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七百六十七話 どんな奴が追って来る?
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最後の遺跡探索を楽しんだソウスケ一行は、地上へ戻るいつも通り要らない素材を冒険者ギルドで買い取ってもらい、夕食をがっつり食べた後……サラッとシラブルから出た。
「どうなるでしょうね」
「さぁ、そうなるだろうな……もしかしたら、十日後ぐらいには誰かが知ってしまうかもな」
ミスリルゴーレムが居た部屋は、まだそのまま残っている。
ただし、ダンジョンのコアは見下し状態。
そして……槍が刺さっていたであろう場所には、伝承の槍がない。
「それが知れたとしても、俺たちに辿り着くだろうか」
「意外と高ランクの冒険者が多く滞在してたし、疑惑の目が向けられるのは、俺たちだけじゃないと思うぞ」
ワンチャン、伝承の槍がある可能性を信じ、シラブルに訪れる冒険者はそこそこいる。
当然、その中には高ランクの冒険者もいる。
Aランクの冒険者が遺跡に挑戦することもあるので、領主がソウスケたちが槍を奪った犯人だと断定する可能性は、そこまで高くない。
「ですが、ギルドがいらない助言をするかもしれませんよ」
「あぁ~~~……あり得そうだな。まっ、そうなったとしても、冒険者ギルドを攻めるのはお門違いか」
各冒険者、パーティーの戦力を把握している冒険者ギルドであれば、どのパーティーがミスリルゴーレムを倒せる可能性が高いか、細かく分析することが出来る。
ソウスケたちの戦闘光景を見たことがなくとも、三人の実績はギルドの記録として残っている。
なので、シラブルの冒険者ギルドとしては……三人という少数ではあるが、ソウスケたちがミスリルゴーレムを倒す可能性が高いと考えている。
学術都市の上級者向けダンジョンを攻略したという記録も残っているので、そう考えるのは決して間違ってはいない。
「そうなると……どうなるんだ?」
「シラブルの領主に仕える騎士たちが、私たちを捕らえようとするかもしれませんね」
「騎士たちが、ねぇ」
「ソウスケさん、そいつらは遠慮なくぶっ飛ばしても良いのか?」
脳筋お化けのザハークとしては、基本的に襲い掛かってくる敵は、ぶっ飛ばしても良いと思っている。
「……落ち着け。さすがにそれは不味いと思う」
ソウスケの記憶が正しければ、あまりシラブルに属する兵士や騎士のレベル高くなかった。
遺跡からは偶に歴史的に価値がある物などが見つかるが、その数は全盛期と比べてかなり少なくなっている。
加えて、ダンジョンほどの生産性がないため、街のレベルとしてはせいぜい中の上程度。
武家の貴族ではあるが、そういった家の中でも……やはり中の上程度。
「でも、気付くまでの時間や、俺たちが移動する距離とかを考えれば、多分追いつけないよな」
ソウスケたちは今回の道中……特に目的地はなく、考え無しに移動している。
そのため、移動速度は決して速くはないが、スタミナが半端ないこともあり、一日で移動する距離はそこそこ長い。
「仮に追いつかれたとして……殺すのは不味いから、拘束してそこら辺に放置するのがベストかな」
「そうか。それなら、俺はあまり手を出さない方が良さそうだな」
「今回はそうなるかもな」
「……しかしソウスケさん、領主が暗殺者を送ってくる可能性もあるかと」
なるべく足が付かない存在を利用し、必要な物を奪う。
褒められた方法ではないが、貴族が良く使う手段ではある。
「それもあり得そうだな。ザハーク、そういった連中が襲ってくるのであれば、思う存分ぶっ飛ばして良いぞ」
「是非そうさせてもらおう」
「あっ、でも一人だけ残してくれよ。一応、誰が俺たちに仕向けたのかは知りたいから」
自分たちが貴族から狙われているかもしれない。
そんな恐ろしい状況を理解しているにもかかわらず、三人の表情は普段と変わらない。
