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二百六十五話俺の心が痛む

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娼館や娼婦の情報を貰った男と少しの間雑談をした後、ソウスケはフォルスを無事家まで送ってから宿へと戻って来た。

「ただいま・・・・・・ミレアナ、まだ起きてたのか?」

「はい、流石にソウスケさんより早く寝るのはちょっとあれでして」

ソウスケより先に寝るのは良くないと思い起きていたのか、そう思ったがベットに入って寝ようとしても寝れずに起きて木を削ってモンスターを作っていたのかソウスケには解らないが、一つ息を吐いてからミレアナの隣へ座る。

「ミレアナ。お前はもう奴隷って立場に立っている訳じゃないんだ。俺の頼れる仲間だ。だから俺より先に寝るのは良くないとか思う必要は無い」

「それは解っています。ですが・・・・・・やはりそういった感情は中々抜けなくて」

自分は奴隷では無く、ソウスケの隣に立って一緒に戦う仲間。
それはミレアナも頭では解っているが、ソウスケから奴隷と言う立場の時に受けた恩が大きすぎる為、未だにソウスケを第一に優先しようという感覚が抜けないでいた。

「・・・・・・あれだ、お前のそういう感覚が抜けないと俺は心苦しい。だから俺がそう思わない為にもそういう事はしなくて良いから」

少し無理矢理まとめ過ぎたかとソウスケは思ったが、少しの間ミレアナは考え込むと納得したのか表情が軽いものになっていた。

「分りました!! その辺りは今後気を付けて直していきます」

「そうしてくれ」

話がまとまり、手製の風呂でのんびりと体を癒したソウスケは明日のダンジョン探索の事を考えながら眠りについた。


朝食を食べ終えたソウスケ達は早速ダンジョンに向かい、最初の頃よりは減ったがそれでも群がって来る野良パーティーの誘いを全て断ってダンジョンの中へと入る。

そして二十一階層へと転移したソウスケ達は早速光差す先へと向かう。
ソウスケ達に目に映った景色は十一階層から二十階層の間と変わらず森森森であった。

ただ、木々の大きさだけが全開と違うと直ぐに解る情報。

「・・・・・・なんか、俺の勘違いかもしれないけど何となく一階層から二十階層までと比べて空気がピリついてる気がするんだが」

「おそらく勘違いではないかと。私も少し違和感を感じています」

「状態異常の攻撃を扱うモンスターが多くなるから・・・・・・それだけが理由では無さそうですね」

モンスターにとっても人と同様に状態異常攻撃は脅威であると認識している。
それ人と違って状態異常攻撃を受けてしまった場合、回復方法を全く知らない。

痺れであれば時間が経てば自然と抜けていく。ただしその間に他のモンスターと遭遇して殺されないという可能性は無い。

ただ、毒も喰らってしまった場合は耐性が無い者は確実に一歩ずつ死へと向かっていく。
稀にこの木の実を食べれば体の毒が治るといった知識を持つ個体はいるが、そんな個体は本当に稀だ。

「まぁ、探索してみない事には何も解らないんだから取りあえず進もう」

今までより更に周囲へ気を配って下へと進みだす。

そして二十二階層へと進む途中、ソウスケ達は三度ほどモンスターからの襲撃を受ける。
襲撃を受けたとはいってもダメージは受けておらず、無傷で済んでいる。

ただ、それはソウスケ達がいち早くモンスターの襲撃に気が付き、先手を討っているからである。
もし真正面から戦う事になった場合、数の差にもよるが無傷とはいかないモンスターも中にはいる。

「・・・・・・ちょっと面倒だな」

襲って来たモンスターに鑑定を使い、そのような攻撃方法を持っているか調べたソウスケは舌打ちをしながら指輪状態にしていた蛇腹剣を通常態に戻し、グラディウスとの二刀流状態で散策を続ける。
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