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七百十五話 もう順番は関係無い
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「良いぞ、良いぞ! もっと殺す気で掛かって来い」
四十一階層に入ってから、ザハークはとても上機嫌だった。
Cランクのモンスターでもレベルが上がって強くなっており、更には当然の様にBランクのモンスターもダンジョン内を闊歩している。
先程超巨大なマグマゴーレムを倒し、現在はオルトロスの亜種と戦っている。
通常のオルトロスは火と雷のブレスを使うが、このダンジョンに現れるオルトロス亜種は火と風を使う。
上手い具合に火のブレスに風のブレスを加えて、火力を増加させる。
そしてブレスだけが得技ではなく、牙や爪も鋭く、亜種であるため身体能力はBランクの中でもトップクラス。
そんな強い敵……ザハークにとっては超歓迎する遊び相手。
発見した瞬間に直ぐソウスケに許可を求め、順番を変えてもらい……オルトロスの亜種へと飛び掛かった。
「そうだ、その調子だ!!!」
限られた時間の中で、オルトロス亜種の限界値を引き出そうとし……その上で最後は勿論叩き潰す。
それを約五分の間に行い、戦いを観戦していた二人から見ても、オルトロス亜種の動きがほんの少し良くなっていたように感じた。
(他の同業者たちからすれば、考えられないような戦い方でしょうね)
戦いを楽しむだけではなく、敵の限界値を引き出そうとする。
確かにこういった戦い方を行う者はそうそういない。
珍しいどころの考え方ではないが、二人はこれがザハークなのだと知っているので、特に注意することはない。
チラチラと盗賊団が溜め込んでいたお宝からゲットした懐中時計で時間を確認し、約五分が経ったところで、ザハークは両手に水の魔力を纏い、最後はブレスを躱して水の斬撃と二つの首を斬り落とした。
「どうだ、楽しかったか?」
「あぁ、流石Bランクのモンスター……しかも亜種。良い戦いだった」
「それは良かったですね。先程と戦った超巨大なマグマゴーレムと比べてどうでしたか?」
先程まで超満足気な表情から一転し、ミレアナからの問いに真剣な表情で悩み始める。
勿論、二人が解体を行い始めているので、周囲の警戒は忘れていない。
ザハークにとってどちらの戦いも楽しめるものだったが、優劣を付けるのであれば……ややオルトロス亜種との戦いの方が満足感があった。
「……力勝負を考えると超巨大マグマゴーレムとの戦いを悪くなかったが、緊張感でいえばオルトロス亜種の方が上だったな……うむ、総合的に考えるとオルトロス亜種との戦いの方が楽しかったといえる」
「そうですか。それは良かったですね」
嫌味などではなく、純粋にザハークが強い相手と戦えて良かったと思っている。
ここまで間を置かず高ランクのモンスターが現れることはなかったので、基本的に強敵との戦闘は順番。
しかし四十一階層以降となれば、いくらでも強敵が現れるので、特に順番など気にする必要もない。
(こいつの素材を使えば、良い装備が造れそうだな)
ザハークが倒したモンスターの素材であってもソウスケが使うことに本人が拒否することはないので、ソウスケとしては偶に強敵と戦えるのであれば問題無い。
「……今度は、私が戦いましょうか」
普段と比べてゆっくり探索している事もあり、現在は四十二階層……そろそろセーフティーポイントを目指そうと歩き始めたところで、これまた一筋縄では勝てない強敵が三人の前に現れた。
「ガルルルゥゥ……」
強敵の名はバーンティガー。
オルトロス亜種と同じくBランクのモンスターであり、炎を纏った物理攻撃はファイアドレイクにも負けない。
珍しくミレアナが我先にと一歩前に出たことに驚きながらも、それはそれでなんだか嬉しく思い、ザハークは出かけた足を引っ込めた。
「良い訓練相手になってくださいね」
