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四百九十八話 受付も強い
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「……結構デカいな」
「かなり有名な流派なのかもしれませんね」
三人が到着した建物は冒険者ギルドよりは小さいが、辿り着くまでに目に映った道場よりは断然大きかった。
「これは中々期待してもよさそうだな」
「期待するのは構わないけど、頼むから一発でオシャカにするのは止めてやれよ」
道場の扉を開けると直ぐに門下生たちの声が聞こえてくる。
一糸乱れぬその声量はある意味武器だなとソウスケは感じた。
「見学でしょうか? それとも練習の申し込みですか?」
受付をしている女性がソウスケ達に何の用でやって来たのかを尋ねる。
(この人、結構強そうだな。冒険者で言えばCランク……Bランクぐらいの強さはあるか?)
いきなり裏の連中が襲ってきても対処するためなのか、受付の強さが尋常ではない。
その事に少々驚きながらもソウスケはやって来た理由を答える。
「ギルドの依頼を見てやって来ました。こいつは希少種のオーガです。依頼に書いてあった従魔としての役割は十分に果たせるかと」
「オーガの希少種……鬼人族、ではないのですね」
「あぁ、俺はこれでもオーガに変わりはない。なんなら鑑定を使って調べてみると良い」
「ッ!!!! どうやら希少種というのも本当のようですね」
ザハークは一瞬だけではあるが、モンスターとしての本能的な部分を含んだ戦意を女性に向けた。
獣のような戦意や殺気を放てる実力者は存在するが、実戦の経験数が多い者ほどモンスターと人の戦意や殺気の違いが解る。
「それでは案内いたします」
女性の後に付いて行き、門下生の中でも特に実力のある者達が訓練を行っている場所へと向かう。
「お姉さんも轟炎流の門下生なんですか?」
「……ターリアです。あなたの言う通り、私は轟炎流の門下生でした。今は冒険者と轟炎流の教師を兼業しています」
「教師と冒険者を兼業……大変そうですね」
「初めの頃は大変でしたが、直ぐに慣れましたよ。常に命の危機があるダンジョンで活動していれば、子供達の相手をするぐらい訳はありません。あなたも実力者ならそう思いませんか?」
一目で実力者と解るミレアナとザハークが少年に付き従っている。
それだけで全容が解らないソウスケが本当は実力者なのだろうと予測できる。
「えっと……俺はあんまり人に何かを教えてことが無いんであれですけど、やっぱり跳ねっ返りの門下生とかが入ってくると大変なんじゃないですか?」
「その通りですね。ですが、この道場の師範を担当している方はAランク冒険者にも劣らない実力を有しております。まず、師範がその跳ねっ返りをボコボコにします」
「な、なるほど……それはかなり凹みそうですね」
まず、なのでその続きも当然ある。
「そして次に私がボコボコにします。師範は男性で体格も大きい、そういった人に負けても仕方ないが自分が弱い訳ではない。そんな薄っぺらく残ったプライドを私が叩き斬るのです」
「は、はぁ……えっと、男女関係無しに負けたお前は弱い突き付ける、といった感じですか?」
「そういった感じです。そうすれば自然と跳ねっ返らなくなりますので。さて、着きました」
ターリアが三人を案内した場所は同情の建物内ではなく、十分な広さを誇るグラウンドだった。
そこでは身長が二メートル近く、筋肉モリモリな男性が門下生たちと一対一を延々と繰り返していた。
「師範!!! 依頼を受けてくださった冒険者がやってまいりました!!!」
師範が門下生を叱責する声、門下生がそれに応えるように声を上げる。
そして剣と剣がぶつかり合う衝音……そんな中でもターリアの声がグラウンドに響き渡り、師範の耳に入った。
「おぉ、そうか。お前ら、一旦並べ!!!」
ギルドに出した依頼を受けてくれた客人がやって来た。
その者に挨拶する為に師範は門下生との訓練を一瞬で喉元に剣先を突き付けて終わらせた。
(……ターリアさんよりも強そうだな。Aランク冒険者の実力に匹敵するってのは間違いではなさそうだな)
多くの門下生の長を務める師範の体からは明らかに強者の雰囲気が漏れていた。
「かなり有名な流派なのかもしれませんね」
三人が到着した建物は冒険者ギルドよりは小さいが、辿り着くまでに目に映った道場よりは断然大きかった。
「これは中々期待してもよさそうだな」
「期待するのは構わないけど、頼むから一発でオシャカにするのは止めてやれよ」
道場の扉を開けると直ぐに門下生たちの声が聞こえてくる。
一糸乱れぬその声量はある意味武器だなとソウスケは感じた。
「見学でしょうか? それとも練習の申し込みですか?」
受付をしている女性がソウスケ達に何の用でやって来たのかを尋ねる。
(この人、結構強そうだな。冒険者で言えばCランク……Bランクぐらいの強さはあるか?)
