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九十話手加減・・・・・・出来るかな?
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街に戻った二人は直ぐに宿に戻り、説明の前に夕食を食べていた。
ちなみに宿の女将に宿代、飯代の延長料金を払った際に女将にミレアナがソウスケの何なのかを聞き、それに対して隠す事無くソウスケは答えた。
そして答えを聞いた女将はニヤニヤしながら換気だけはしっかりしなさいよ、とソウスケに告げてから仕事に戻っていた。
(あの女将さん絶対に俺がミレアナはそういった目的も含めて勝ったと思っているよな。別にそういう気持ちは・・・・・・これっぽちもない訳では無いけど、正直能力で選んだからな。容姿はそこまで重視しなかったな)
シチューをどんどん口の中に入れながら、ソウスケは頭の中が少しピンク色になりながらも素直に答えない方が良かったかもしれないと、少し後悔をしていた。
(ただ、何かの拍子でバレるよりは断然良いだろうからな。変なのに絡まれる可能性はあるだろうけど)
この先起こるかもしれない嫌な可能性に口の中に入っている物を全てのみ込み、大きなため息を吐いたソウスケを見たミレアナは心配そうに声を掛けた。
「だ、大丈夫ですかソウスケさん? 何か嫌な事でもありましたか?」
「いや、嫌な事があった訳じゃないんだ。ただこれから起こるかもしれない厄介事を考えていたからな。ついため息が出てしまったんだ」
これからどころか、明日起きるかもしれないけどなと心の中で呟きながら、ソウスケは良い感じに溶けているチーズがのっている肉に齧り付いた。
「モグモグモグモグ・・・・・・ングッ。うん、美味いなこの料理。まぁ、ミレアナは気にする必要は無いからな」
「わ、分かりました」
頷きながらミレアナはサラダを口に運び、美味しそうに食べていた。
座って食べているだけで絵になるミレアナに、近くにいる何人かな冒険者や一般人の男性たちは料理を食べる手を止めて見惚れていた。
そんな気持ちが分からなくもない男性陣に、目を合わせないようにしながらミレアナとの会話を続けた。
「明日の試験についてだけど・・・・・・うっかり重傷を負わせたりするなよミレアナ」
「だ、大丈夫ですよ! 今日の闘いで少しは感が取り戻せましたから!!」
元気に答えるミレアナだが、ソウスケはその元気さのせいで明日何かやらかすかもしれないと直感的に感じた。
「今日お前の闘い見ていて分かったけど、お前は普通に強い。今日の闘いを見て完全に確信した。正直明日の試験官がDランクの人だったら万が一が普通にあると俺は思う。だから、かなり手加減しろ。そうだな・・・・・・取りあえず魔法は使わずに戦ってみろ」
ソウスケの話は全て聞いていたが、自分が褒められて事が嬉しかったミレアナの顔は少し緩んでいた。
「分かりました。要は短剣と体術で戦えばいいんですよね」
「ああ、そう言う事だ。間違ってもあれは使うなよ」
もし試験官相手に風の魔力を圧縮して放つ技を使ってしまったらどうなるのかをソウスケは想像した。
(オークの顔があんなにきれいさっぱりなくなる技だ。もし試験官の体のどこかに当たったら・・・・・・恐らくだが、ギルドのブラックリスト的なものに載りそうだな)
あまり食事中にはよろしくないイメージを想像したソウスケは、少し気持ち悪くなり食事の手が止まってしまった。
「勿論です。あの技はあまり人には使いたくないですからね」
「そうしてくれ。ただ・・・・・・あれだ、悪人には遠慮する必要ないからな」
悪人は生かしておいても碌な事が無いのでミレアナに容赦するなと伝えた。
だが、もし自分がそういった場面に遭遇した時、平常心を崩さずに相手の命を奪えるのかソウスケは心配になった。
夕食を食べ終えた二人は部屋に入り、ベットと椅子に座っていた。
良い感じの満腹感にソウスケは横に少し横になろうかと思ったが、それだとそのまま寝てしまう可能性が高いと思い、先に説明を始める事にした。
そしてソウスケは、自分がこの世界の人間でない事やどうやってこの世界に来たのか、蛇腹剣の切り札的内容に懐が豊かな理由等々、念のためと思い自分達の会話を盗み聞きしている者がいないか確認し、全てもろもろ話した。
時間にしておよそ二十分、質問の受け答え含めてソウスケは他人には絶対に話さない事までミレアナに全て伝えた。
「・・・・・・てな感じだ」
「い、いろいろ驚かされましたが・・・・・・正直転移先がダンジョンの下層というのは、いくら蛇腹剣の様な特殊な武器やレベルがそこそこある魔法スキルを持っていたとしても、かなり厳しい物だと思います。ソウスケさんの話の中で一番そこに驚かされました。ちょっとソウスケさんを転移させた神様は、ソウスケさんを殺しに来ているのではと思ってしまいました」
ミレアナの不吉な言葉にソウスケはまさか~~と思ったが、可能性としては否定できなかった。
(そうだよな・・・・・・正直いくら武器屋スキルがあったとしてもレベルは一だからな。まぁ、この先関わるような事は無いだろうから気にしないでおこう)
正直神様が自分の事を異世界に転移させて殺させようと考えていたとは思いたくないので、ソウスケは直ぐにその考えを頭の中から追い出した。
