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五百五十二話 過去に戦った強敵
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「よし、今日の授業はここまでだ。しっかり体休めとけよ」
「「「「「は、はい」」」」」
Sクラスの生徒は今日もしっかりとボコボコにされていた。
勿論何もさせてもらえず、ボコボコにされてはいない。
自分の頭で考えて動き、攻撃を当てようと必死に動き続けていた。
しかしその全てを躱され、最後に腹パンを決められて沈んでいく。
(Sクラスの中でも、もしかしたらって思える生徒はやっぱり数人ぐらいいるな)
たった一週間という短い時間で激的に実力が上がることはないが、自分に攻撃が掠りそうだなと思える生徒が数名程いた。
ソウスケとしては手を抜いて当たってやるつもりは一切無いが、素の状態だとあまり油断し過ぎるとやられてしまうかもしれない。
そんな期待が持てるせいとがいると思うと、少し頬が緩む。
「あの、ソウスケ先生。少し良いですか」
「ん? 何か用か、ラーテスト」
シーリス・ラーテスト。侯爵家の四女にして、Sクラストップの実力を持つ実力者。
綺麗な汚れのない金髪ウェーブをなびかせ、少々きりっとした目を持つ美人顔。
スタイルも整っており、彼女の恋愛感情を持つ生徒は少なくない。
「あの……良ければ、後でソウスケ先生の冒険譚を聞かせてもらえませんか」
小さな声で尋ねたので、他の生徒の耳には入っていない。
冒険譚を聞かせてほしい、その願いを断る理由は特になかった。
「別に良いぞ。なら……昼休みの時に話すか。食堂で待ってるぞ」
「分かりました!」
普段から少し鋭い表情をしているラーテストの顔が明るくなり、遠目からそれを見ていた男子生徒は尊い感情で一杯になっていた。
「ソウスケさんの冒険譚ですか……たくさんありますね」
「たくさんって言うほど……どうなんだろうな? 確かに密度が濃い冒険者生活を送ってると思うけど」
明らかに濃い。
一般冒険者ではなく、プロの冒険者が聞いてもソウスケの冒険者生活は濃いと断言する。
「濃いというか、暇を持て余すことない日々を送っているとは思うな。そのお陰で俺は退屈しない日々を送れている」
「そうか、それは良かったよ」
休み時間が終わり、前日と同じくAクラスの生徒たちを同じくボコボコにして、昼休みの時間が始まる。
先にメニューを頼み、テーブルで待っていると直ぐにラーテストがやって来た。
「お待たせしました」
「いや、大して待ってないぞ。それで冒険譚が聞きたいって言ってたけど……具体的にはどんな話が聞きたいんだ?」
「そうですね……えっと、ソウスケ先生が今まで戦ってきた中で強いと感じたモンスターを教えてください」
「俺が今まで戦ってきたモンスターの中で、強いと感じたやつか……」
食事の手を一旦止め、今まで戦ってきたモンスターたちを思い浮かべる。
冒険者としてはまだまだルーキーだが、遭遇したモンスーの数はそこら辺のベテランと同じぐらいはある。
「……一番最初はワイバーン、だったな」
「ワイバーン……ど、どうでしたか」
「単純に空を飛び慣れてるのが厄介だった。決め手になった一撃はカウンター気味? だったしな……やっぱり空を飛べるモンスターは厄介だ。これから戦うことはあると思うし、そこら辺の対策は考えておいて損は無いと思うぞ」
「そ、そうですね。空を飛ぶモンスター……」
一応先生ではあるので、それらしいアドバイスをしながら話を進めていく。
「次は……コボルトキング、だな」
「コボルトキング!!! び、Bランクのモンスターじゃないですか」
「あぁ、そうだな。他にも部下っぽい奴らがいたけど、そいつらはミレアナが纏めて相手をしてくれてたから一対一で戦えたよ」
「み、ミレアナ先生も凄いですね。あの……強かったん、ですよね」
あまりにもあっけらかんとした表情で答えるので、ソウスケは全く強いと思っていないのではと思ってしまう。
本人としては超強敵、そう思える程強くはなかったが、あまり油断してたらこちらがやられると思うほどの実力はあると認識している。
「強かったけど……あんまり強い奴と戦ったことがなかったのかもな。隙をつくろうとしたら上手くいったんだ。高ランクのモンスターは確かに強敵だが、無敵じゃないんだ。小さなアクションが隙を生み出すかもしれない」
