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六百八十八話 雰囲気がだだ洩れ
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「なるほど、悪魔と契約していたのか……悪魔と契約してる者と戦うのは初めてだ。楽しませてもらうぞ」
「ちっ、本当に嘗め腐ってんな……お前、まさか後ろの主人と一緒に戦わねぇつもりか」
「? 当然だろう。ソウスケさんからお前との戦いを楽しむ権利を貰った。悪魔が一体増えたところで、俺が一人で戦うのは変わらない」
ザハークの言葉を聞き……バンディーだけではなく、ラップたちまでもが目が点になった。
「……なぁ、ソウスケ君。ザハークは、ちょっと……ぶっ飛び過ぎてないか?」
「そう、かもしれませんね。でも大丈夫ですよ、さっきも言ったと思いますけど、ザハークは強いんで」
確かに少々ヤバい雰囲気は感じる。
ただ、ソウスケから見てそのヤバさは……せいぜいコボルトキングと同程度。
二人の力を合わせても、以前ザハークがソロで戦った赤毛のアシュラコングよりも強いとは思えない。
「……潰す、殺す。パズズ、手抜くんじゃねぇぞ」
「そのつもりは毛頭ない。さすがの俺も頭にきた」
バンディーは様子見する気はなく、言葉通り最初から全力でザハークに襲い掛かってきた、
サソリの尾や鷲の翼を惜しむことなく使い、口からは火のブレスを吐く。
体術と言える技術力は、その身体能力は高く……地面に当れば、余裕で亀裂が走る。
(中々の力……中々だが、あまりコンビネーションは良くないな)
二人で同時に襲い掛かっているが、基本的にはバンディーの動きにパズズが合わせている。
それだけでも普通の冒険者には……Bランクの冒険者が相手でも脅威なことに変わりはない。
ただ、ザハークの言葉通り……あまりコンビネーション力は高くない。
それは単純に、今まで二人が同時に戦うほどの強さを持つ相手と戦ったことがないから。
そもそも冒険者や商人を襲わせる場合、強化させた部下たちだけでことが足りていた。
「ぐっ!?」
「ぬっ!!」
「どうした、その程度か」
正拳と回し蹴りを加え、二人を大きく飛ばす。
身体強化のスキルは使っている。
しかしその他のスキルや魔法は殆ど使っておらず、まだまだ余力を残しているのが表情から分かる。
(このオーガ……本当にオーガか? いや、希少種であるならば当然かもしれないが……くっ! なるべく早く終わらせたいが)
パズズの実力は決して低くはなく、後ろで戦いを観戦しているソウスケとミレアナがザハークと並ぶ実力者というのは解っている。
解っているからこそ、なるべくザハークに時間は掛けたくない。
「……バンディー、寿命を縮める覚悟はあるか」
「悪魔のお前と契約してるんだ。今更そんなのにビビると思うか」
「ふっ、そうだったな」
パズズは亜空間からいかにも呪われているであろう斧を取り出し、それをバンディー渡した。
「っ!!!!! はっはっは!!! 最高に良い気分だ!!!!!」
そう吼えると、先程までの速さと比べ物にならない速さでザハークとの距離を詰めた。
「ほぅ、危ない雰囲気がだだ漏れだな」
直接触れない方が良いと判断し、アイテムバッグの中から魔斧を取り出した。
「今の俺を、止められると思うな!!!!!」
パズズが渡した斧の影響で、バンディーは最高にハイな状態となっている。
寿命を削ることで大幅に身体能力を強化し、更には痛みによる動きの制限がなくなる。
指や腕が斬れたとしても、死ぬまでは暴れ続ける状態。
当然、刃の部分には呪いの効果が付与されており、斬られればそんじょそこらのポーションでは回復できない。
それがザハークも本能的に解っているからこそ、斧による攻撃は躱すか大剣で防御するように努めた。
(ここまで身体能力が上がると、少しあの悪魔の攻撃が厄介に感じるな)
寿命を代償に身体能力を上げたお陰で、バンディーの身体能力はAランク冒険者の前衛と並ぶ。
そこに羽による遠距離攻撃や炎のブレス、攻撃魔法が飛んでくると対処するのがきつくなるが……それでもザハークは好戦的な笑みを崩さない。