その後は二人で今後の受けてみたクエストや行ってみたい場所について話し合い、適当な時間にベットに入って眠りについた。
ちなみに宿の女将に宿代、飯代の延長料金を払った際に女将にミレアナがソウスケの何なのかを聞き、それに対して隠す事無くソウスケは答えた。
そして答えを聞いた女将はニヤニヤしながら換気だけはしっかりしなさいよ、とソウスケに告げてから仕事に戻っていた。
(あの女将さん絶対に俺がミレアナはそういった目的も含めて勝ったと思っているよな。別にそういう気持ちは・・・・・・これっぽちもない訳では無いけど、正直能力で選んだからな。容姿はそこまで重視しなかったな)
シチューをどんどん口の中に入れながら、ソウスケは頭の中が少しピンク色になりながらも素直に答えない方が良かったかもしれないと、少し後悔をしていた。
(ただ、何かの拍子でバレるよりは断然良いだろうからな。変なのに絡まれる可能性はあるだろうけど)
この先起こるかもしれない嫌な可能性に口の中に入っている物を全てのみ込み、大きなため息を吐いたソウスケを見たミレアナは心配そうに声を掛けた。
「だ、大丈夫ですかソウスケさん? 何か嫌な事でもありましたか?」
「いや、嫌な事があった訳じゃないんだ。ただこれから起こるかもしれない厄介事を考えていたからな。ついため息が出てしまったんだ」
これからどころか、明日起きるかもしれないけどなと心の中で呟きながら、ソウスケは良い感じに溶けているチーズがのっている肉に齧り付いた。
「モグモグモグモグ・・・・・・ングッ。うん、美味いなこの料理。まぁ、ミレアナは気にする必要は無いからな」
「わ、分かりました」
頷きながらミレアナはサラダを口に運び、美味しそうに食べていた。
座って食べているだけで絵になるミレアナに、近くにいる何人かな冒険者や一般人の男性たちは料理を食べる手を止めて見惚れていた。
そんな気持ちが分からなくもない男性陣に、目を合わせないようにしながらミレアナとの会話を続けた。
「明日の試験についてだけど・・・・・・うっかり重傷を負わせたりするなよミレアナ」
「だ、大丈夫ですよ! 今日の闘いで少しは感が取り戻せましたから!!」
元気に答えるミレアナだが、ソウスケはその元気さのせいで明日何かやらかすかもしれないと直感的に感じた。
「今日お前の闘い見ていて分かったけど、お前は普通に強い。今日の闘いを見て完全に確信した。正直明日の試験官がDランクの人だったら万が一が普通にあると俺は思う。だから、かなり手加減しろ。そうだな・・・・・・取りあえず魔法は使わずに戦ってみろ」
ソウスケの話は全て聞いていたが、自分が褒められて事が嬉しかったミレアナの顔は少し緩んでいた。
「分かりました。要は短剣と体術で戦えばいいんですよね」
「ああ、そう言う事だ。間違ってもあれは使うなよ」
もし試験官相手に風の魔力を圧縮して放つ技を使ってしまったらどうなるのかをソウスケは想像した。
(オークの顔があんなにきれいさっぱりなくなる技だ。もし試験官の体のどこかに当たったら・・・・・・恐らくだが、ギルドのブラックリスト的なものに載りそうだな)
あまり食事中にはよろしくないイメージを想像したソウスケは、少し気持ち悪くなり食事の手が止まってしまった。
「勿論です。あの技はあまり人には使いたくないですからね」
「そうしてくれ。ただ・・・・・・あれだ、悪人には遠慮する必要ないからな」
悪人は生かしておいても碌な事が無いのでミレアナに容赦するなと伝えた。
だが、もし自分がそういった場面に遭遇した時、平常心を崩さずに相手の命を奪えるのかソウスケは心配になった。
夕食を食べ終えた二人は部屋に入り、ベットと椅子に座っていた。
良い感じの満腹感にソウスケは横に少し横になろうかと思ったが、それだとそのまま寝てしまう可能性が高いと思い、先に説明を始める事にした。
そしてソウスケは、自分がこの世界の人間でない事やどうやってこの世界に来たのか、蛇腹剣の切り札的内容に懐が豊かな理由等々、念のためと思い自分達の会話を盗み聞きしている者がいないか確認し、全てもろもろ話した。
時間にしておよそ二十分、質問の受け答え含めてソウスケは他人には絶対に話さない事までミレアナに全て伝えた。
「・・・・・・てな感じだ」
「い、いろいろ驚かされましたが・・・・・・正直転移先がダンジョンの下層というのは、いくら蛇腹剣の様な特殊な武器やレベルがそこそこある魔法スキルを持っていたとしても、かなり厳しい物だと思います。ソウスケさんの話の中で一番そこに驚かされました。ちょっとソウスケさんを転移させた神様は、ソウスケさんを殺しに来ているのではと思ってしまいました」
ミレアナの不吉な言葉にソウスケはまさか~~と思ったが、可能性としては否定できなかった。
(そうだよな・・・・・・正直いくら武器屋スキルがあったとしてもレベルは一だからな。まぁ、この先関わるような事は無いだろうから気にしないでおこう)
正直神様が自分の事を異世界に転移させて殺させようと考えていたとは思いたくないので、ソウスケは直ぐにその考えを頭の中から追い出した。
その後は二人で今後の受けてみたクエストや行ってみたい場所について話し合い、適当な時間にベットに入って眠りについた。
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