「ッ!!!!」
ミレアナの言葉と態度に自分は目の前の敵に嘗められている本能で感じ取り、バーンティガーは最初からフルスロットルで敵を殺しに掛かった。
四十一階層に入ってから、ザハークはとても上機嫌だった。
Cランクのモンスターでもレベルが上がって強くなっており、更には当然の様にBランクのモンスターもダンジョン内を闊歩している。
先程超巨大なマグマゴーレムを倒し、現在はオルトロスの亜種と戦っている。
通常のオルトロスは火と雷のブレスを使うが、このダンジョンに現れるオルトロス亜種は火と風を使う。
上手い具合に火のブレスに風のブレスを加えて、火力を増加させる。
そしてブレスだけが得技ではなく、牙や爪も鋭く、亜種であるため身体能力はBランクの中でもトップクラス。
そんな強い敵……ザハークにとっては超歓迎する遊び相手。
発見した瞬間に直ぐソウスケに許可を求め、順番を変えてもらい……オルトロスの亜種へと飛び掛かった。
「そうだ、その調子だ!!!」
限られた時間の中で、オルトロス亜種の限界値を引き出そうとし……その上で最後は勿論叩き潰す。
それを約五分の間に行い、戦いを観戦していた二人から見ても、オルトロス亜種の動きがほんの少し良くなっていたように感じた。
(他の同業者たちからすれば、考えられないような戦い方でしょうね)
戦いを楽しむだけではなく、敵の限界値を引き出そうとする。
確かにこういった戦い方を行う者はそうそういない。
珍しいどころの考え方ではないが、二人はこれがザハークなのだと知っているので、特に注意することはない。
チラチラと盗賊団が溜め込んでいたお宝からゲットした懐中時計で時間を確認し、約五分が経ったところで、ザハークは両手に水の魔力を纏い、最後はブレスを躱して水の斬撃と二つの首を斬り落とした。
「どうだ、楽しかったか?」
「あぁ、流石Bランクのモンスター……しかも亜種。良い戦いだった」
「それは良かったですね。先程と戦った超巨大なマグマゴーレムと比べてどうでしたか?」
先程まで超満足気な表情から一転し、ミレアナからの問いに真剣な表情で悩み始める。
勿論、二人が解体を行い始めているので、周囲の警戒は忘れていない。
ザハークにとってどちらの戦いも楽しめるものだったが、優劣を付けるのであれば……ややオルトロス亜種との戦いの方が満足感があった。
「……力勝負を考えると超巨大マグマゴーレムとの戦いを悪くなかったが、緊張感でいえばオルトロス亜種の方が上だったな……うむ、総合的に考えるとオルトロス亜種との戦いの方が楽しかったといえる」
「そうですか。それは良かったですね」
嫌味などではなく、純粋にザハークが強い相手と戦えて良かったと思っている。
ここまで間を置かず高ランクのモンスターが現れることはなかったので、基本的に強敵との戦闘は順番。
しかし四十一階層以降となれば、いくらでも強敵が現れるので、特に順番など気にする必要もない。
(こいつの素材を使えば、良い装備が造れそうだな)
ザハークが倒したモンスターの素材であってもソウスケが使うことに本人が拒否することはないので、ソウスケとしては偶に強敵と戦えるのであれば問題無い。
「……今度は、私が戦いましょうか」
普段と比べてゆっくり探索している事もあり、現在は四十二階層……そろそろセーフティーポイントを目指そうと歩き始めたところで、これまた一筋縄では勝てない強敵が三人の前に現れた。
「ガルルルゥゥ……」
強敵の名はバーンティガー。
オルトロス亜種と同じくBランクのモンスターであり、炎を纏った物理攻撃はファイアドレイクにも負けない。
珍しくミレアナが我先にと一歩前に出たことに驚きながらも、それはそれでなんだか嬉しく思い、ザハークは出かけた足を引っ込めた。
「良い訓練相手になってくださいね」
「ッ!!!!」
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