転移したらダンジョンの下層だった

十五話受付嬢はやっぱ容姿が良いな

ソウスケが列に並んでから二十分程が経ち、ようやくソウスケの番になった。
ちなみにその間ソウスケは、自分の前に並んでいる自分と同じく冒険者登録をする者達を見ていた。そして思った感想は単純に弱いなの一言だった。
当たり前と言えば当たり前なのだが、冒険者登録をする者がいきなり強いということは、ほとんどない。
ソウスケが例外的過ぎると言っても良いだろう。

なんてことを考えながら目の前の受付嬢を見た。
ソウスケは素直に可愛いと思った。前世で言えばアイドル並みの可愛さだ。

(いや、ライトノベルとかの情報から受付嬢は可愛いんだろうなとは思っていたけ、ど本当に可愛いな。そういえばエルミも普通に美人だったよな。この世界は女の人は基本的に容姿が良い人が多いのか？？？）

ソウスケの考え通り、この世界にはソウスケがいた前の世界と比べて圧倒的に容姿が良い者が多い。勿論メイク詐欺で綺麗になっている者などがほとんどいないので、偽物もいない。

そんなわけでソウスケは、少しの間受付嬢の可愛さに見惚れていた。
だが、目の前の受付嬢が何も話さないソウスケの様子に首を傾げたのを見て、我に返った。

「あ、あの。冒険者登録をお願いします」

ソウスケの言葉を聞き受付嬢は笑顔で返事をした。

「はい、かしこまりました。私は受付嬢のメルといいます。よろしくお願いしますね」

「こ、こちらこそよろしくお願いしま・・・す・・・」

メルが頭を下げると、受付嬢の制服の上からでも形が分かる巨乳がブルンっと揺れ、思わずソウスケの視線が固まってしまったが、女性が異性の視線に敏感なのを思い出し直ぐに目をそらした。

「それではこちらに名前と年齢。使えるスキルや魔法を書いてください。代筆は必要ですか？」

「いえ、大丈夫です。自分で書きます」

ソウスケはこの世界の文字を全く知らないが、神様がおまけしてくれたのか文字を書いたり読んだりすることは出来る。ちなみにこの世界の文字は全部ひらがなのようになっており、漢字のように言葉を短縮して書くことはない。

（名前と年齢は別に偽る必要はないけど、スキルは偽らないとな）

ソウスケは用紙に書くスキルを五個ほどにしておいた。
書き終わった用紙を見たメルは声には出さなかったが、顔に少しだけ驚きの表情が出てしまった。
受付嬢は、冒険者の個人情報は漏らしてはいけないというのが鉄則だ。スキルの数だけを言っただけでもクビとまではいかないが、何かしら罰則はある。
メルは出そうになった声を無理やり押し込んだ。

（凄いですね・・・・・・まだ十五歳、そして今日冒険者になる人がスキルを五つも。見た感じ貴族の方ではなさそうですし、それに嘘をついているわけでもなさそうですね。期待のスーパールーキー現るってところですかね）

そう思ったメルは用紙を受け取ると、冒険者について説明を始めた。

内容は簡単に言えば冒険者のランク、モンスターを狩るときのダンジョンでも共通のルールや、ギルドが冒険者に出来るサービス、そして冒険者同士のいざこざについての説明をソウスケは受けた。

（やっぱりライトノベルで書いてあるのと、ほとんど変わらないな。それにやっぱ冒険者同士の争いにはギルドは基本的にかかわらないってのはありがたいな。元の世界にいたときみたいに我慢しなくていいんだからな）

ソウスケは基本的に気が長い方ではないので、このルールはありがたかった。絡んでくる奴がいたらいい感じに煽ってからボコろうと思った。

「以上が説明となりますが、何かご質問はありますか？」

「いえ、大丈夫です。ありがとうございました」

「それでは、こちらがギルドカードになります。頑張ってくださいね」

説明が終わりギルドカードを貰ってから、ソウスケはもう一度メルの巨乳に目が奪われたが、直ぐに視線を逸らし既に以来の報告が終わって自分を待っていてくれている、アガレス達の元に向かった。