い感じ、ですか?」
「はい。お願いします!!!」
門兵は深々と頭を下げる。
元々向かうつもりではあった。
ただ、面倒な空気を感じるも……ここまで頼み込まれては、拒否するわけにもいかない。
「なんであんな事に?」
「説明した通りかと」
「説明………あっ」
ティールたちがガルダンデードを出てから、既に数十日が経過している。
知人たちにガルダンデードから別の街へ向かうと伝えている、別の街へ向かう準備をしていたのであれば、まだ解る。
しかし、仮に達成難易度が高い依頼を受けていたとしても、十日以上も街を離れ、ファルティナの大秘境で過ごすことは基本的にない。
加えて、ティールたちは何かしらの依頼を受けているわけでもなかった。
「ふむ………現実となってしまった、ということか」
「おそらくな」
「……………………」
ラストとアキラはそこまで焦っている様には見えない。
ただ、パーティーのリーダーであるティールの顔は……魂が抜けてそうな顔になっており、しっかりと冒険者ギルドに向かって歩けているのが不思議な状態だった。
(そ、そんなに心配しなくても……けど、場所が場所か……Aランクモンスターも倒してる訳だし。でも、あれか。それでも恐ろしいのが、ファルティナの大秘境、か)
ギルドが自分の事を、自分たちのことを重要な戦力として認識しているのは理解出来た。
しかし、自分たちの事を良く知ってくれているのであれば、もっと安心していてほしいという思いが湧き上がるも……ティールもファルティナの大秘境がどういった場所か理解出来ない能天気おバカさんではない。
「マスター……マスター!」
「っ!!??」
「大丈夫か、マスター」
「うん……大丈夫だよ。大丈夫なんだけど……お、怒られたりするのかな」
何をそんなに恐れているのか? と、彼の実力を知る者は疑問に思うだろう。
だが、確かに知性というギフトのお陰で大人びた考えが出来る一面もあるが、メンタルまで大人になった訳ではない。
まだまだ十三歳のガキな部分はあり、今回に関しては自分が悪い事をしてしまった、やらかしてしまったという思いもあり、不安になっていた。
「それは……むむ……どうだろうか。確かに冒険者ギルドを心配させてしまったが、街に出てから数十日以上、探索し続けてはならないというルールや掟はない。俺としては、マスターが攻められる筋合いはない、とは思う」
「…………私も、ティールが悪いことをしたとは思っていない……うん、そうだ。冒険者歴は私が上で、年齢も私の方が上。であれば、止めなかった私が悪い。そういう事にしよう」
我ながらナイス庇い方だと思い、アキラは無意識にガッツポーズを浮かべていた。
「ルルゥ」
ダンジョンの中で動いていなかった訳ではない。
ただ、人間であるティールたちと比べて、モンスターであるヴァルの体力は倍以上は確定。
スピードと走行技術も一級品ということもあり、三人を背負って移動することが可能。
ファルティナの大秘境にはヴァルに負けないスピードを持つモンスターは生息しているものの、すれ違ってからでは、追いつくのが難しい。
加えて、追いつこうとしてもティールは魔法を使用して妨害することが出来る。
「ありがとう、ヴァル。この辺で大丈夫だよ」
「ヴァゥ」
「うん。また次の探索もよろしく」
同業者たちには見られたくないため、秘境の中で一旦お別れ。
数十分後にはガルダンデードに帰還。
「っ!!! や、やはりティール殿たち……す、直ぐに冒険者ギルドに連絡するんだ!!!!」
「おぅ!!!」
(…………えっ、何事?)
街に入る際には、冒険者であればギルドカードを提示する。
提示する前から門兵は何故か驚いた顔をしており、三人のギルドカードを確認すると、焦った様子で同僚に冒険者ギルドへ伝えるように指示を飛ばす。
「えっと……このまま、ギルドの方に向かった方が良い感じ、ですか?」
「はい。お願いします!!!」
門兵は深々と頭を下げる。
元々向かうつもりではあった。
ただ、面倒な空気を感じるも……ここまで頼み込まれては、拒否するわけにもいかない。
「なんであんな事に?」
「説明した通りかと」
「説明………あっ」
ティールたちがガルダンデードを出てから、既に数十日が経過している。
知人たちにガルダンデードから別の街へ向かうと伝えている、別の街へ向かう準備をしていたのであれば、まだ解る。
しかし、仮に達成難易度が高い依頼を受けていたとしても、十日以上も街を離れ、ファルティナの大秘境で過ごすことは基本的にない。
加えて、ティールたちは何かしらの依頼を受けているわけでもなかった。
「ふむ………現実となってしまった、ということか」
「おそらくな」
「……………………」
ラストとアキラはそこまで焦っている様には見えない。
ただ、パーティーのリーダーであるティールの顔は……魂が抜けてそうな顔になっており、しっかりと冒険者ギルドに向かって歩けているのが不思議な状態だった。
(そ、そんなに心配しなくても……けど、場所が場所か……Aランクモンスターも倒してる訳だし。でも、あれか。それでも恐ろしいのが、ファルティナの大秘境、か)
ギルドが自分の事を、自分たちのことを重要な戦力として認識しているのは理解出来た。
しかし、自分たちの事を良く知ってくれているのであれば、もっと安心していてほしいという思いが湧き上がるも……ティールもファルティナの大秘境がどういった場所か理解出来ない能天気おバカさんではない。
「マスター……マスター!」
「っ!!??」
「大丈夫か、マスター」
「うん……大丈夫だよ。大丈夫なんだけど……お、怒られたりするのかな」
何をそんなに恐れているのか? と、彼の実力を知る者は疑問に思うだろう。
だが、確かに知性というギフトのお陰で大人びた考えが出来る一面もあるが、メンタルまで大人になった訳ではない。
まだまだ十三歳のガキな部分はあり、今回に関しては自分が悪い事をしてしまった、やらかしてしまったという思いもあり、不安になっていた。
「それは……むむ……どうだろうか。確かに冒険者ギルドを心配させてしまったが、街に出てから数十日以上、探索し続けてはならないというルールや掟はない。俺としては、マスターが攻められる筋合いはない、とは思う」
「…………私も、ティールが悪いことをしたとは思っていない……うん、そうだ。冒険者歴は私が上で、年齢も私の方が上。であれば、止めなかった私が悪い。そういう事にしよう」
我ながらナイス庇い方だと思い、アキラは無意識にガッツポーズを浮かべていた。
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