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千百八十話 羨ましい
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「ふふ、あんた達タイミング良かったね。もうちょいで適当に狩りに行こうかと思ってたよ」
まず訪れた場所は、鳳凰牙のクランハウス。
最初こそその日、警備を担っていた者に止められそうになるも、丁度出ようとしていたベルダと遭遇。
ベルダはノックスたちのことを辛うじて覚えており、とりあえず彼らの話を聞くことにした。
「…………ソウスケたちが造った武器って、そんなにヤバいの?」
「はい、超ヤバいっす」
ベルダの問いに、ジャバは即答した。
そんな返しで良いのかと思いつつも、ノックスたちは頷いてジャバの言葉に同意。
(何かを造るのが趣味だってのは聞いてたけど、レイヤーズ学園の学生たちが焦りを感じるほどの良質な武器、か…………)
色々と納得したベルダは良い笑みを浮かべた。
「解った。とりあえず私は相手するよ。それで、今クランハウスにいる連中にも声をかけてやるよ」
「あ、あざっす!!!」
「けど、条件がある」
「じょ、条件っすか」
高ランク冒険者から伝えられる条件に、唾をごくりと飲んで緊張を押し込む。
「絶対に通せってわけじゃない。ただ、ソウスケにベルダがあんたが造る武器を欲しがってる、買いたがってるって伝えてくれれば良い」
「っ、解りました。絶対に伝えておきます」
絶対に通せというわけじゃない。
ベルダはそう伝えたが、彼女がソウスケに対して借りがあるとはいえ、それでも自分たちはアポなしで頼み込んだ側。
ノックスは全力で腰を折り……頭を地面に付けてでも頼み込み、通すつもりである。
「っし。それじゃあ、早速移動しようか」
鳳凰牙のクランハウスには立派な屋敷があるだけではなく、訓練場も備えられている。
「そういえば、ここ最近ソウスケたちに臨時授業? を付けてもらってたみたいだけど、どんな感じだったんだい?」
「えっとですね」
臨時授業内容に関しては特に他者に話してはいけないとは言われておらず、ノックスたちは特に隠すことなく話した。
「それは、中々……いや、でもそうか……ふむ…………」
ザッと聞いた感じ、ほぼ実習。
それは授業と呼んで良いのかとツッコみたくなったベルダ。
だが、七人がレイヤーズ学園というエリートたちが集まる学園に通っている学生……その中でも優秀な生徒たちであることを考えれば、基礎的な戦闘力があることは間違いない。
(そう考えると、教えるのは一日だけで、その他の日は実技にして経験を積み重ね続けるのは、寧ろありか……ソウスケたちも、この子たちなら可能性があると解った上でBランクドラゴンに挑ませた筈)
普通に考えればまだ足りないと判断される者たちであっても、連携が取れる七人であれば、過去に討伐出来た前例がある。
(それにしても、後方には気配を決したソウスケたちがいる……勿論、この子たちの実力と精神力あってのBランクドラゴン討伐だとは思うけど……本当に羨ましい環境ね)
ベルダは、既に守られるという立場から卒業している。
既にBランクドラゴンであれば一人で討伐出来る実力を手に入れている。
だが、それはそれとしてソウスケたちほどの実力者に後ろで見守られながらBランクドラゴンと戦えるという環境に、そこそこ羨ましさを感じた。
「…………」
「あの、ベルダさん?」
「っと、ごめんなんさいね。君たちが羨ましいと思って」
「……やっぱり、高ランク冒険者の方から見てもそうですよね」
「そうね……レイヤーズ学園としては、来年以降もソウスケたちに頼みたいだろうな」
上の人たちがそう考えるであろう事は、ノックスたちは容易に想像出来る。
ただ……それをソウスケが了承してくれるかは解らない。
(でも、ソウスケさんってエイリスト王国の人間だよね)
(ソウスケさんって確か他国の人間だよな?)