当然、ここでもザハークが焦る必要はなく、使ってこなかった魔法を発動。
戦いは再び拮抗状態へと戻った。
「ちっ、本当に嘗め腐ってんな……お前、まさか後ろの主人と一緒に戦わねぇつもりか」
「? 当然だろう。ソウスケさんからお前との戦いを楽しむ権利を貰った。悪魔が一体増えたところで、俺が一人で戦うのは変わらない」
ザハークの言葉を聞き……バンディーだけではなく、ラップたちまでもが目が点になった。
「……なぁ、ソウスケ君。ザハークは、ちょっと……ぶっ飛び過ぎてないか?」
「そう、かもしれませんね。でも大丈夫ですよ、さっきも言ったと思いますけど、ザハークは強いんで」
確かに少々ヤバい雰囲気は感じる。
ただ、ソウスケから見てそのヤバさは……せいぜいコボルトキングと同程度。
二人の力を合わせても、以前ザハークがソロで戦った赤毛のアシュラコングよりも強いとは思えない。
「……潰す、殺す。パズズ、手抜くんじゃねぇぞ」
「そのつもりは毛頭ない。さすがの俺も頭にきた」
バンディーは様子見する気はなく、言葉通り最初から全力でザハークに襲い掛かってきた、
サソリの尾や鷲の翼を惜しむことなく使い、口からは火のブレスを吐く。
体術と言える技術力は、その身体能力は高く……地面に当れば、余裕で亀裂が走る。
(中々の力……中々だが、あまりコンビネーションは良くないな)
二人で同時に襲い掛かっているが、基本的にはバンディーの動きにパズズが合わせている。
それだけでも普通の冒険者には……Bランクの冒険者が相手でも脅威なことに変わりはない。
ただ、ザハークの言葉通り……あまりコンビネーション力は高くない。
それは単純に、今まで二人が同時に戦うほどの強さを持つ相手と戦ったことがないから。
そもそも冒険者や商人を襲わせる場合、強化させた部下たちだけでことが足りていた。
「ぐっ!?」
「ぬっ!!」
「どうした、その程度か」
正拳と回し蹴りを加え、二人を大きく飛ばす。
身体強化のスキルは使っている。
しかしその他のスキルや魔法は殆ど使っておらず、まだまだ余力を残しているのが表情から分かる。
(このオーガ……本当にオーガか? いや、希少種であるならば当然かもしれないが……くっ! なるべく早く終わらせたいが)
パズズの実力は決して低くはなく、後ろで戦いを観戦しているソウスケとミレアナがザハークと並ぶ実力者というのは解っている。
解っているからこそ、なるべくザハークに時間は掛けたくない。
「……バンディー、寿命を縮める覚悟はあるか」
「悪魔のお前と契約してるんだ。今更そんなのにビビると思うか」
「ふっ、そうだったな」
パズズは亜空間からいかにも呪われているであろう斧を取り出し、それをバンディー渡した。
「っ!!!!! はっはっは!!! 最高に良い気分だ!!!!!」
そう吼えると、先程までの速さと比べ物にならない速さでザハークとの距離を詰めた。
「ほぅ、危ない雰囲気がだだ漏れだな」
直接触れない方が良いと判断し、アイテムバッグの中から魔斧を取り出した。
「今の俺を、止められると思うな!!!!!」
パズズが渡した斧の影響で、バンディーは最高にハイな状態となっている。
寿命を削ることで大幅に身体能力を強化し、更には痛みによる動きの制限がなくなる。
指や腕が斬れたとしても、死ぬまでは暴れ続ける状態。
当然、刃の部分には呪いの効果が付与されており、斬られればそんじょそこらのポーションでは回復できない。
それがザハークも本能的に解っているからこそ、斧による攻撃は躱すか大剣で防御するように努めた。
(ここまで身体能力が上がると、少しあの悪魔の攻撃が厄介に感じるな)
寿命を代償に身体能力を上げたお陰で、バンディーの身体能力はAランク冒険者の前衛と並ぶ。
そこに羽による遠距離攻撃や炎のブレス、攻撃魔法が飛んでくると対処するのがきつくなるが……それでもザハークは好戦的な笑みを崩さない。
当然、ここでもザハークが焦る必要はなく、使ってこなかった魔法を発動。
戦いは再び拮抗状態へと戻った。
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