「な、なるほど!!」
ソウスケの口から出て来たモンスターがモンスターなので、ラーテストは徐々に興奮し始めたが貴族らしい所作はそのままだった。
「「「「「は、はい」」」」」
Sクラスの生徒は今日もしっかりとボコボコにされていた。
勿論何もさせてもらえず、ボコボコにされてはいない。
自分の頭で考えて動き、攻撃を当てようと必死に動き続けていた。
しかしその全てを躱され、最後に腹パンを決められて沈んでいく。
(Sクラスの中でも、もしかしたらって思える生徒はやっぱり数人ぐらいいるな)
たった一週間という短い時間で激的に実力が上がることはないが、自分に攻撃が掠りそうだなと思える生徒が数名程いた。
ソウスケとしては手を抜いて当たってやるつもりは一切無いが、素の状態だとあまり油断し過ぎるとやられてしまうかもしれない。
そんな期待が持てるせいとがいると思うと、少し頬が緩む。
「あの、ソウスケ先生。少し良いですか」
「ん? 何か用か、ラーテスト」
シーリス・ラーテスト。侯爵家の四女にして、Sクラストップの実力を持つ実力者。
綺麗な汚れのない金髪ウェーブをなびかせ、少々きりっとした目を持つ美人顔。
スタイルも整っており、彼女の恋愛感情を持つ生徒は少なくない。
「あの……良ければ、後でソウスケ先生の冒険譚を聞かせてもらえませんか」
小さな声で尋ねたので、他の生徒の耳には入っていない。
冒険譚を聞かせてほしい、その願いを断る理由は特になかった。
「別に良いぞ。なら……昼休みの時に話すか。食堂で待ってるぞ」
「分かりました!」
普段から少し鋭い表情をしているラーテストの顔が明るくなり、遠目からそれを見ていた男子生徒は尊い感情で一杯になっていた。
「ソウスケさんの冒険譚ですか……たくさんありますね」
「たくさんって言うほど……どうなんだろうな? 確かに密度が濃い冒険者生活を送ってると思うけど」
明らかに濃い。
一般冒険者ではなく、プロの冒険者が聞いてもソウスケの冒険者生活は濃いと断言する。
「濃いというか、暇を持て余すことない日々を送っているとは思うな。そのお陰で俺は退屈しない日々を送れている」
「そうか、それは良かったよ」
休み時間が終わり、前日と同じくAクラスの生徒たちを同じくボコボコにして、昼休みの時間が始まる。
先にメニューを頼み、テーブルで待っていると直ぐにラーテストがやって来た。
「お待たせしました」
「いや、大して待ってないぞ。それで冒険譚が聞きたいって言ってたけど……具体的にはどんな話が聞きたいんだ?」
「そうですね……えっと、ソウスケ先生が今まで戦ってきた中で強いと感じたモンスターを教えてください」
「俺が今まで戦ってきたモンスターの中で、強いと感じたやつか……」
食事の手を一旦止め、今まで戦ってきたモンスターたちを思い浮かべる。
冒険者としてはまだまだルーキーだが、遭遇したモンスーの数はそこら辺のベテランと同じぐらいはある。
「……一番最初はワイバーン、だったな」
「ワイバーン……ど、どうでしたか」
「単純に空を飛び慣れてるのが厄介だった。決め手になった一撃はカウンター気味? だったしな……やっぱり空を飛べるモンスターは厄介だ。これから戦うことはあると思うし、そこら辺の対策は考えておいて損は無いと思うぞ」
「そ、そうですね。空を飛ぶモンスター……」
一応先生ではあるので、それらしいアドバイスをしながら話を進めていく。
「次は……コボルトキング、だな」
「コボルトキング!!! び、Bランクのモンスターじゃないですか」
「あぁ、そうだな。他にも部下っぽい奴らがいたけど、そいつらはミレアナが纏めて相手をしてくれてたから一対一で戦えたよ」
「み、ミレアナ先生も凄いですね。あの……強かったん、ですよね」
あまりにもあっけらかんとした表情で答えるので、ソウスケは全く強いと思っていないのではと思ってしまう。
本人としては超強敵、そう思える程強くはなかったが、あまり油断してたらこちらがやられると思うほどの実力はあると認識している。
「強かったけど……あんまり強い奴と戦ったことがなかったのかもな。隙をつくろうとしたら上手くいったんだ。高ランクのモンスターは確かに強敵だが、無敵じゃないんだ。小さなアクションが隙を生み出すかもしれない」
「な、なるほど!!」
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