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五百二話 その場で作製
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「全部のモンスターに効くかどうかは解らないですけど、嗅覚が鋭いモンスターとかにはフンを粉上にしてそれを中に入れたボールとかはぶつければ結構大ダメージになりそうかなって」
人間の物も当然だが、モンスターのフンは総じて臭い。
なので昆虫系のモンスターやゴーレム系のモンスターには効かないが、獣系のモンスターには効果抜群。
人型のモンスターも大抵は有効打になる。
(クソの匂いを武器にした玉……悪臭玉ってところか)
ナイス命名だと思ったソウスケだが、悪臭玉を自分で作ろうとは思わなかった。
「なるほど……モンスターのフンを武器に、か。中々斬新なアイデアだな。だが、その……作るのにかなりの労力が必要になると思うのだが」
「それは俺も今思いました。まぁ、気が向いたら作るって程度に考えておいた方が良いかもしれませんね。それにぶつけるだけなら単純に球の中に砂を入れておけば目潰しにはなりますし」
「投擲が得意な者には地面を蹴ってぶつけるよりも上手く当てられるかもしれない」
模擬戦では砂かけや投擲の攻撃は行っていないので、門下生たちはダンジョンの上層での実戦でレガースに教わった方法を実践している。
まだまだ他にも敵の動きを妨害できる方法はないかとソウスケは考え……これなら使ったり作るのに問題はない道具を思い付いた。
「まきびしとか結構使えるかもしれませんね」
「まきびし? というのはいったいどうい道具なのですか?」
「えっと、こう……とげとげした玉……じゃないな。四つの方向に円錐型の針がある道具って感じです。それを相手の進行方向に向けて投げる。とげとげしてるのでそれを踏んだら足に大ダメージです」
「ほほぅ、なるほどなるほど。素晴らしい道具だ。しかしどこかで聞いたことがある様な気が……」
「もしかしたら別の大陸に存在する道具かもしれません。まきびしは自分で考えた道具ではないので。ただ……自作出来る道具ではないと思うんで、多少のお金は掛かるかと」
悪臭玉ぐらいならば頑張れば作れる内容だ。
ただし、クソの悪臭により匂いが取れなくなる……かもしれない。
それに比べてまきびしは鉄、もしくはモンスターの牙や爪、骨を使って形を変えて制作する。
なので、そこら辺の知識がない門下生たちが自作出来る道具ではない。
ただ、ここには鍛冶と錬金術と魔力操作の三つ全てがプロ並みかそれ以上の実力を持つ規格外がいる。
「実際に作ってみましょう」
「? それはいったいどういう、こと……」
空間収納から鉄鉱石を取り出したソウスケは土の魔力で土台を生み出し、そこに鉄鉱石を置いて熱し始める。
そして徐々に形を変形させていき、水を生み出してその中に熱々のまきびしをぶち込む。
もう一度熱し、冷やす。それを数度繰り返してまきびしが完成した。
「見た目はこんな感じです」
完成したまきびしを渡されたレガースはその有効性を確かめるように棘の部分を触る。
「なるほど……確かにこれを思いっきり踏めば十分な足止めになる。しかし……今のは錬金術? で作ったのか???」
レガースだけではなく、遠目から見ていた門下生たちも驚き固まっていた。
そこでミレアナはレガースにアドバイス? を送る。
「レガースさん、ソウスケさんは錬金術と鍛冶の腕がプロ並み、もしくは上回る実力を持っています。錬金術と鍛冶の技術が二つとも一人前……そんな人物をレガースさんは知っていますか?」
「いや、そこまで多彩な技術を持つ冒険者は聞いたことがない」
「私も聞いたことがありません。つまりソウスケ様の経験と才は他者とは比べ物にならないほど上なのです」
自信満々に語るミレアナだが、どちらかと言えば経験よりも才による力が大きい。
事実、ソウスケはこの世界に来る前に神に頼んで鍛冶、錬金術、木工の才を貰った。