ザハークに関してはバトルマニアらしく、活き活きとした笑みを浮かべていた。
(本当に対立することになっても……まっ、何とかなるだろ)
そういう時のための後ろ盾は、既に得ていた。
「どうなるでしょうね」
「さぁ、そうなるだろうな……もしかしたら、十日後ぐらいには誰かが知ってしまうかもな」
ミスリルゴーレムが居た部屋は、まだそのまま残っている。
ただし、ダンジョンのコアは見下し状態。
そして……槍が刺さっていたであろう場所には、伝承の槍がない。
「それが知れたとしても、俺たちに辿り着くだろうか」
「意外と高ランクの冒険者が多く滞在してたし、疑惑の目が向けられるのは、俺たちだけじゃないと思うぞ」
ワンチャン、伝承の槍がある可能性を信じ、シラブルに訪れる冒険者はそこそこいる。
当然、その中には高ランクの冒険者もいる。
Aランクの冒険者が遺跡に挑戦することもあるので、領主がソウスケたちが槍を奪った犯人だと断定する可能性は、そこまで高くない。
「ですが、ギルドがいらない助言をするかもしれませんよ」
「あぁ~~~……あり得そうだな。まっ、そうなったとしても、冒険者ギルドを攻めるのはお門違いか」
各冒険者、パーティーの戦力を把握している冒険者ギルドであれば、どのパーティーがミスリルゴーレムを倒せる可能性が高いか、細かく分析することが出来る。
ソウスケたちの戦闘光景を見たことがなくとも、三人の実績はギルドの記録として残っている。
なので、シラブルの冒険者ギルドとしては……三人という少数ではあるが、ソウスケたちがミスリルゴーレムを倒す可能性が高いと考えている。
学術都市の上級者向けダンジョンを攻略したという記録も残っているので、そう考えるのは決して間違ってはいない。
「そうなると……どうなるんだ?」
「シラブルの領主に仕える騎士たちが、私たちを捕らえようとするかもしれませんね」
「騎士たちが、ねぇ」
「ソウスケさん、そいつらは遠慮なくぶっ飛ばしても良いのか?」
脳筋お化けのザハークとしては、基本的に襲い掛かってくる敵は、ぶっ飛ばしても良いと思っている。
「……落ち着け。さすがにそれは不味いと思う」
ソウスケの記憶が正しければ、あまりシラブルに属する兵士や騎士のレベル高くなかった。
遺跡からは偶に歴史的に価値がある物などが見つかるが、その数は全盛期と比べてかなり少なくなっている。
加えて、ダンジョンほどの生産性がないため、街のレベルとしてはせいぜい中の上程度。
武家の貴族ではあるが、そういった家の中でも……やはり中の上程度。
「でも、気付くまでの時間や、俺たちが移動する距離とかを考えれば、多分追いつけないよな」
ソウスケたちは今回の道中……特に目的地はなく、考え無しに移動している。
そのため、移動速度は決して速くはないが、スタミナが半端ないこともあり、一日で移動する距離はそこそこ長い。
「仮に追いつかれたとして……殺すのは不味いから、拘束してそこら辺に放置するのがベストかな」
「そうか。それなら、俺はあまり手を出さない方が良さそうだな」
「今回はそうなるかもな」
「……しかしソウスケさん、領主が暗殺者を送ってくる可能性もあるかと」
なるべく足が付かない存在を利用し、必要な物を奪う。
褒められた方法ではないが、貴族が良く使う手段ではある。
「それもあり得そうだな。ザハーク、そういった連中が襲ってくるのであれば、思う存分ぶっ飛ばして良いぞ」
「是非そうさせてもらおう」
「あっ、でも一人だけ残してくれよ。一応、誰が俺たちに仕向けたのかは知りたいから」
自分たちが貴族から狙われているかもしれない。
そんな恐ろしい状況を理解しているにもかかわらず、三人の表情は普段と変わらない。
ザハークに関してはバトルマニアらしく、活き活きとした笑みを浮かべていた。
(本当に対立することになっても……まっ、何とかなるだろ)
そういう時のための後ろ盾は、既に得ていた。
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