(……卒業生になる身としては、是非ともお願いしたいところだが……しかし)
モヤモヤとした悩みを抱えながらも、充実した設備が整う訓練場に到着。
内装や設備内容に感心している間に、ぞろぞろとクランメンバーが現れた。
まず訪れた場所は、鳳凰牙のクランハウス。
最初こそその日、警備を担っていた者に止められそうになるも、丁度出ようとしていたベルダと遭遇。
ベルダはノックスたちのことを辛うじて覚えており、とりあえず彼らの話を聞くことにした。
「…………ソウスケたちが造った武器って、そんなにヤバいの?」
「はい、超ヤバいっす」
ベルダの問いに、ジャバは即答した。
そんな返しで良いのかと思いつつも、ノックスたちは頷いてジャバの言葉に同意。
(何かを造るのが趣味だってのは聞いてたけど、レイヤーズ学園の学生たちが焦りを感じるほどの良質な武器、か…………)
色々と納得したベルダは良い笑みを浮かべた。
「解った。とりあえず私は相手するよ。それで、今クランハウスにいる連中にも声をかけてやるよ」
「あ、あざっす!!!」
「けど、条件がある」
「じょ、条件っすか」
高ランク冒険者から伝えられる条件に、唾をごくりと飲んで緊張を押し込む。
「絶対に通せってわけじゃない。ただ、ソウスケにベルダがあんたが造る武器を欲しがってる、買いたがってるって伝えてくれれば良い」
「っ、解りました。絶対に伝えておきます」
絶対に通せというわけじゃない。
ベルダはそう伝えたが、彼女がソウスケに対して借りがあるとはいえ、それでも自分たちはアポなしで頼み込んだ側。
ノックスは全力で腰を折り……頭を地面に付けてでも頼み込み、通すつもりである。
「っし。それじゃあ、早速移動しようか」
鳳凰牙のクランハウスには立派な屋敷があるだけではなく、訓練場も備えられている。
「そういえば、ここ最近ソウスケたちに臨時授業? を付けてもらってたみたいだけど、どんな感じだったんだい?」
「えっとですね」
臨時授業内容に関しては特に他者に話してはいけないとは言われておらず、ノックスたちは特に隠すことなく話した。
「それは、中々……いや、でもそうか……ふむ…………」
ザッと聞いた感じ、ほぼ実習。
それは授業と呼んで良いのかとツッコみたくなったベルダ。
だが、七人がレイヤーズ学園というエリートたちが集まる学園に通っている学生……その中でも優秀な生徒たちであることを考えれば、基礎的な戦闘力があることは間違いない。
(そう考えると、教えるのは一日だけで、その他の日は実技にして経験を積み重ね続けるのは、寧ろありか……ソウスケたちも、この子たちなら可能性があると解った上でBランクドラゴンに挑ませた筈)
普通に考えればまだ足りないと判断される者たちであっても、連携が取れる七人であれば、過去に討伐出来た前例がある。
(それにしても、後方には気配を決したソウスケたちがいる……勿論、この子たちの実力と精神力あってのBランクドラゴン討伐だとは思うけど……本当に羨ましい環境ね)
ベルダは、既に守られるという立場から卒業している。
既にBランクドラゴンであれば一人で討伐出来る実力を手に入れている。
だが、それはそれとしてソウスケたちほどの実力者に後ろで見守られながらBランクドラゴンと戦えるという環境に、そこそこ羨ましさを感じた。
「…………」
「あの、ベルダさん?」
「っと、ごめんなんさいね。君たちが羨ましいと思って」
「……やっぱり、高ランク冒険者の方から見てもそうですよね」
「そうね……レイヤーズ学園としては、来年以降もソウスケたちに頼みたいだろうな」
上の人たちがそう考えるであろう事は、ノックスたちは容易に想像出来る。
ただ……それをソウスケが了承してくれるかは解らない。
(でも、ソウスケさんってエイリスト王国の人間だよね)
(ソウスケさんって確か他国の人間だよな?)
(……卒業生になる身としては、是非ともお願いしたいところだが……しかし)
モヤモヤとした悩みを抱えながらも、充実した設備が整う訓練場に到着。
内装や設備内容に感心している間に、ぞろぞろとクランメンバーが現れた。
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