いきなり裏の連中が襲ってきても対処するためなのか、受付の強さが尋常ではない。
その事に少々驚きながらもソウスケはやって来た理由を答える。
「ギルドの依頼を見てやって来ました。こいつは希少種のオーガです。依頼に書いてあった従魔としての役割は十分に果たせるかと」
「オーガの希少種……鬼人族、ではないのですね」
「あぁ、俺はこれでもオーガに変わりはない。なんなら鑑定を使って調べてみると良い」
「ッ!!!! どうやら希少種というのも本当のようですね」
ザハークは一瞬だけではあるが、モンスターとしての本能的な部分を含んだ戦意を女性に向けた。
獣のような戦意や殺気を放てる実力者は存在するが、実戦の経験数が多い者ほどモンスターと人の戦意や殺気の違いが解る。
「それでは案内いたします」
女性の後に付いて行き、門下生の中でも特に実力のある者達が訓練を行っている場所へと向かう。
「お姉さんも轟炎流の門下生なんですか?」
「……ターリアです。あなたの言う通り、私は轟炎流の門下生でした。今は冒険者と轟炎流の教師を兼業しています」
「教師と冒険者を兼業……大変そうですね」
「初めの頃は大変でしたが、直ぐに慣れましたよ。常に命の危機があるダンジョンで活動していれば、子供達の相手をするぐらい訳はありません。あなたも実力者ならそう思いませんか?」
一目で実力者と解るミレアナとザハークが少年に付き従っている。
それだけで全容が解らないソウスケが本当は実力者なのだろうと予測できる。
「えっと……俺はあんまり人に何かを教えてことが無いんであれですけど、やっぱり跳ねっ返りの門下生とかが入ってくると大変なんじゃないですか?」
「その通りですね。ですが、この道場の師範を担当している方はAランク冒険者にも劣らない実力を有しております。まず、師範がその跳ねっ返りをボコボコにします」
「な、なるほど……それはかなり凹みそうですね」
まず、なのでその続きも当然ある。
「そして次に私がボコボコにします。師範は男性で体格も大きい、そういった人に負けても仕方ないが自分が弱い訳ではない。そんな薄っぺらく残ったプライドを私が叩き斬るのです」
「は、はぁ……えっと、男女関係無しに負けたお前は弱い突き付ける、といった感じですか?」
「そういった感じです。そうすれば自然と跳ねっ返らなくなりますので。さて、着きました」
ターリアが三人を案内した場所は同情の建物内ではなく、十分な広さを誇るグラウンドだった。
そこでは身長が二メートル近く、筋肉モリモリな男性が門下生たちと一対一を延々と繰り返していた。
「師範!!! 依頼を受けてくださった冒険者がやってまいりました!!!」
師範が門下生を叱責する声、門下生がそれに応えるように声を上げる。
そして剣と剣がぶつかり合う衝音……そんな中でもターリアの声がグラウンドに響き渡り、師範の耳に入った。
「おぉ、そうか。お前ら、一旦並べ!!!」
ギルドに出した依頼を受けてくれた客人がやって来た。
その者に挨拶する為に師範は門下生との訓練を一瞬で喉元に剣先を突き付けて終わらせた。
(……ターリアさんよりも強そうだな。Aランク冒険者の実力に匹敵するってのは間違いではなさそうだな)
多くの門下生の長を務める師範の体からは明らかに強者の雰囲気が漏れていた。
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