ソウスケがこの世界に来てからの経験数は確かに他者と比べて多いが、プロと呼べる者達と比べては圧倒的に少ない。
だが、ソウスケのことをそこまで詳しくないレガースはミレアナの事をあっさりと信じてしまった。
人間の物も当然だが、モンスターのフンは総じて臭い。
なので昆虫系のモンスターやゴーレム系のモンスターには効かないが、獣系のモンスターには効果抜群。
人型のモンスターも大抵は有効打になる。
(クソの匂いを武器にした玉……悪臭玉ってところか)
ナイス命名だと思ったソウスケだが、悪臭玉を自分で作ろうとは思わなかった。
「なるほど……モンスターのフンを武器に、か。中々斬新なアイデアだな。だが、その……作るのにかなりの労力が必要になると思うのだが」
「それは俺も今思いました。まぁ、気が向いたら作るって程度に考えておいた方が良いかもしれませんね。それにぶつけるだけなら単純に球の中に砂を入れておけば目潰しにはなりますし」
「投擲が得意な者には地面を蹴ってぶつけるよりも上手く当てられるかもしれない」
模擬戦では砂かけや投擲の攻撃は行っていないので、門下生たちはダンジョンの上層での実戦でレガースに教わった方法を実践している。
まだまだ他にも敵の動きを妨害できる方法はないかとソウスケは考え……これなら使ったり作るのに問題はない道具を思い付いた。
「まきびしとか結構使えるかもしれませんね」
「まきびし? というのはいったいどうい道具なのですか?」
「えっと、こう……とげとげした玉……じゃないな。四つの方向に円錐型の針がある道具って感じです。それを相手の進行方向に向けて投げる。とげとげしてるのでそれを踏んだら足に大ダメージです」
「ほほぅ、なるほどなるほど。素晴らしい道具だ。しかしどこかで聞いたことがある様な気が……」
「もしかしたら別の大陸に存在する道具かもしれません。まきびしは自分で考えた道具ではないので。ただ……自作出来る道具ではないと思うんで、多少のお金は掛かるかと」
悪臭玉ぐらいならば頑張れば作れる内容だ。
ただし、クソの悪臭により匂いが取れなくなる……かもしれない。
それに比べてまきびしは鉄、もしくはモンスターの牙や爪、骨を使って形を変えて制作する。
なので、そこら辺の知識がない門下生たちが自作出来る道具ではない。
ただ、ここには鍛冶と錬金術と魔力操作の三つ全てがプロ並みかそれ以上の実力を持つ規格外がいる。
「実際に作ってみましょう」
「? それはいったいどういう、こと……」
空間収納から鉄鉱石を取り出したソウスケは土の魔力で土台を生み出し、そこに鉄鉱石を置いて熱し始める。
そして徐々に形を変形させていき、水を生み出してその中に熱々のまきびしをぶち込む。
もう一度熱し、冷やす。それを数度繰り返してまきびしが完成した。
「見た目はこんな感じです」
完成したまきびしを渡されたレガースはその有効性を確かめるように棘の部分を触る。
「なるほど……確かにこれを思いっきり踏めば十分な足止めになる。しかし……今のは錬金術? で作ったのか???」
レガースだけではなく、遠目から見ていた門下生たちも驚き固まっていた。
そこでミレアナはレガースにアドバイス? を送る。
「レガースさん、ソウスケさんは錬金術と鍛冶の腕がプロ並み、もしくは上回る実力を持っています。錬金術と鍛冶の技術が二つとも一人前……そんな人物をレガースさんは知っていますか?」
「いや、そこまで多彩な技術を持つ冒険者は聞いたことがない」
「私も聞いたことがありません。つまりソウスケ様の経験と才は他者とは比べ物にならないほど上なのです」
自信満々に語るミレアナだが、どちらかと言えば経験よりも才による力が大きい。
事実、ソウスケはこの世界に来る前に神に頼んで鍛冶、錬金術、木工の才を貰った。
ソウスケがこの世界に来てからの経験数は確かに他者と比べて多いが、プロと呼べる者達と比べては圧倒的に少ない。
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