転移したらダンジョンの下層だった

Gai

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三百六話 視界、動き共に良好

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昆虫系のモンスターの超有効な二刀の剣、バアゼブレイヤを得たソウスケは人前で使うつもりは無いが、それでもどれだけ昆虫系のモンスターに効果があるのか試してみたくなった。

なので気配感知を使って周囲に人がいない事を確認し、ミレアナの耳でもう一度周囲を確認してから昆虫系のモンスターとの戦闘を開始。
相手は見た目はムカデのモンスター、センチネル。

体長は平均で七メートル。個体によっては十メートルまで達する。
それだけ大量が長ければ横ががら空きでは無いのかと思うが、多数の足を延ばして攻撃する事が出来る。しかも強くは無いが痺れ効果付き。

センチネルの情報を得ていない冒険者が良く喰らってしまう攻撃の一つであり、致命傷や重症にはならないものの動きを止められてしまう可能性があるので厄介な事に変わりはない。

「っし、行くぞ!!」

バアゼブレイヤを両手に持ち、気合いを入れて走り出す。
そして真正面から挑む事は無く、三メートル程で前で横に飛んで再度進む。
もう少しで鉄をも貫く触角が触れるところだったが、ソウスケに焦りはなく余裕で躱した。

攻撃を予測して躱した訳では無く、無理矢理地面を蹴って避けた訳でもない。
そうしてなくても余裕で躱せる自信がソウスケの中にはあった。

(脚力を上昇させる効果を持っていたのは知っていたが、ここまで効果があるとはな。それに動体視力も向上してるから本当に躱しやすい。確かに昆虫系のモンスターにはあまり予備動作的な物が無い気がする。それに加速するのも速い。あと何と言うか・・・・・・・他のモンスターと比べて動き出すのが速い。その為の対抗策って事か)

正に昆虫系のモンスターに対抗、そして倒す為の剣。

(スナイプビーやナイトスナイプビー。後クイーンスナイプビーの動きや攻撃もこいつがあれば超余裕で躱せるな)

過去に対峙した甘い蜜を提供してくれた(巣から頂戴した)モンスターを思い出しながらソウスケはセンチネルの体の境目を切断しようとする。

勿論それに足を延ばして対応しようとするセンチネルだが、その足を余裕で上に飛んで躱す。
そして真上から切断。

「これで終わりって事は無い筈、ってうわわわわ!!??」

境目を切断したところで一マス分だけを斬っただけなので、他の大部分が残っている二つは動き回るかもしれない。
そう考えていたソウスケだが、自身が綺麗に斬り裂いた一マスの部分に着地するとその一マスまでもが動き出したので慌ててその場から跳んだ。

「生命力強過ぎだろ」

空中に跳んだソウスケは即座に斬撃を放ち、センチネルの一マスを縦に両断。

「流石にこれで死んだか。横に両断するだけじゃ死なないのは確実か。あと、横にじゃなくて盾に斬るのが正解かもしれないな」

自身の予想を検証するためにソウスケは意識が完全に自分に向ているセンチネル二体に斬りかかる。
胴だけのセンチネルをまずは縦に両断しようと動くが、常に頭があるセンチネルが背後からソウスケを襲おうとする。
ただ喰いかかるだけでなく、口と二本の触覚からウィンドランスを放つ事もある。

しかし準備までの時間が短い訳では無いのでソウスケは後ろを振り返る事無く、魔力感知でウィンドランスの位置を正確に捉えて同じ魔法で相殺する。

そして援護がこない胴だけのセンチネルは足を延ばしてソウスケに風穴を空けようとするが、それがソウスケに届きはせず容赦なく切断される。

再生能力を持つセンチネルは残っている足で後ろに移動しながら切断された足の再生を始めるが、それよりも速くソウスケが脚で放った風の斬撃がセンチネルの胴を真っ二つに斬り裂く。
すると片足では歩く事が出来なくなったセンチネルは必死に動こうとするも、直ぐに息絶える。

(縦に切断するのが正解みたいだな。でもなんで顔が無い方は魔法を使ってこなかったんだ? まっ、理由は後で考えよう)

迫る二回目のウィンドランスを相殺する為、ソウスケも先程と同様にウィンドランスを発動する。
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